キッチンの工事が決まって、ふと手が止まる。収納の中身を全部出すとなると、鍋も食器も調味料も、どこへ置けばいいのだろう。家じゅうを片づけなければいけないのだろうか。長く住んでいるお宅ほど、想像しただけで気が重くなる作業です。
先にお伝えします。空けていただくのは、工事をする部屋と材料が通る道の二か所だけです。家じゅうを片づける必要はありません。しかもどこまで空けるかは、下見のときに教えてもらえます。ご自分で判断しなくてよいところです。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。出した荷物をどこへ置くか、そしてこの片づけが新しい収納を決める材料になることまでお伝えします。
直美さん 収納の中身を出したら、家じゅう片づけることになりませんか。
ナビ 空けるのは二か所だけですよ。ほかのお部屋はそのままで大丈夫です。
- どこまで片づければよいか不安
- 出した荷物の置き場がない
- いつまでに空けるか分からない
- 大きなものを動かせない
- 量が多くて手がつかない
空けるのは部屋と通り道

まず結論からお伝えします。片づけていただくのは基本的に工事をする部屋だけです。隣の部屋も、二階も、そのままで構いません。ただし、もう一か所だけ空けていただきたいところがあります。材料を運び込む道です。ここを知らずにいると、当日になって慌てることになります。
工事をする部屋は空にする
工事をする部屋については、線引きがはっきりしています。キッチンを入れ替えるなら、中身はすべて空にしていただく必要があります。洗面所の場合も同じです。
一部だけ残す、という形はとれません。扉の中も引き出しの中も、ひとつ残らず出していただくことになります。鍋、食器、調味料、食品のストック。長く住んでいるお宅ほど、出てくる量は多くなるものです。本体を外して新しいものを組み立てますので、中に物が残っていると作業そのものが進みません。ここだけは、量を見込んで取りかかってください。
工事そのものがどれくらいの期間になるかはリフォームは住みながらできる?にまとめました。
材料が通る道も空ける
ここが見落とされやすいところです。搬入経路、つまり材料が通る道も片づけていただく必要があります。
新しいキッチンもユニットバスも、玄関から部屋まで人の手で運び込みます。その道に物が置いてあると、通れません。ぶつけて傷めてしまう心配もあります。といっても、ご自分でどこが経路になるかを考える必要はありません。必要であれば、下見のときに工事業者からお伝えします。言われたところだけ空けていただければ十分です。
下見の当日に何を見られるのかはリフォームの現地調査は何を見る?をご覧ください。
期限は着工の前日
いつまでに空けるか。答えは単純です。着工の前日までで差し支えありません。何日も前から空っぽにしておく必要はありません。
ただし、これは期限の話です。前日から始めれば間に合う、という意味ではありません。キッチンひとつ分の中身は、出すだけでも思っているより時間がかかります。数日前から少しずつ手をつけておくと、前日が楽になります。ふだん使わないものから先に出しておけば、暮らしも止まりません。

白いお部屋は、手をつけなくて大丈夫です
置き場は三つから選ぶ

では、出したものをどこへ置くか。ここが次の悩みどころでしょう。選び方は三つです。使っていない部屋に仮置きするか、大きなものは手伝ってもらうか、置く部屋がなければ外に借りるか。多くのお宅は一つ目で収まります。
使っていない部屋に仮置き
いちばん多いのがこの形です。ふだん使っていないお部屋に仮置きしていただくことが多くなります。
和室や空いている洋室、お子さんが使っていない部屋。工事をしない部屋なら、どこでも構いません。ただし置き方には一つだけ気をつけてください。壁ぎわにまとめて、床の真ん中は空けておく。そうしておけば、出し入れのときにも困りません。工事の最中に使いたいものが出てきたとき、奥から引っぱり出さずに済みます。箱の外側に中身をひとことだけ書いておけば、探す手間もかかりません。
工事のあいだ、どの部屋で過ごすことになるかはリフォーム工事中の鍵はどうする?にも書いています。
大きなものは手伝ってもらえる
冷蔵庫や洗濯機のように、ご自分では持ち上げられないもの。ここは正直にお伝えします。本来はご家族に動かしていただくものです。
ただ、現実には大変な作業です。ですからリフォーム業者がお手伝いすることもあります。必ずやってもらえると決まっているわけではありませんので、動かせないものがあるなら、打ち合わせのときに先に伝えておいてください。当日になって困るより、ずっと話が早くなります。
何をどこまでお願いできるかは、要望として伝えておくことです。伝え方はリフォーム要望の伝え方にまとめました。
置く部屋がなければ外に借りる
三つ目は、どうしても家の中に置けないときの手です。大規模なリフォームで荷物を置く部屋がない場合、トランクルームを借りる方もいらっしゃいます。
ここは正直に書いておきます。トランクルームは、リフォーム業者が紹介するものではありません。ご自分で探していただくものです。ただ、相談に乗ってくれる担当者もいるかもしれませんので、困ったときは一度聞いてみてもよいでしょう。家じゅうを工事するような大きな計画でなければ、ここまでは要りません。
出すついでに数えておく

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。片づけは面倒な作業に見えますが、実は新しい収納を決めるための材料になります。中身を全部出すのは、このときしかありません。せっかくなら、数えながら出してください。出したあと台所が使えない数日をどう過ごすかはキッチン工事中の食事はどうする?に書いています。
何がどれだけあるか
まずは数え上げです。どんな荷物が、どれだけあるのかを把握しておいてください。
紙に書き出すほどでなくても構いません。鍋がいくつ、食器がどれくらい、背の高い調味料が何本。箱に入れながら、おおよそを覚えておくだけでも違います。ふだんは扉の奥に隠れていて、ご自分でも把握しきれていないことが多いものです。出してみてはじめて、こんなに持っていたのか、と気づく方もいらっしゃいます。使っていないものが見つかれば、そこで手放す判断もできます。
新しい収納に入るか
数えたら、次に考えるのはここです。新しい収納に、その量と大きさが入るかどうか。
新しいキッチンを選ぶとき、ショールームで見るのは見た目や使い勝手が中心になりがちです。けれども毎日効いてくるのは、しまえるかどうかのほうです。扉の中の寸法まで見ている方は、そう多くありません。大きさと量を分かったうえで選べば、収納の中身まで決めて進められます。引き出しを深くするか浅くするか、といった選び方も変わってきます。
ショールームで何を見るかはリフォームのショールームは営業される?に、提案の紙でどこを確かめるかはリフォームの提案書はどこを見る?にまとめてあります。
入らないものは先に決める
そして、いちばん避けたいのがこれです。サイズが大きくて実際には入らなかった、という形です。
工事が終わって、いざ戻そうとしたら収まらない。そうなってからでは、収納を変えることはできません。せっかく新しくしたのに、別の場所に置き場を作ることになってしまいます。大事な荷物の大きさは、検討の材料に入れておいてください。入りきらないと分かったものは、別の場所に置くのか手放すのかを先に決めておく。片づけのこの時間が、いちばん考えやすいときです。

出すときにしか、数えられません
工事中の荷物のよくある質問

ここまでで、空ける場所と置き場、そして数えておく意味をお伝えしました。残りのこまかい疑問をまとめておきます。読み終えたら、まず使っていないお部屋をひとつ決めるところから始めてください。
家じゅうを片づけるのか
その必要はありません。工事をする部屋と、材料が通る道の二か所だけです。
ほかのお部屋はそのままで構いません。通る道については、必要であれば下見のときに伝えてもらえますので、ご自分で考えておく必要もありません。
一部だけ残してもよいのか
工事をする場所については、中身をすべて空にしていただく必要があります。
キッチンも洗面所も同じです。本体を取り外しますので、中に物が残っていると作業が進みません。引き出しの奥や、シンクの下もお忘れなく。
冷蔵庫や洗濯機は誰が動かすのか
本来はご家族です。ただし重くて運べないものは、業者がお手伝いすることもあります。
必ずそうなると決まっているわけではありませんので、打ち合わせのときに相談してみてください。動かせないものがあると先に分かっていれば、段取りに入れてもらえます。
貴重品はどうすればよいのか
通帳や印鑑のようなものは、ご自分のいる場所へ移すか、手元に持っておくのが確かです。
工事をする部屋には置かない、と決めておけば迷いません。くわしくはリフォーム工事中の鍵はどうする?に書いています。
置く部屋がないときは
大きな工事で部屋が足りないときは、トランクルームを借りる方もいらっしゃいます。
ただしリフォーム業者が紹介するものではありませんので、ご自分で探していただくことになります。相談に乗ってくれる担当者もいるかもしれませんので、一度聞いてみてもよいでしょう。
片づけは収納を決める時間

空けていただくのは工事をする部屋と、材料が通る道の二か所だけです。家じゅうを片づける必要はありません。工事をする場所は中身をすべて空にしますが、どこまで空けるかは下見のときに教えてもらえます。期限は着工の前日までで、数日前から少しずつ始めておくと楽になります。
置き場は三つ。使っていない部屋に仮置き、大きなものは手伝ってもらう、置く部屋がなければ外に借りる。多くのお宅は一つ目で収まります。壁ぎわにまとめて床の真ん中を空けておけば、出し入れにも困りません。
そして、この片づけには別の意味もあります。出すついでに、何がどれだけあるかを数えておいてください。新しい収納に入るかどうかが先に分かりますし、入らないものをどうするかも決められます。サイズが合わずに戻せなかった、という形を避けられる唯一の時間です。
- 空けるのは二か所だけ
- 工事をする部屋は中身を全部出す
- 材料が通る道も空ける
- どこまでかは下見で教えてもらえる
- 期限は着工の前日
- 数日前から少しずつが楽
- 使っていない部屋に仮置き
- 壁ぎわにまとめて真ん中を空ける
- 大きなものは手伝ってもらえることも
- 出すついでに数えておく
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、まず何社かのお見積もりを並べるところからです。見積もりそのものの費用はリフォームの見積もりは無料?に、工事の日数はリフォーム工事中の騒音はどれくらい?にまとめてあります。
工事のあいだ水まわりがどれくらい止まるのかはリフォーム中に水道は止まる?が、ご近所へのあいさつはリフォームの近所へのあいさつは誰が回る?が参考になるでしょう。


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