気になるリフォーム会社が見つかって、問い合わせの画面まで開いた。けれど、お問い合わせ内容という大きな空欄を前にして手が止まってしまう。何をどこまで書けばいいのか。短すぎて失礼ではないか。予算を書いたら足元を見られないか。そもそも、まだやるかどうかも決めきれていないのに送ってよいものか。そんなふうに、最後の一歩で閉じてしまう方がいらっしゃいます。
先にお伝えします。最初の一通に書くのはリフォームしたい場所と、リフォームしたい時期の二つだけです。一行で送ってくる方もいらっしゃいますし、それで困ることはありません。くわしい話は、会ったときにこちらから順にうかがっていきます。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。受け取る側に何が届いているとありがたいのかを、そのままお伝えします。
直美さん 問い合わせの欄に、何を書けばよいのか分かりません。
ナビ 場所と時期の二つで足ります。一行の方もいらっしゃいますよ。
- 何を書けばよいか分からない
- 短い文だと雑に扱われそう
- 予算を書くのがこわい
- まだ決まっていないのに申し訳ない
- 寸法を調べてからにしたい
最初の一通に書くのは二つ

まず、書くことを決めてしまいましょう。空欄が大きいと、たくさん埋めなければいけない気がしてきます。きちんと書かないと相手にされないのではないか、という気持ちも働きます。けれど受け取る側が最初に知りたいのは、ほんの二つだけです。そこさえ書いてあれば、話は動き出します。順にお伝えします。
リフォームしたい場所
ひとつめはどこを直したいかです。お風呂、キッチン、トイレ、洗面所。どこが気になっているのか、その場所の名前を書いていただくだけです。場所の名前だけで足ります。どんな工事になるかは、こちらで見当がつきます。お風呂と書いてあれば、ユニットバスの入れ替えだろうかと考えながら読み始められるわけです。
二か所以上あるなら、並べて書いていただければそれで結構です。お風呂と洗面所、というように。どちらを先にするかで迷っているなら、迷っていると書いてあっても差し支えありません。順番の話は会ったときに整理できます。どちらを先にするかで悩む方は多く、それ自体がよくあるご相談だからです。工事の替え時については築20年の水回りリフォーム時期にまとめました。
リフォームしたい時期
ふたつめがいつごろ考えているかです。これもおおよそで差し支えありません。来年のうちに、子どもが卒業したら、そのくらいの書き方で伝わります。日付まで決まっている必要はまったくありません。
時期が入っていると、こちらは段取りを思い描けます。工事の枠は先まで埋まっていることがあるからです。混み合う月の話はリフォームを頼む時期はいつがいい?に書きました。急いでいるのか、まだ先なのか。その一言があるだけで、返事のしかたが変わります。お急ぎなら早く動ける会社を当たりますし、先の話なら落ち着いて進められます。
一行でも差し支えない
そして、ここがいちばんお伝えしたいところです。問い合わせの欄に、くわしく書かれる方のほうが少ないのです。一行だけ、という方もふつうにいらっしゃいます。お風呂を直したい、それだけで届いてくることも珍しくないのです。
理由はかんたんで、くわしいお話は、お会いしたときにこちらからうかがうからです。問い合わせは、話を始めるための合図だとお考えください。立派な文章を用意する場面ではありません。書くことが少ないほど送りやすくなりますし、送ってしまえば、そこから先はこちらが順にお聞きしていきます。

書かなくてよいもの

二つだけでよいと言われても、まだ手が止まるかもしれません。寸法は測っておくべきではないか。予算は書いたほうがよいのではないか。ここからは、書かなくて差し支えないものをはっきりさせておきます。安心して空けておける欄が分かると、ぐっと書きやすくなります。むしろ、調べてから書こうとするほど送るのが遅くなってしまいます。
寸法と予算は会ってから
まずくわしい寸法を調べる必要はありません。問い合わせの段階でそこまで書かれる方は、ほとんどいらっしゃらないのです。寸法は下見のときに会社が測りますので、巻尺を探すところから始めなくて大丈夫です。測り方を調べているうちに手が止まってしまうほうが、もったいないところです。
そしてご予算も、会ってからで差し支えありません。先に書くと足元を見られるのではと心配される方が多いのですが、そもそも書かれていないのがふつうなのです。ざっくりの幅を伝えるのは初回の面談のときでよく、そのときの伝え方はリフォーム要望の伝え方にまとめてあります。
整った文章にしなくてよい
文章の書き方を気にされる方もいらっしゃいます。そっけない文になってしまう、まとまりのない文で失礼ではないか。けれど書き方で対応が変わることはありません。
受け取る側からすると、お問い合わせをいただけただけでありがたいというのが正直なところです。数ある会社の中から選んで連絡をくださったこと自体が、ありがたいことだからです。挨拶の言葉がなくても、箇条書きのようになっていても、何も気にされません。整えることに時間を使うより、送ってしまうほうがずっと先に進みます。
ただし機器の交換は品番が助かる
ひとつだけ、書いてあると早くなるものがあります。食洗機の交換のように、機器だけを入れ替える工事のときです。このときはいまお使いの機器の品番が書いてあると、非常に助かります。
品番が分かれば、入れ替えられる商品の見当がその場でつくからです。同じ幅のものに入れ替えられるのかどうかが、連絡をいただいた時点で分かります。話が一往復ぶん短くなるわけです。機器に貼ってあるシールを写真に撮って、その文字を書き写すだけでも足ります。入れ替えそのものの話は食洗機だけ交換できる?をご覧ください。

写真を一枚そえると提案が近づく

ここまでは、書かなくてよいものの話でした。最後にひとつだけ、そえると提案がぐっと近づくものをお伝えします。文字ではないので、身構えずに読んでください。これを知っているかどうかで、返ってくる提案がずいぶん変わります。手間はほとんどかからないのに、効き目はいちばん大きいところです。
言葉だけではすり合わない
リフォームには好みのテイストがいろいろあります。明るい木の色が好きな方、落ち着いた色でまとめたい方、すっきりした形が好きな方。ところが、ここが難しいところです。
お客様の思い描いているものと、提案する側の思い描くものを言葉だけですり合わせるのは、なかなか難しいのです。明るい感じ、という一言でも、受け取り方は人によって違います。白っぽい木を思い浮かべる方もいれば、照明の明るさを思い浮かべる方もいるからです。だからこそ、文字以外の手がかりが効いてきます。
施工例でもネットの写真でもよい
そこでおすすめしたいのが、希望に近い形のお写真を一枚そえることです。会社のホームページに載っている施工例でも、インターネットで見つけたイメージの写真でもかまいません。ご自分で撮ったものである必要はありませんし、何枚も集める必要もありません。
この一枚があるだけで、希望に近い形で提案してもらえます。言葉を尽くすより早いのです。気になる会社の施工例の見つけ方はリフォーム会社のホームページはどこを見る?に書きました。完成の写真でなくても、こういう雰囲気が好き、というだけで十分です。雑誌の切り抜きを写真に撮ったものでも、同じように役に立ちます。
送ったあとに来るのは電話
送ったあとのことも書いておきます。最初に来るのは電話が多いです。簡単なお話をうかがったうえで、初回の面談の日程を相談する、という流れになります。このときのお話も、込み入ったものではありません。
電話が苦手な方もいらっしゃるでしょう。そのときは連絡はメールでお願いします、と一行書き添えてください。そう書いてあれば、そのとおりに進みます。理由を添える必要もありませんし、申し訳なさを並べなくても差し支えありません。くわしくはリフォームの連絡はメールだけで済む?にまとめました。
問い合わせの前のよくある質問

ここからは、問い合わせを送る前によくいただくご質問にお答えします。まだ決まっていないこと、文章の長さのこと、そして何社に送ればよいか。気になりやすい五つを順に取り上げます。
まだやるか決めていなくてもよいですか
差し支えありません。数年後のリフォームを考えている、という段階でのお問い合わせもあります。迷っているうちに聞いておく、という使い方で結構です。やめることになっても差し支えありませんので、気負わずにどうぞ。
短い文だと雑に扱われませんか
そういう心配は要りません。長さで対応が変わることはないのです。お問い合わせをいただけたこと自体がありがたいので、安心して送ってください。文面を何度も書き直すより、送ってしまうほうがずっと早く進みます。
予算はいつ伝えればよいですか
会ってからで差し支えありません。初回の面談のときに、ざっくりの幅で伝えていただければ十分です。伝え方はリフォーム要望の伝え方をご覧ください。
何社に送ればよいですか
絞り込みは何社見ていただいてもかまいませんが、お見積もりをお願いするのは3社程度までが目安です。理由はリフォームの見積もりは無料?に書いています。
送ったあとは何が起きますか
電話で簡単なお話をしたあと、下見の日を決めます。当日どこを見るのかはリフォームの現地調査は何を見る?に、そのあとの打ち合わせの回数はリフォームの打ち合わせは何回?にまとめました。
送ってみれば話が始まる

問い合わせの欄を前にして固まっていたのは、たくさん書かなければいけないと思っていたからでした。書くのは、どこを直したいかと、いつごろ考えているかの二つだけ。一行でも差し支えありません。
寸法も予算も、整った文章も要りません。調べものをしてから、と考えているうちに時間だけが過ぎてしまいます。そのかわり希望に近いお写真を一枚そえると、返ってくる提案がぐっと近づきます。あとは会ったときに、こちらから順にうかがっていきます。
- 書くのは場所と時期の二つ
- 場所は名前だけで足りる
- 時期はおおよそでよい
- 一行でも差し支えない
- 寸法は調べなくてよい
- 予算は会ってからでよい
- 整った文章にしなくてよい
- 機器の交換なら品番が助かる
- 希望に近い写真を一枚そえる
- 最初に来るのは電話が多い
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、何社かのお見積もりを並べるところからになります。頼み方はリフォーム相見積もりの取り方にまとめました。
どこに頼むか迷っている方はリフォームはどこに頼む?を、会社の見分け方はリフォーム会社の選び方をご覧ください。届いた提案書の読み方はリフォームの提案書はどこを見る?に書いています。


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