工事の日どりが決まると、だんだん別のことが気になってきます。職人さんにお茶を出すものなのでしょうか。お昼はどうされるのか、お手洗いをお貸ししたほうがよいのか。親の代はそうしていた気もするけれど、いまも同じなのか分からない。工事そのものより、この気づかいのほうが重たく感じられる方は少なくありません。
先に結論をお伝えします。お茶も差し入れも、用意していただく必要はありません。出せば受け取りますが、なくて当たり前の場面です。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。気をつかっていただくなら、お茶よりも置き場所。現場のほんとうのところをお伝えします。
直美さん 工事に来てくださる職人さんに、お茶やお菓子を出さないと失礼でしょうか。
ナビ いいえ、要りません。留守のお宅の工事ではそもそもお茶が出ませんから、ないのが当たり前なのです。
- お茶を出すべきか分からない
- お昼の支度が要るのか心配
- お手洗いを貸すのか迷う
- 心づけの習慣が気になる
- 何人来るのか見当がつかない
お茶も差し入れも要らない

いちばん気になるところからお答えします。お茶も差し入れも、ご用意いただく必要はありません。出していただければ職人さんは受け取りますが、なくて困るものではないのです。
そう言い切れる理由があります。誰も住んでいないお宅の工事では、お茶を出す人がいません。それでも現場はふつうに回ります。お茶のあるなしは、工事の中身に関わらないということです。
ここでは三つに分けて見ていきます。出さなくてよい理由、出したときの受け取り方、昔からある心づけの話です。
出さなくても気まずくならない
まず、出さないことで空気が悪くなる心配はありません。ご不在の現場では、お茶が出ないのがふつうだからです。
入居の前に手を入れるお住まいや、お留守のあいだに進めるお宅の工事を思い浮かべてください。朝から夕方まで、誰からも声をかけられずに作業が進みます。職人さんには、それがふつうの一日です。
つまり、お茶が出ないことを「冷たいお宅だ」と受け取る職人さんはいません。出ないほうが基準で、出るのが例外という順番になります。工事中の暮らしぶりはリフォームは住みながらできる?にまとめました。
出せば受け取ってもらえる
では、出したら迷惑なのか。そんなことはありません。お出しになれば、職人さんはありがたく受け取ります。
気をつかっていただいたことは、現場の人間にもきちんと伝わっています。断って気を悪くさせるほうが失礼ですから、ひと言お礼を述べて頂戴するのがふつうでしょう。手を止めて休む区切りにもなるものです。
ですから、出したい日に出していただければ十分です。毎日きちんと、と身構える必要はありません。続けられないことを無理に始めると、途中でやめるときにかえって気を揉むことになります。
心づけも最近は少ない
もう一つ、お金を包む習慣が気になる方もおられます。心づけも、最近は少なくなりました。なくて差し支えありません。
これはもともと気持ちの問題で、決まりごとではありませんでした。いまでも地方のお宅や、ご年配のお客様が心づけを渡される場面はあります。ただ、それは昔からのお付き合いの形が残っているということです。
ですから、まわりがどうしているかを気に病む必要はないでしょう。渡さないことで工事の中身が変わることはありません。会社の見分け方はリフォーム会社の選び方をご覧ください。
お昼とお手洗いと水道

お茶の次に気になるのが、一日のあいだの細かいことでしょう。お昼、お手洗い、水道の三つにお答えします。
どれも、言われなければ聞きにくいことばかりです。けれども中身が分かってしまえば、身構えるようなものではありません。先に知っておけば、当日あわてずに済むでしょう。
順にお伝えします。お昼の支度、お手洗いの扱い、そして水道をどう使うかです。
昼食は持参で準備は不要
お昼はどうされるのか。お弁当を持参されるなどしていますので、ご準備は要りません。
現場で働く方は、その日の段取りに合わせて休む時間を決めています。何時にどこで食べるかも、ご自分たちで組んでおられるのです。お宅の台所を使うこともありません。
ですから、お昼どきに合わせて何かを用意しておく、という気づかいは不要です。昼の時間に買い物へ出ていただいても差し支えありません。工事中の外出のしかたはリフォーム工事中の鍵はどうする?に書いています。
お手洗いは外で済ませる
次がお手洗いです。基本は、お客様のお手洗いをお借りせず外で済ませます。
近くのお店や、移動の途中で立ち寄れる場所を使うのがふつうです。お宅の中をたびたび行き来するのは、職人さんの側も気づまりなのでしょう。そこは心配なさらなくて結構です。
ただし、まわりにお店が何もない場所では、お願いすることもあります。そのときは必ず断りを入れてからです。黙って使われることはありませんので、そこはご安心ください。
水道は工事で使うときだけ
三つ目が水道です。工事で必要な場面では使わせていただきますが、私用では使いません。
たとえば道具を洗う、材料を練る、作業のあとの床を拭く。こうした場面では、お宅の水をお借りすることになります。水回りの入れ替えでは避けて通れない部分です。
とはいえ、それ以外で勝手に使うことはありません。気になることがあれば、現場の職人さんではなくリフォーム会社の担当者に伝えるのが早道でしょう。伝え方はリフォーム要望の伝え方にまとめました。

来る人数と助かること

ここからが本題かもしれません。気をつかっていただくなら、お茶ではなく置き場所です。あわせて、何人来るのかもお伝えします。
人数が分かっていれば、家の中をどう使うかの見当がつきます。そして工事には、どうしても荷物を置く場所が要るのです。ここを空けていただけることが、現場にとっては何よりありがたい。
三つに分けてお伝えします。ふだんの人数、大きな工事のときの顔ぶれ、そして空けておく場所の話です。
ふだんは2人の組
まず人数です。だいたい2人というのが一般的になります。メインの職人さんと、それを支えるサブの職人さんの組です。
大勢が家の中に入ってくる光景を思い描いておられたなら、少し拍子抜けされるかもしれません。設備を一か所入れ替えるような工事であれば、この2人で朝から夕方まで進んでいきます。
人数が読めると、その日の過ごし方も決めやすくなるでしょう。2人なら、ほかの部屋にいれば顔を合わせる回数もしれています。工事の日数はリフォームは住みながらできる?をご覧ください。
大きな工事は職種が増える
ただし、いつも2人とはかぎりません。規模の大きな工事では、職種ごとの職人さんが入ります。
キッチンの工事を例にしてみましょう。キッチンを取り付ける職人さん、大工さん、ガスの工事をする方、水道の工事をする方。それぞれの専門が別々にいるので、日によって来る顔ぶれが変わるのです。
顔ぶれが入れ替わるのは、段取りがきちんと組まれている証でもあります。誰がいつ来るかは工程表に出ていますから、着工の前に一度見せてもらうとよいでしょう。打ち合わせの回数はリフォームの打ち合わせは何回?にあります。
部材の置き場所を空ける
そして、いちばん助かるのがこれです。工事に必要なスペースを確保していただくこと。お茶よりも、ここをお願いしたいところです。
キッチンの工事であれば、ダイニングやリビングの空間をお借りして、部材を置かせていただくことになります。新しいキッチンは箱に入った状態で運び込まれますから、組み立てるまでのあいだ、どうしても場所が要るのです。
どのくらいの広さが要るかは工事によって違います。下見のときに、どこを空けておけばよいか聞いておくと確かでしょう。当日になって家具を動かすより、ずっと楽に進みます。増える費用のことはリフォームの追加費用にまとめました。

工事中の気づかいのよくある質問

ここからは、工事が始まる前によくいただくご質問にお答えします。迷いやすいところから順に並べました。
お茶は毎日出すものか
毎日という決まりはありません。そもそも出さなくて差し支えないものですから、回数を気にされなくて結構です。お留守のお宅の工事ではお茶が出ないまま進みますし、それで現場が滞ることもありません。出したい日に出す、という向き合い方でちょうどよいでしょう。
差し入れは何がよいか
品物を選ぶところから考えなくて結構です。お昼はお弁当を持参されるなどしていますので、ご準備は要りません。どうしてもというお気持ちであれば、その場で飲めるものを人数ぶんだけお出しになれば十分です。残ってしまうものや、持ち帰りに困るものは避けたほうが無難になります。
お手洗いは貸すべきか
基本はお貸しになる必要がありません。外で済ませるのがふつうで、近くのお店などを使っておられます。まわりに何もない場所では、お願いすることもありますが、そのときは必ず断りを入れてからになります。黙って使われることはありませんので、身構えなくて大丈夫です。
心づけは渡したほうがよいか
渡さなくて差し支えありません。気持ちの問題なので、最近は少なくなりました。地方のお宅やご年配のお客様では、いまも渡される方がおられますが、それは昔からのお付き合いの形が残っているということです。渡さないことで工事の中身や仕上がりが変わることはありません。
工事中はどこにいればよいか
工事をしていないお部屋にいていただければ結構です。ずっと作業を見ている必要はありません。来られるのはだいたい2人ですから、顔を合わせる回数もしれています。鍵の扱いや短い外出についてはリフォーム工事中の鍵はどうする?に、ご近所への回り方は近所へのあいさつは誰が回る?にまとめました。
まとめ

お茶も差し入れも心づけも、ご用意いただく必要はありません。お昼は持参、お手洗いは外、水道は工事で使うときだけ。気をつかっていただくなら、部材を置く場所を空けておくことです。
- お茶も差し入れも要らない
- 出さなくても気まずくならない
- 留守のお宅ではもともと出ない
- 出せばありがたく受け取る
- 毎日きちんと、と考えなくてよい
- 心づけも最近は少ない
- 渡さなくても仕上がりは変わらない
- 昼食は持参で準備は不要
- お手洗いは外で済ませるのが基本
- お願いするときは必ず断りを入れる
- 水道は工事で使うときだけ
- 来るのはだいたい2人の組
- 大きな工事は職種ごとに増える
- 部材の置き場所を空けておく
気づかいの迷いが消えると、工事そのものに目を向けられます。あとは、どの会社に頼むかだけでしょう。そろそろ具体的に、と思い始めた方は、何社かに相談してみてはいかがでしょうか。
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