冬の朝、カーテンを開けるとガラスが曇って水が垂れている。暖房をつけているのに、窓ぎわだけがひやりとする。築18年ほどの家にお住まいで、そんなふうに感じている方は多いのではないでしょうか。壁や床をどうにかする前に、見ておきたいところがあります。窓です。
先にお伝えします。内窓をひとつ足すと、寒さ・結露・音の三つが変わります。工事そのものも軽く、数か所まとめても1日で終わることがほとんどです。大がかりな断熱工事を思い浮かべていた方には、拍子抜けするくらいの手軽さだと思います。
この記事では、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から、内窓で何がどう変わるのかをお伝えします。あわせて、付けられる窓と付けにくい窓の見分け方もまとめました。
直美さん 窓の内側にもう一枚足すだけで、本当に暖かくなるんでしょうか。
ナビ 変わりますよ。部屋の熱は窓からの出入りがとても大きいので、そこに手を打つのがいちばん効きます。
- 窓ぎわが冷えて暖房が効かない
- 朝のガラスの結露がひどい
- 外を走る車の音が気になる
- 内窓が本当に効くのか不安
- 自分の家の窓に付くか分からない
内窓で変わる三つのこと

内窓とは、いま付いている窓はそのままにして、部屋の内側にもう一枚の窓を足す工事のことです。いまの窓を壊さないので、工事がとても軽く済みます。最近とくに増えている方法です。
では、足すと何が変わるのでしょうか。変わるのは寒さ・結露・音の三つです。どれか一つだけが良くなるのではなく、三つとも同時に変わります。ご自分がいちばん気にしているところから読んでみてください。
冬の寒さと夏の暑さ
まず知っていただきたいのが、部屋の熱は窓からの伝わりがとても大きいということです。夏は窓から暑さが入り、冬は窓から暖かさが逃げていきます。壁や天井より先に窓を見るのは、そのためです。
内窓を足すと、いまの窓とのあいだに空気の層が生まれます。さらに内窓のガラスにも断熱効果の高いものがあります。この二つが重なるので、部屋の温度が変わったことがはっきり体感できるのです。
暖房の効きが悪いと感じているなら、設備を強いものに替える前に窓を疑ってみてください。お風呂が寒いのも同じ理屈です。浴室についてはお風呂リフォームの選び方にも書いています。
窓まわりの結露
二つ目は結露です。寒い地域にお住まいの方ほど、窓ガラスの結露に悩んでいらっしゃいます。毎朝タオルで拭くのが日課になっている、というお話もよく耳にします。
内窓を付けると、部屋の中の結露はかなり軽減します。拭く回数が減った、カーテンの裾が濡れなくなった。そういう目に見える変化として表れてきます。
ただ、ゼロになるとは言い切れません。結露の出方は部屋の使い方と外の気温によって一軒ずつ違うからです。それでも、効果ははっきり感じていただけます。
外からの音
三つ目は音です。交通量の多い道路に面したお宅では、内窓を付けると驚くほど静かになります。寒さ対策のつもりで入れた方が、音の変化にいちばん驚かれることもあります。
音は慣れてしまうもので、我慢していることに自分では気づきにくいものです。静かになってはじめて、ずっと気になっていたのだと分かります。幹線道路のそばにお住まいなら、ここは大きな変化になるはずです。
寝室や勉強部屋など、静けさが欲しい部屋から考えるのも良い進め方だと思います。三つの効果のうち、ご自分がいちばん困っているところを先に伝えてみてください。

内窓を付けられる窓と付けにくい窓

ここまで読んで、うちにも付けたいと思われたかもしれません。ただ、すべての窓に付けられるわけではありません。ここから先は、現場を見てはじめて決まる話になります。
決め手になるのは、窓の大きさ、窓の開け方、そして窓枠の奥行きの三つです。どれも図面と現場を見ないと分かりません。先に知っておくと、下見のときのやりとりがぐっと短く済みます。
大きすぎる窓は付かないことがある
内窓は、いま付いている窓のサイズに合わせて作ります。出来合いのものを当てはめるのではなく、その窓のための寸法で用意するということです。だからぴたりと納まります。
ただし、作れる大きさには上限があります。あまりにも大きな窓になると、サイズの設定そのものがなく、取り付けができない場合があるのです。
大きな窓ほど、寒さも音も気になるところだと思います。だからこそ、いちばん付けたい窓が付くのかどうかを最初に確かめておいてください。
窓の開け方で決まること
二つ目は窓の開け方です。窓の開閉のしかたによっては、内窓が取り付けできない場合があります。窓は左右に引くものばかりではありませんので、ここが分かれ目になります。
付けられないと分かっても、そこで行き止まりになるわけではありません。窓ごと取り替えるという方法に切り替わるケースもあります。やり方が変わるだけだとお考えください。
ただ、工事の大きさは変わってきます。内窓のつもりで組んでいた段取りとは別の話になりますので、早い段階で窓を見てもらうほど安心です。
奥行きが足りないときのふかし枠
三つ目は窓枠の奥行きです。内窓はいまの窓枠の内側に収める形になるので、枠にある程度の奥行きが要ります。ここが足りない窓は、そのままでは納まりません。
その場合は、ふかし枠を足して奥行きをつくります。現場の状況に応じて使う方法で、珍しいことではありません。奥行きが足りないから諦める、という話にはならないのです。
見積書に、この枠の費用が入ってくることもあります。何のための行なのか分からないときは、遠慮なく聞いてください。見積書の読み方はリフォーム見積書の見方にまとめています。

内窓を決める前に知ること

付けられると分かったら、次は中身の話です。内窓は、ただもう一枚足すだけのものではありません。選べるところと、割り切るところがそれぞれあります。
ここでお伝えするのは、ガラスの選び方、暮らしのうえでのデメリット、そしてほかのやり方との違いの三つです。決める前に知っておけば、あとから思っていたのと違ったとはなりません。
内窓のガラスも選べる
内窓に入れるガラスは、一種類ではありません。断熱効果の高いガラスを選ぶことができます。寒さをどうにかしたいのであれば、ここは必ず見せてもらってください。
それだけではありません。防犯性を高められるガラスや、すりガラスも選べます。道路に面した部屋で視線が気になるなら、すりガラスという手があります。
つまり内窓は、断熱だけの道具ではないということです。その部屋で何を解決したいのかを先に決めておくと、ガラスの選び方も自然に決まります。伝え方はリフォーム要望の伝え方をご覧ください。
開け閉めが2回になる
正直にお伝えしておきたいことがあります。窓が二枚になるので、開け閉めが2回になります。これは内窓を選ぶ以上、避けられないところです。
毎日何度も開け閉めする窓だと、わずらわしく感じる方もいらっしゃいます。逆に、ふだんほとんど開けない窓なら気になりません。その窓を一日に何回開けるかで考えてみてください。
家じゅうの窓を一度にやらなければいけない、というものでもありません。困っている部屋の窓から始めて、様子を見てから増やしていく進め方もできます。
ほかの二つの方法との違い
窓の断熱を変えるやり方は、内窓のほかにも二つあります。ガラスだけを替える方法と、窓ごと取り替える方法です。どれを選ぶかで、工事の大きさがまるで違ってきます。
内窓は1か所あたり1時間ほどで付きます。数か所まとめても1日で終わるのが普通です。それに対して、窓ごと取り替える工事は半日から1日ほどかかり、ぐっと大がかりになります。
ガラスだけを替えるやり方は、いまの窓の状態によってできるかどうかが変わります。どれが向いているかは現場を見ないと決まりませんので、三つとも候補に入れたうえで相談してみてください。
内窓リフォームによくある質問

ここまででお伝えしきれなかった点を、ご相談の多い順に並べました。気になるところだけ拾い読みしていただいて構いません。
浴室やトイレにも付けられるか
付けられます。浴室やトイレのような小さな窓にも内窓は入ります。お風呂の空間も窓から熱が逃げていくので、内窓を付けると寒さがやわらぎます。冬のお風呂が寒くてつらいという方は、検討してみる値打ちがあります。窓そのものが小さいぶん、取り付けも短い時間で終わります。トイレの窓も同じで、入った瞬間のひやりとする感じがやわらぎます。
いまの窓と違うメーカーでもよいか
問題ありません。内窓はあとから足すものなので、いまの窓のメーカーとそろえる必要はありません。頼んだ会社がふだん扱っているもので構いません。いまの窓に手を加えるわけではないので、相性を心配しなくて大丈夫です。頼み先によって選べる商品の幅はリフォームはどこに頼む?にまとめました。
結露は完全になくなるか
そこまでは言い切れません。結露の出方は部屋の環境と外の気温によって変わるので、どのお宅でもゼロになるとは申し上げられないのです。ただ、かなり軽減されることは間違いありません。拭く手間が減ったと実感される方がほとんどです。ゼロを期待するのではなく、はっきり楽になると思っていただくのが、ちょうどよい受け取り方だと思います。
工事は何日かかるか
とても短いです。内窓は1か所1時間ほど、数か所まとめても1日で終わります。窓ごと取り替える場合でも半日から1日ほどです。ただし、商品が届くまでの日数は別にかかります。寸法を測ってから作るものなので、頼んだ翌日に付くわけではないとお考えください。工事中の暮らしが心配な方はリフォームは住みながらできる?もご覧ください。
補助金の対象になるか
対象になる制度が用意される年もあります。ただし内容も条件も年ごとに変わるため、ここでは断定しません。選ぼうとしている仕様が対象になるかどうかは、工事を頼む会社に必ず確かめてください。制度を当てにして仕様を決めると、対象から外れたときに困ります。使えたら使う、くらいの心持ちでいるほうが安心です。
まとめ

窓は、家の中でいちばん熱が出入りするところです。内窓を足すだけで、寒さ・結露・音の三つが同時に変わります。しかも数か所まとめて1日で終わる、とても軽い工事です。
- 熱の出入りは窓がいちばん大きい
- 内窓で寒さ・結露・音が変わる
- 内窓のガラスも断熱を選べる
- 防犯のガラスやすりガラスも選べる
- 結露はかなり軽減する
- ゼロになるとは言い切れない
- 幹線道路沿いは音の効果が大きい
- 大きすぎる窓は付かないことがある
- 窓の開け方で付かないこともある
- 奥行きが足りなければふかし枠
- 開け閉めは2回になる
- 内窓は1か所1時間ほどで付く
付くか付かないかは、窓を見てもらえばその場で分かります。まずは、いちばん寒いと感じている部屋の窓から見てもらってください。そろそろ具体的に、と思い始めた方は、何社かの話を聞いてみるところからで十分です。
会社の選び方はリフォーム会社の選び方、何社かに頼むときの進め方はリフォーム相見積もりの取り方にまとめました。水回りと一緒に考えたい方は築20年の水回りリフォーム時期もどうぞ。


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