コンロの上のレンジフードを見上げる。掃除をしようにも高くて手が届かないし、形も古いままで、年に2回の大掃除のたびに気が重くなる。新しくしたいけれど、キッチンごと入れ替えることになるのではないか。それに、うちのは羽根が回る古い形だから、いまの商品は入らないのではないか。そんなふうに、見上げたまま手が止まってしまう方がいらっしゃいます。
先にお伝えします。レンジフードだけを入れ替えることはできます。キッチン本体はそのままで差し支えありません。そしてそろえるのは、本体の幅と排気の向きの二つだけです。羽根が回る昔の形からでも、替えられます。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。替えられるかどうかと、替える前に確かめることをお伝えします。
直美さん レンジフードだけ、新しくすることはできますか。
ナビ できますよ。そろえるのは幅と排気の向きの二つだけです。
- キッチンごと替えるのか不安
- 高くて手が届かず掃除がつらい
- 古い形なので入らない気がする
- 連動が使えるのか分からない
- 幅が合うのか確かめられない
レンジフードだけ入れ替えられる

まず、いちばん気になるところからお答えします。どこまで工事になるのか、何をそろえればよいのか。ここがはっきりすれば、あとの話は見通しがよくなります。見るのは二つだけで、どちらも現場で確かめてもらえるものです。ご自分で調べてから相談しよう、と構えなくて差し支えありません。順にお伝えします。
キッチンはそのままでよい
レンジフードだけを入れ替えて、新しくすることができます。キッチン本体に手を入れる必要はありません。天板も、扉も、シンクも、いま使っているものがそのまま残ります。フードだけを外して、新しいものを取り付けるという工事になります。
この点は、食洗機や加熱機器の入れ替えと同じ考え方です。設備は一式でできているように見えますが、機器は機器として取り外せるようになっているのです。食洗機の場合は食洗機だけ交換できる?に、加熱機器の場合はガスコンロからIHに替えられる?にまとめてあります。
そろえるのは幅と排気の向き
そろえるものは二つです。ひとつが本体の幅、もうひとつが排気の向きになります。この二つが合えば、いまのキッチンのまま入れ替えられます。逆にいえば、ここさえ外さなければ心配は要らないということです。
幅は60センチ・75センチ・90センチの3種類が一般的です。種類がかぎられているので、たいていは合う商品が見つかります。食洗機やキッチンの天板と同じで、規格がそろっているおかげです。排気の向きは、いまのフードから空気がどちらへ抜けているかということで、いまと同じ向きにそろえます。どちらも下見のときに見てもらえますので、ご自分で測る必要はありません。巻尺を探すところから始めなくて大丈夫です。
工事は半日から1日
工事にかかるのは半日から1日程度です。来るのは2名で、電気の工事が必要な場合は、電気工事のできる職人が取り替え工事に来ることもあります。人数が増えるぶん、作業が長くなるということではありません。
壁を壊したり、天井を大きく開けたりする工事ではありません。朝に始めて、その日のうちに終わることがほとんどです。何日も家を空けたり、台所を使えない日が続いたりする心配もありません。工事の日に水道や電気がどれくらい止まるのかはリフォーム中に水道は止まる?にまとめました。

昔のフードから替えるとき

ここからは、築年数の経ったお宅の話です。いまの商品とは形がまるで違うので、うちのは入らないのではないかと心配される方がいらっしゃいます。結論から申し上げると、替えられます。古いからという理由で断られることはありません。ただしひとつだけ工事が足されます。そこをお伝えします。
羽根が回る形といまの形
いまのレンジフードは機械式のシロッコファンと呼ばれる形が一般的です。ファンが中に収まっていて、外からは見えません。羽根がむき出しになっていないぶん、見た目もすっきりしています。
いっぽうかなり昔のお宅では、羽根が回っているプロペラフードが多く使われていました。壁に四角い穴が開いていて、そこで羽根が回っている形です。見た目がまるで違うので、入れ替えられないと思われるのも無理はありません。実際、このご相談はよくいただきます。
30センチほどの穴を塞ぐ
羽根の形からいまの形に替えるときは、30センチ角ほどの穴を塞ぐ工事が追加で必要になります。羽根が入っていた穴が、そのまま残ってしまうからです。新しいフードは壁の穴を使わない形なので、開いたままにしておけません。
ただし心配は要りません。穴を塞ぐための部材が用意されていますので、取り替えはできます。特別な造作をしてもらうわけではなく、決まった部材で納めるということです。壁を大きく作り直すような話にはなりませんので、そこは安心していただいて結構です。工事がひとつ足されるぶん、見積書の行も増えます。追加の行の読み方はリフォーム見積書の別途とは?をご覧ください。
形を変えるなら吊戸棚との収まり
ついでに形そのものを変えることもできます。羽根の形からすっきりした形へ、というように見た目を変えられるのです。同じ場所にあるものを替えるだけで、キッチンの印象はずいぶん変わります。
そのときに見るのが隣にある吊戸棚との収まりです。フードの形が変われば、横に並ぶ戸棚との関係も変わります。そこは納まりのよい形になるように提案してもらえますので、こうしたいという希望を先に伝えておいてください。戸棚ごと替えるのか、いまのまま収めるのか。そこも含めて考えてもらえます。伝え方はリフォーム要望の伝え方にまとめました。

替える前に確かめること

替えられることが分かったら、最後に確かめておきたいことがあります。ひとつは連動のこと、もうひとつは選び方です。どちらも知らないまま進むと、あとで惜しいことになります。といっても、やることは多くありません。どちらも、聞いてみるだけで済む話です。
連動には通信の方式がある
加熱機器と連動して動くレンジフードがあります。火を入れると自動で運転が始まり、消したあと少ししてから止まる、あれです。スイッチへ手を伸ばす動作そのものがなくなるので、高い位置にあるフードではとくに助かります。加熱機器のほうにも換気連動の機能が付いていれば、使えるものがあります。
ただし注意が要ります。連動するための通信の方式に種類があるのです。方式が合えば使えますが、違う方式だと使えません。フードだけを替えたときに、思っていた連動が働かない、ということが起こりうるわけです。使えるかどうかは、組み合わせを見てみないと分かりません。
品番が分かれば調べられる
では、どうやって確かめるか。機器の品番が分かれば調べられます。品番さえ分かれば、こちらで調べられるのです。ですから、問い合わせのときにいまお使いの機器の品番を伝えておいてください。
品番は機器のどこかに貼ってあります。シールを写真に撮って、その文字を書き写すだけで足ります。これだけで、連動が使えるかどうかの返事がもらえます。調べられることなので、気兼ねなく聞いてみてください。最初の問い合わせに何を書くかはリフォームの問い合わせは何を書く?にまとめました。
お手入れのしやすさで比べる
最後にひとつ。せっかく替えるのであれば、お手入れの簡単なフードを比べてみることをおすすめします。替えたあとの暮らしがいちばん変わるのが、ここだからです。形や見た目よりも、毎日の手間に効いてきます。
フードのお手入れは手間がかかります。しかも高い位置にあるので、簡単には掃除できません。年に2回ほど、大掃除のときだけという方が多いのもそのためです。最近はお手入れの簡単なフードに人気が集まっていますので、各社のものを並べて見てみてください。何年も手を入れなくてよいとうたっている商品もあります。選ぶときの軸はキッチンリフォームの選び方に書いています。
入れ替えの前のよくある質問

ここからは、レンジフードの入れ替えについてよくいただくご質問にお答えします。幅のこと、マンションのこと、そして頼む先のこと。気になりやすい五つを順に取り上げます。
いまの幅が分からないときは
測らなくて差し支えありません。下見のときに確かめてもらえますので、問い合わせの時点では分からないままで結構です。幅は60センチ・75センチ・90センチのいずれかですので、合う商品はたいてい見つかります。
違うメーカーに替えられますか
替えられます。いまのキッチンと同じメーカーにそろえなければならない、という決まりはありません。幅と排気の向きが合えば、選べる幅はぐっと広がります。ただし連動を使いたい場合は、通信の方式が合うかどうかを調べてもらってください。
マンションでもできますか
できます。ただし管理組合への届け出が要ることがありますので、先に確かめておくと安心です。排気の経路が決まっていることもあり、そこも下見で見てもらえます。工事中の決まりごとはリフォーム工事中の騒音はどれくらい?にも書いています。
契約書は交わしますか
商品を入れ替えるだけの工事では、契約書がなく見積書と請求書で終わることが多いものです。くわしくはリフォームの契約書はどこを見る?をご覧ください。
どこに頼めばよいですか
リフォーム会社でも、キッチンを扱っているお店でも頼めます。機器だけの入れ替えなので、どちらでも受けてもらえます。頼み先による違いはリフォームはどこに頼む?にまとめました。
見上げるのが楽になる

レンジフードの入れ替えは、思っていたより小さな話でした。フードだけを替えればよく、キッチンごとやり直す必要はありません。そろえるのは幅と排気の向きの二つだけで、工事は半日から1日です。
羽根が回る昔の形からでも、穴を塞ぐ部材がありますので替えられます。連動を使いたいなら、品番を伝えて調べてもらう。そして替えるなら、お手入れの簡単なものを並べて見てみてください。毎日見上げる場所が、ずいぶん楽になります。
- フードだけ入れ替えられる
- キッチン本体はそのままでよい
- そろえるのは幅と排気の向き
- 幅は60と75と90センチ
- 工事は半日から1日
- 来るのは2名
- 昔の羽根の形からでも替えられる
- 30センチほどの穴は部材で塞ぐ
- 連動は通信の方式が合えば使える
- 品番が分かれば調べてもらえる
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、何社かのお見積もりを並べるところからになります。費用がかかるのかどうかはリフォームの見積もりは無料?に書いています。
キッチンそのものを替えるか迷っている方はキッチンリフォームの選び方を、機器の替え時については築20年の水回りリフォーム時期をご覧ください。見積書に出てくる行の意味はリフォーム見積書の数量と単位の見方にまとめてあります。

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