食洗機が止まってしまって、そのまま戸棚がわりに使っている。築十数年のお宅では、よくうかがうお話です。買い替えたい気持ちはあっても、キッチンごとやり直すことになるのではと思うと、なかなか言い出せません。ご相談の場でいちばん多いのも、この食洗機だけ替えられますか、というご質問です。
先に答えをお伝えします。いまと同じ幅であれば、食洗機だけを入れ替えられます。工事は半日で終わりますので、キッチンを丸ごとやり直す話にはなりません。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。替えられる範囲と、頼む前に確かめておくこと、そして選ぶならどれがよいかを順にお伝えします。
直美さん 食洗機が止まってしまって。これだけ新しくすることって、できるものなんでしょうか。
ナビ できますよ。同じ幅なら半日で終わります。せっかく替えるなら、深型をおすすめします。
- 止まったままの食洗機
- キッチンごとになる不安
- 浅型と深型の違い
- そろわなくなる扉の色
- 違うメーカーへの入れ替え
食洗機だけの交換は半日で終わる

キッチンの機器が止まると、工事が大ごとになるのではと身構えてしまいます。天板を外すことになるのではないか、扉を全部そろえ直すことになるのではないか。そんな想像をされる方は少なくありません。
けれども食洗機の入れ替えは、キッチンまわりの工事のなかでは軽いほうに入ります。大ごとになるかどうかを決めているのは、いまと同じ幅のものを選ぶかどうか。ここさえ外さなければ、まわりの扉や引き出しに手を入れずに済みます。
幅を変えなければ本体だけで収まる
食洗機の幅は45センチと60センチの二つで、お住まいで一般的に使われているのは45センチです。いまと同じ幅の商品を選べば、入れ替えは本体だけで収まります。
幅を変えようとすると、隣の収納ユニットまで作り直すことになってしまいます。天板や扉の割り付けが変わるため、工事は一気に大がかりです。特別な事情がないかぎり、同じ幅のままをおすすめしています。
同じ幅であれば、キッチンの見た目もいまのまま変わりません。食洗機の位置も大きさも動きませんので、使い慣れた並びがそのまま残ります。毎日の体の動きが変わらないというのは、思っている以上にありがたいものです。
工事はおよそ半日で終わる
入れ替えそのものはおよそ半日で終わります。朝から始めれば、その日の夕食の片づけから使えるという感覚です。キッチンが何日も使えなくなることはありません。
ただし商品が手元に届くまでの日数は、この半日には入っていません。工事の期間と商品の納期は別のものです。この二つの違いはリフォームは住みながらできる?にくわしく書きました。
ご注文から取り付けの日までを合わせると、数週間はみておくと安心でしょう。急に止まってしまったときほど、まずは品番を調べて相談を始めてしまうほうが近道になります。
メーカーが違っても入れ替えできる
いま付いているものと違うメーカーの食洗機にも入れ替えられます。キッチン本体と同じメーカーにそろえなければならない、という決まりはありません。加熱機器も同じ考え方で入れ替えられますので、ガスコンロからIHに替えられる?もあわせてどうぞ。
各メーカーが買い替え用の案内をホームページに出しています。いまの機器の品番さえ分かれば、どの商品に替えられるかをご自分でも調べられますので、一度のぞいてみてください。
もちろん、調べきれなくてもかまいません。写真を撮って見てもらえば、会社のほうで調べてくれます。ご自分で調べるのは、どんな選択肢があるのかを先に知っておきたいとき、くらいにお考えいただければ十分です。
替えるなら浅型ではなく深型

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。同じ45センチの食洗機でも、浅型と深型の二つがあります。幅は同じで、中の深さだけが違います。
おすすめは、迷わず深型です。食洗機があるだけで十分、とは思っていません。毎日の使い心地がはっきり変わるところですから、提案を受けたときに必ず確かめていただきたいのです。
深型は長い調理道具が入る
深型にはお玉や菜箸といった長いものが入ります。フライパンも入れられますので、手で洗うものがぐっと減ります。
洗い物でいちばん気が重いのは、食器よりも油のついた調理道具のほうではないでしょうか。そこを任せられるかどうかで、食洗機のありがたみはまるで変わってきます。
食器だけを入れていたころと比べると、シンクに残るものが目に見えて少なくなります。夕食のあとに流しがすっきり片づいているかどうかは、翌朝の気分まで変えてしまうように思うのです。
浅型だと入らないものが出る
浅型でも食器はきちんと入ります。ただ長さのある調理道具が入りません。深さが足りないので、どうしてもはみ出してしまうのです。
毎日の洗い物で、入らないものが必ず出てくる。これが思いのほかこたえます。結局シンクには洗い桶が残り、食洗機を回しながら手も動かすことになってしまいます。
食洗機があるのに手洗いが残る、という状態がいちばんもったいないところです。せっかく入れ替えるのですから、鍋やフライパンまで任せられる深さを選んでおくほうが、あとで悔やまずに済むかもしれません。
下の収納は専用の部材で入れ替え
深くなるぶん、その下の収納は小さくなります。とはいえ工事が広がるわけではなく、食洗機と下の収納の入れ替えだけで済みます。
いまの収納をそのまま使えることもありますし、使えないこともあります。使えないときは、メーカーが下の引き出し収納の部材を用意していますので、それを活用すれば入れ替えが可能になります。
つまり、下の収納が使えないと分かっても工事が大きくなるわけではありません。隣のユニットまで手を入れずに収まる話ですので、そこは心配しすぎずに相談してみてください。

交換の前に確かめる三つ

ここまでをまとめると、幅は変えない、替えるなら深型。方針はこの二つだけです。あとは実際に頼む前に、確かめておくと話が早く進むことがいくつかあります。
どれも現場を見てもらう前に、こちらから聞いておけることばかりです。難しい知識はいりませんので、順に見ていきましょう。
いまの幅は45センチか60センチか
まず確かめるのは、いま入っている食洗機の幅です。45センチが一般的ですが、60センチのお宅もあります。扉の正面の幅をメジャーで測れば、だいたいの見当はつきます。
品番が分かるなら、そちらのほうが確実です。扉を開けた内側や本体の側面に貼られていることが多いので、写真を撮って渡しておくと話が早くなります。渡すものの揃え方はリフォーム要望の伝え方にまとめました。
測れなくても困ることはありません。扉の正面と、開けた内側を写した2枚の写真があれば、幅も型も会社のほうで読み取ってくれるでしょう。
扉の面材は寸法が合えば使える
食洗機の前の扉には、新築のときにキッチンと同じ面材が入っています。寸法が合えば、この面材を新しい機器にも使えます。はじめから使えないと決まっているわけではありません。
ただし型番によって扉のサイズは違います。面材を枠に差し込むタイプと、扉そのものを取り付けるタイプがあり、仕組みが変わると寸法も変わってくるためです。
合わなかったときは、別の色柄にするか、機器の色のシルバーにするかを選ぶことになります。合うかどうかを先に聞いておくと、できあがってから驚かずに済むはずです。
提案が浅型になっていないか
出てきた提案書の品番が、浅型なのか深型なのかを見てください。何も言わなければ、いまと同じ浅型で出てくることがあります。悪気があるわけではなく、同じものに替えるのがいちばん無難だからです。
深型にしたい、という一言があるだけで提案は変わります。提案書のどこを見るかについてはリフォームの提案書はどこを見る?にくわしく書きました。
何年も使うものを、言わなかっただけで浅型のまま決めてしまうのは惜しいと思うのです。品番の文字列は見慣れないものですが、浅型か深型かだけは必ず聞いてみてください。

食洗機の交換でよくある質問

ここからは、打ち合わせの場でよくいただくご質問にお答えします。聞いてよいものか迷われる方が多いものばかりです。気になる項目から読んでいただいてかまいません。
修理と交換はどちらがよいか
組み込みの機器はおおむね10年から15年で寿命を迎えます。替えて数年で修理が効くなら修理を、その年数がたっているなら交換のご検討をおすすめします。替え時の考え方は築20年の水回りリフォーム時期をどうぞ。同じように一つだけ替えられる設備として、洗面台だけの交換とレンジフードだけ交換できる?も挙げておきます。
60センチはどんな家に多いか
ご家族の多いお宅や、調理器具もまとめて洗ってしまいたいという方に選ばれてきました。海外メーカーを採用された住まいでも、60センチが入っていることが多くなります。45センチと60センチのどちらが向いているかは、ふだんの洗い物の量と、鍋まで入れたいかどうかで決まってきます。
フロントオープンはどうか
前に大きく開くタイプで、たくさん入れたい方に人気があります。いまは国内メーカーにも60センチと45センチの両方がそろっていますので、選べる幅はずいぶん広がりました。ただし入れられる幅や扉の仕組みは商品によって違いますから、いまの場所に収まるかどうかは必ず見てもらってください。
海外メーカーに乾燥は付くか
付いていないものがあります。性能が低いからではなく、海外では洗い終わったら扉を開けて乾かすのが当たり前だからです。使い方の前提そのものが違う、とお考えください。扉を開けて待つ時間をとりたくないのであれば、乾燥が付いているかどうかを先に確かめておくとよいでしょう。
国内メーカーが選ばれる理由
乾燥まで付いていることと、修理の対応が早いことの二つです。毎日使うものですから、止まったときにすぐ来てもらえる安心は小さくありません。海外メーカーには昔からの信頼と憧れがあり、指定で選ばれる方もいらっしゃいます。
まとめ

食洗機だけの交換は、できます。同じ幅を選べば本体だけで収まり、工事はおよそ半日です。キッチンを丸ごとやり直す話にはなりませんので、どうぞ安心して相談してみてください。
そのうえで、替えるなら深型を。お玉も菜箸もフライパンも入る毎日は、思っているより気持ちが軽くなります。せっかく十年以上使うものですから、ここは遠慮せずに希望を伝えていただきたいところです。
- 食洗機だけの交換はできる
- 幅は45センチと60センチの二つ
- 一般的なのは45センチ
- 同じ幅なら本体だけで収まる
- 幅を変えると隣の収納まで及ぶ
- 工事はおよそ半日
- 商品の納期は工事の日数と別
- 違うメーカーにも入れ替えできる
- 45センチにも浅型と深型がある
- 深型はお玉や菜箸も入る
- 下の収納は専用の部材で対応
- 扉の面材は寸法が合えば使える
- 浅型で出てきていないか確かめる
同じ食洗機を入れるのでも、会社によって提案の中身は変わります。深型のように、言わなければ出てこないものがあるからです。そろそろ具体的に、と思い始めた方は、何社か話を聞くところから始めてみてください。
キッチンそのものの選び方はキッチンリフォームの選び方、見積書の読み方はリフォーム見積書の見方にまとめています。会社の見分け方はリフォーム会社の選び方、頼み先で何が変わるかはリフォームはどこに頼む?、集め方と比べ方はリフォーム相見積もりの取り方もあわせてどうぞ。


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