見積もりをお願いすると、まず現地調査にうかがいます、と言われます。知らない方が家に上がって、あちこちを見て回る。どの部屋まで入るのでしょうか。何時間かかるのでしょうか。散らかっているところを見られるのも、気が重いものです。来てもらう前に、何が起きるのかだけでも分かっていれば、ずいぶん楽になります。ここへたどり着くまでの一通はリフォームの問い合わせは何を書く?にまとめました。
先に結論をお伝えします。現地調査にかかるのは1時間から2時間ほど。来るのは2名で、見ているのは寸法と壁の仕上げ、給排水の状態、それに柱と梁です。そして事前の片づけは要りません。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。当日どこまで部屋に入るのか、写真はどう扱われるのか、そして軽微な工事ならその場で金額が出ることもあるという話まで、順にお伝えします。
直美さん 現地調査では、家のどこまで見られてしまうのでしょうか。
ナビ 工事をする場所と分電盤が中心です。必要な機器がある部屋だけ、入らせていただくことがあります。
- 何を見られるのか分からない
- どの部屋まで入るのか不安
- 片づけが間に合わない
- 写真を撮られるのが気になる
- かかる時間が読めない
現地調査でまず分かる三つ

現地調査と聞くと、何をされるのか分からないぶんだけ身構えてしまいます。けれど中身はいたって事務的で、ご提案のプランをつくる前に現地の情報をそろえるための時間です。だいたいの所要時間、来る人の数、そして見ていく場所。この三つが分かるだけで、構えは半分ほどとけるはずです。まずはそこからお伝えします。
時間は1時間から2時間
はじめに時間です。現地調査にかかるのは1時間から2時間ほど。半日つきっきりになるような作業ではありません。
水回りを一か所入れ替えるだけのご相談なら、短めに終わることもあります。見るところが多いお宅や、何か所もまとめてご検討のときは2時間寄りになっていきます。
この日は打ち合わせの1回目と重なることが多く、ご要望をお聞きする場も兼ねます。打ち合わせが全体で何回あるのかはリフォームの打ち合わせは何回?にまとめました。
来るのは営業と工事の2名
次に人数です。営業の担当と工事の担当、合わせて2名でうかがうことが多いです。工事の担当のかわりに、職人さんがご一緒することもあります。
なぜ2名なのか。営業の担当はご要望と段取りの話を受け持ち、工事の担当は寸法と現場の状況を見ます。見ているところが違うので、ひとりでは両方を拾いきれないのです。
大勢で押しかけるわけではありませんから、お通しする場所に困ることもないはずです。伝える側の用意についてはリフォーム要望の伝え方をご覧ください。
見るのは寸法と配管と柱梁
では何を見ているのか。キッチンでしたら間口、天井の高さ、奥行き、壁の仕上げ、給排水の状態、それに柱と梁です。どれも、プランをつくる前にそろえておかないと決められない情報です。
壁の仕上げがタイルなのかどうかまで確かめます。いまのキッチンを外したあとに、どんな下地が出てくるのか。そこでやることが変わってくるからです。給排水の状態も同じで、配管がどこから立ち上がっているのかを見ておかないと、新しい機器の置き場所を決められません。
柱と梁は、新しい機器が納まるかどうかに直に響きます。梁があるとレンジフードの排気が抜けないことがあり、その話はリフォームの追加費用にくわしく書きました。

家のどこまで入るのか

見るところが分かっても、まだ気になるのは部屋のことでしょう。寝室や子ども部屋まで開けられるのか。片づいていない場所に立たれるのは、やはりつらいものです。ここは実際のところをお伝えします。入るのは必要なところだけで、家じゅうを見て回るわけではありません。写真の扱いもあわせて書いておきます。
分電盤は必ず確認する
工事をする場所のほかに、必ず見せていただく場所がひとつあります。分電盤です。玄関や洗面所、廊下の上のほうに付いている、ブレーカーが並んだ箱のことです。ここを見てもらう代表がIHへの入れ替えで、ガスコンロからIHに替えられる?に書いています。
食洗機や加熱機器、暖房換気乾燥機のように電気を使う機器を入れるときは、いまの配線で足りるかどうかを確かめないと決められません。ですから扉を開けて、中まで見させていただきます。
置かれている場所によっては、脚立を使うこともあります。前に物が積んであるときだけ、少しどかしていただくお願いが出るかもしれません。材料が通る道をどこまで空けるかも、この日に伝えられます。くわしくはリフォーム工事中の荷物はどこに置く?に書きました。ここを見ずに進めてしまうと、工事の日になって電気が足りないと分かる、ということが起こりえます。工事の日に電気や水道がどれくらい止まるのかはリフォーム中に水道は止まる?にまとめました。
機器のある部屋には入ることも
そのうえで、必要な機器がある部屋には、入らせていただくことがあります。給湯器の操作のリモコンや、配管や配線の通り道がその部屋にある場合です。
逆に申し上げると、関係のない部屋には入りません。工事に関わらない寝室や子ども部屋を順に開けていくようなことはしませんので、そこは心配なさらなくて平気です。
入ってほしくない部屋があるなら、玄関で先に言っていただければ足ります。見られる場所だけで何が分かるかを考え直すのも、現場を見る側の仕事のうちです。
写真は記録のために撮る
写真についても先にお伝えしておきます。記録のために撮らせていただくことが多いです。その場で測った数字だけでは、あとから現場の形を思い出せないからです。
撮るのは工事をする場所とそのまわりです。会社に戻って提案書や図面をつくるときに、この写真を見ながら納まりを考えます。見積書の数量を拾うときの根拠にもなっています。
黙って撮られるのが気になるときは、撮る前に教えてくださいとお願いして構いません。写したくないものが近くにあるなら、そのときに伝えておくと確かです。

当日までに用意するもの

最後は、来てもらう日までにご自分でやることです。ここがいちばん気が重いところかもしれません。掃除をして、物をしまって、お茶を用意して。そう考えると腰が引けてしまいます。けれど、うかがう側が望んでいるのはそういうことではないのです。当日の過ごし方まで含めてお伝えします。
事前の片づけは要らない
はっきり申し上げます。事前の片づけは要りません。暮らしている形のまま見せていただくのが、いちばん正しい情報になります。
きれいに片づけてしまうと、かえって分からなくなることがあります。どこに何をしまっていらっしゃるのか、手の届きにくい棚はどこなのか。そういう普段の様子を見ながら、収納の形を考えているのです。
お茶や差し入れのご用意も要りません。工事が始まってからも同じで、理由は工事中のお茶出しは必要?に書いたとおりです。
頼まれるのは物の移動だけ
当日にお願いが出るとすれば、ひとつだけです。測る場所にある物を、少し動かしていただくこと。これも前の晩にやっておく話ではありません。
シンクの下の扉を開けたい、洗濯機の裏の配管を見たい、分電盤の前に手を入れたい。そういう場面で、置いてある物をどかす必要が出てきます。その場で一緒に動かせば済むことばかりです。
鍵をお預けするような話も、この日には出てきません。工事が始まってからの鍵の扱いは工事中の鍵はどうする?をご覧ください。
その場で金額が出ることも
最後に、ひとつ耳の早い話をしておきます。軽微な工事なら、その場で金額をお伝えできることがあります。機器の入れ替えのように、やることがはっきりしている工事です。この日に、音の大きい日がいつごろになるかをたずねておくこともできます。工程ごとの音の出かたはリフォーム工事中の騒音はどれくらい?をご覧ください。
見るところが少なく、拾う数量もかぎられるので、持ち帰って計算し直す必要がないわけです。トイレだけ、食洗機だけといったご相談がこれにあたります。その場でおおよその金額が分かれば、進めるかどうかをご家族と話す材料がその日に手に入ります。下見の前におおよその金額を知る方法はリフォームの概算見積もりは出せる?にまとめました。
大きな工事はそうはいきません。書類が届くまでの日数や、調査そのものに費用がかかるのかどうかはリフォームの見積もりは無料?にまとめてあります。
現地調査によくある質問

ここからは、来てもらう前によく出てくるご質問にお答えします。どれも、電話で日取りを決めるときにたずねて構わない内容です。この日取りの相談も、お願いすればメールで進められます。くわしくはリフォームの連絡はメールだけで済む?をご覧ください。
現地調査に費用はかかるか
小規模な戸建てやマンションのリフォームであれば、現地調査を含めて基本的に無料です。見たうえでお断りになっても、費用はかかりません。大きな新築や大規模な改修になると、見積もりや設計の費用がかかる場合もあります。
どのくらい時間がかかるか
1時間から2時間ほどが目安です。水回りを一か所入れ替えるだけなら短めに終わり、何か所もまとめてご検討のときは2時間寄りになります。半日ふさがるような作業ではありませんので、その前後にご予定を入れても差し支えありません。
何人で来るのか
営業の担当と工事の担当の2名でうかがうことが多いです。工事の担当のかわりに、職人さんがご一緒する場合もあります。ご要望を聞く役と、寸法や現場の状況を見る役で分かれているため、この組み合わせになっています。
家じゅうを見られるのか
そうではありません。見るのは工事をする場所と分電盤が中心です。配管や機器の関係で必要になる部屋には入らせていただくことがありますが、工事に関わらない部屋を順に開けていくことはありません。
その日に決めなければならないか
決める必要はありません。この日は、プランをつくるための情報をそろえる時間です。お見積書や図面はあとから届きますので、それを見比べたうえでゆっくりお決めいただけます。
見られるのではなく見てもらう

現地調査は1時間から2時間ほどで終わります。来るのは営業と工事の担当の2名。見ているのは寸法と壁の仕上げ、給排水の状態、それに柱と梁です。事前の片づけも、お茶のご用意も要りません。
入るのは工事に関わる場所と分電盤が中心で、関係のない部屋を開けていくことはありません。写真は提案書と見積書をつくるための記録です。軽微な工事なら、その場で金額をお伝えできることもあります。
つまりこの日は、見られる時間ではなく見てもらう時間だったわけです。家にある手がかりを渡せば渡すだけ、返ってくる提案の中身は確かになっていきます。
- 時間は1時間から2時間
- 来るのは2名のことが多い
- 見るのは寸法と配管と柱梁
- 分電盤は必ず確認する
- 事前の片づけは要らない
- 軽微な工事は金額が出ることも
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、現地を見てもらったうえで複数の会社の提案を並べてみてください。相見積もりの取り方もあわせてご覧ください。
工事が始まってからの暮らしはリフォームは住みながらできる?、ご近所へのあいさつは近所へのあいさつは誰が回る?にまとめました。届いた紙の束の読み方はリフォームの提案書はどこを見る?、見積書の読み方はリフォーム見積書の見方、期限の見方は見積書の有効期限は?をご覧ください。会社の見分け方はリフォーム会社の選び方、頼み先の違いはリフォームはどこに頼む?、契約のあとの変更は契約後に変更できる?、代金の時期はリフォームの支払いはいつ?が参考になります。


コメント