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【メーカー目線】リフォームの追加費用|増える理由と防ぎ方

ダイニングで見積書を手に取り落ち着いて内容を確かめている女性 見積書の見方
この記事は 約10分 で読めます

契約のときに聞いていた金額より、最後に払う金額のほうが多かった。リフォームでいちばん気持ちが沈むのは、この瞬間かもしれません。工事そのものに不満はなくても、話が違うと感じてしまうと、せっかくきれいになった住まいまで素直に喜べなくなってしまいます。

ただ、追加費用はすべてが不当なものではありません。出てくる理由にはいくつかの型があって、そのほとんどは契約の前に手を打てます。逆にいえば、どこで増えるのかを知らないまま進めてしまうと、防げたはずのものまで増えてしまうのです。

この記事では、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から、追加費用が増える場面と、契約の前に見ておきたい行をお伝えします。なお、金額の目安を示すことはいたしません。

読者代表の直美さん読者
直美さん
追加費用が怖くて、なかなか頼めずにいます。工事が始まったら、どんどん増えていくものなのでしょうか。
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実はいちばん多いのは、お施主様ご自身からのご要望による追加なのです。ここは契約の前に決めておけば防げます。
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こんなお悩みはありませんか
  • いくら増えるのか見当がつかない
  • 契約後に増えると言われた
  • 見積書の一式が分からない
  • 途中で仕様を変えたくなりそう
  • 断っていいのか判断できない

追加費用が増える3つの場面

キッチンの扉の色見本を2枚持って見比べている女性

先に結論からお伝えします。追加費用が出てくる場面は、大きく三つしかありません。あとから出てくるご要望、壊してみて分かること、そしてもともと見積書に入っていない工事です。このうちいちばん多いのは、一つ目のご要望による追加です。悪質な業者の手口という話では、まったくないのです。

あとから出てくる要望

打ち合わせが進んでいくと、最初は考えてもいなかった設備や仕様が気になってきます。引き出しをもう一段ふやしたい、扉の色を変えたい、食洗機もつけておきたい。こうしたお施主様のご要望による追加が、実はいちばん多いのです。

これは決して悪いことではありません。せっかく直すのだからよくしたい、というお気持ちは当然のものです。ただし気をつけていただきたいのが、発注したあとの変更は簡単ではないということ。費用がかかるだけでなく、納期が延びて工事の日程そのものがずれてしまうこともあります。

ですから、迷っているところを残したまま発注しないでください。こだわりたい方ほど、決めきらないうちに印を押してしまいがちです。仕様は納得いくまで詰めて、それから発注する。この順番を守るだけで防げる追加が、実はとても多いのです。なお契約したあとでも変更はできますので、言い出せないまま進める必要はありません。

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壊してみて分かること

二つ目が、開けてみるまで分からない部分です。とくに多いのが天井や壁の中を通っている梁で、図面に出ていないこともあり、解体して初めて姿が見えることがあります。

梁があると、レンジフードの排気ダクトが抜けないことがあります。吊戸棚が納まらない、お風呂の暖房換気乾燥機が取り付けられない、ということも起こります。梁を逃がすための梁欠き用のパネルという部材があるのですが、これを見積もりに入れておかないと現場で収まりません。

配管も同じです。キッチンの給排水やガスの立ち上がりは、動かせる場合と動かせない場合があります。床下に大引きが走っていれば、それを避けて配管を回すことになり、その分の手間が増えるのです。

一式のままの工事

三つ目は、はじめから見積書に含まれていない工事です。含まれているように見えて、実は中身が書かれていない欄があります。一式とまとめられやすいのは、施工費と現場管理費のところです。この現場管理費が何に使われるお金なのかは見積書の諸経費とは?でお伝えしています。

ここが一式のままだと、あとから「その作業は別になります」と言われても言い返せません。相手に悪気がなくても、お互いの思っていた範囲がずれていた、ということが起こります。

現場管理費というのは、職人さんの手配や近隣へのあいさつ、工程の管理といった、目に見えにくい仕事の費用です。計上されていること自体はまったく問題ありません。何をしてもらえるのかを一度聞いておくと、工事が始まってからの連絡の取りやすさまで見えてきます。

追加費用が増える3つの場面を現場のセリフで示した図解
現場で実際に出る言葉を並べました

契約前の見積書で見抜く

見積書の一行を指でたどりながら確かめている手元

増える場面が分かれば、次は見積書のどこを見るかです。押印の前に確かめておく行は三つあります。別途と書かれた行、数量が一式の行、解体後の取り決めです。合計金額の大小より先に、この三つに目を通してください。

別途と書かれた行を数える

別途という言葉は、この見積もりには含みませんという意味です。書いてあるだけ良心的ともいえるのですが、数が多いと最後の支払いが大きく変わってしまいます。まずは何行あるのかを数えてみてください。どんなものが別途の行になるのかは見積書の別途とは?にまとめてあります。

数えたら、それぞれについて「いくらくらいになりますか」ではなく、「これはやる工事ですか、やらない工事ですか」と聞きます。必要な工事なら、いまの見積書に入れてもらう。そうして初めて、他社と比べられる形になります。

数量が一式のところ

一式という書き方そのものが悪いわけではありません。問題は、中身を聞いても答えが返ってこない場合です。きちんとした提案書なら、同じ欄に何をいくつ、どの工程まで含むのかが書かれています。

聞き方は簡単で、「この一式には何が入っていますか」で十分です。すらすらと内訳が出てくる会社は、現場を分かったうえで数量を拾っています。言葉を濁されたら、そこがあとで追加になりやすい場所だと考えてください。

同じ工事なのに会社によって金額が違うときも、たいていは仕様の差ではなく、この一式に入れている範囲の差です。安く見えた見積書が、単に入っていなかっただけということは珍しくありません。なお、有効期限が切れて金額が変わるのは、追加費用とは別の話になります。くわしくは見積書の有効期限は?をご覧ください。

解体後の取り決めがあるか

壊してみるまで分からない部分は、どんなに丁寧な会社でも必ず残ります。ですから大事なのは、ゼロにすることではなく、そうなったときの進め方を先に決めておくことです。

下地の傷みや梁が出てきた場合は、いったん工事を止めて書面で見積もりを出してから進める。この一文が契約書に入っているかどうかだけで、工事が始まってからの安心感がまるで違ってきます。なお、解体で出た廃材の処分費も別の行で立ちますので、その行の見方はリフォームの廃材は自分で捨てられる?をご覧ください。

口約束で構いませんかと言われることもありますが、それは避けてください。工事が進むにつれて、誰が何を言ったのかは思い出せなくなっていきます。紙に残すのは相手を疑うためではなく、お互いが同じ前提で進むためのものです。

見積書の一式別途解体後の3つの行に注釈をつけた図解
押印の前に見ておく行と、聞き方をまとめました

増えたと言われたときの進め方

電話で話を聞きながらメモ帳に書き留めている女性

それでも、工事が始まってから追加の話が出ることはあります。このときにやってはいけないのが、その場で口頭の了解を返してしまうことです。返事をするのは書面を見てから。手順はこの三つだけ覚えておけば大丈夫です。

その場で返事をしない

現場で職人さんから直接言われると、断りにくいものです。工事を止めては申し訳ない、という気持ちも働きます。けれども、ここで「はい」と答えた瞬間に追加が決まってしまいます。

「いったん持ち帰らせてください」で構いません。その日のうちに決めなければならない追加は、ほとんどありません。急がせてくるようなら、なおさら立ち止まってください。

書面で出してもらう

次に、追加の内容を紙で出してもらいます。見るのは金額だけではありません。何をいくつ、どの工程までが書かれているかを確かめてください。

あわせて「なぜ必要になったのか」も書いてもらいましょう。解体して出てきたものなのか、こちらの要望によるものなのか。理由がはっきりすれば納得して進められますし、断るという判断もしやすくなります。

相談できる窓口

話がまとまらないときは、外の窓口を使って構いません。リフォームの工事については、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住まいるダイヤルで、建築士に電話で相談できます。

契約そのものに納得がいかないときは、お住まいの消費生活センターにも相談できます。全国共通の電話番号は188番です。相談したことが相手に伝わるわけではありませんので、安心して使ってください。

どちらも契約のあとでも相談できますし、早いほど打てる手は多くなります。おかしいと感じた時点で、遠慮なく電話をしてみるとよいと思います。

よくある質問

リフォームの追加費用のよくある質問のバナー

ここからは、追加費用のことで迷いやすい点をまとめました。打ち合わせの場では聞きにくい内容もあると思いますので、メーカーの立場からお答えします。なお、金額の目安については立場上お示しできないことをご了承ください。

追加費用は断れるのか

こちらの要望による追加であれば、断って構いません。やめますと伝えれば、それで終わりです。ただし発注のあとの取り消しは受けられないことがありますので、迷っているものは先に外しておくほうが安全です。迷ったまま発注して、やはりやめますとなるほうが、気持ちの負担も大きくなってしまいます。

発注後に色を変えられるか

商品は発注が入った時点で生産の手配が始まります。ですから色や扉の変更は、できない場合のほうが多いと考えてください。仮にできたとしても、あらためて納期を待つことになります。どうしても決めきれないときは、発注をいつにするかを担当の方と相談しておくと安心です。

梁があると必ず追加になるか

必ずではありません。もともと梁を避けた計画になっていれば追加は出ませんし、梁欠き用のパネルが最初から見積もりに入っていることもあります。気になるときは、契約の前に梁の確認はしてあるかと聞いてみてください。解体してからでは選べる手が少なくなりますので、先に聞いておくほど楽になります。

見積書に一式しかないとき

すべての行が一式で出てきた見積書は、比べようがありません。内訳を出してもらえるか聞いてみて、それでも同じ形で返ってくるなら、他の会社にも声をかけてみましょう。判断する材料が出てこない相手とは、契約しないほうが安心です。内訳を出せるかどうかは、その会社が現場をどこまで見ているかの表れでもあります。

追加が出にくい会社の見分け方

現地を見に来たときに、床下や天井の点検口を開けて確かめる会社は、追加が出にくい傾向があります。図面と写真だけで見積もりを作る会社は、どうしても現場に入ってから食い違いが起きやすくなるのです。見に来たときにどこを開けて確かめたかは、あとから聞けば教えてもらえます。

まとめ

リフォームを終えた新しいキッチンの前でひと息ついている女性

追加費用の多くは、業者の手口ではなく決めきらないまま進めてしまったことから生まれます。仕様を固めてから発注し、別途と一式の行を契約の前に確かめておく。この二つだけで、防げるものはほとんど防げます。あとは、どうしても出てくる分にだけ落ち着いて向き合えば済みます。

この記事の振り返り
  • いちばん多いのはあとからの要望
  • 発注後の変更は費用と納期に響く
  • 仕様を決めきってから発注する
  • 梁でダクトや吊戸棚が納まらない
  • 梁欠き用のパネルは見積もりに入れる
  • 大引きを避けると配管の手間が増える
  • 一式になりやすいのは施工費と現場管理費
  • 別途の行は数えてから聞く
  • 解体後の進め方を契約書に書く
  • 返事をするのは書面を見てから

それでも出てくる分は、書面で中身を確かめてから返事をすれば大丈夫です。怖いのは金額そのものではなく、何に使われるのか分からないまま増えていくことではないでしょうか。中身さえ見えていれば、落ち着いて選べます。

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見積書そのものの読み方はリフォーム見積書の見方に、複数の会社で比べる手順はリフォーム相見積もりの取り方にまとめました。頼む会社の見分け方はリフォーム会社の選び方、断りにくいときはしつこい営業を断る言い方7選をご覧ください。設備そのものの選び方はお風呂リフォームの選び方とキッチンリフォームの選び方もどうぞ。

この記事を書いた人
ホームナビ

建築業界32年。現役で住宅設備建材メーカーに勤務し、ハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当しています。毎日たくさんの提案書に目を通す仕事です。
保有資格:2級建築士/1級建築施工管理技士/インテリアコーディネーター(ほかに宅地建物取引士試験 合格)
特定のリフォーム会社に属していない立場から、会社の選び方と見積書の見方をお伝えします。

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