お風呂やキッチンを入れ替えると、古い本体や壁の材料がそのまま残ります。あれをご自分で少しずつゴミに出せば、そのぶん安くなるのではないか。見積書に処分の費用らしい行を見つけて、そんなふうにお考えになった方もいらっしゃると思います。片づけくらいなら手伝えそうな気もしてきます。
先にお伝えします。工事で出た廃材を、ご自分で一般のゴミとして出すことはできません。登録のある業者が持ち帰って処分することが、法律で決まっています。ですからこの費用は値切るための行ではなく、中身を確かめるための行になります。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。見積書のどこを見るのか、ご自分でしておくことは何なのかまで、順にお伝えしていきます。
直美さん 古いお風呂の壁材、少しずつ家のゴミに出してもよいのでしょうか。
ナビ それはできないのです。工事で出たものは業者が持ち帰る決まりになっています。
- 処分の費用を下げられないか
- 見積書のどの行か分からない
- 自分で片づければ安くなるのか
- 収納の中の物をどうするか
- 古い家電の扱いが分からない
廃材はご自分では捨てられない

まず、いちばん大事なところからお伝えします。工事で出たものは、家庭のゴミとは別の扱いになります。ご自分で収集に出すことはできず、登録のある業者が持ち帰って処分する決まりです。ここが分かると、見積書の処分の行の意味も変わって見えてきます。値切る相手ではなく、中身を確かめる相手になるからです。
一般のゴミとして出せない
工事で出た廃材は、一般のゴミとして出すことができません。はがした壁の材料、古い浴槽や便器、取り外した扉、切った配管の端。どれも同じ扱いになります。
ご自宅から出たものなのに、と思われるかもしれません。けれども工事にともなって出たものは、暮らしの中で出るゴミとは別に数えられる決まりになっています。ですからお住まいの地域の収集日に出すことはできません。少しずつ混ぜて出す、という抜け道もありません。
住みながらの工事でも同じです。工事の日数と暮らしの進み方はリフォームは住みながらできる?にまとめました。
持ち帰るのは登録のある業者
では誰が運ぶのか。登録のある業者が持ち帰って処分することが義務づけられています。工事をした会社が段取りをして、専用の車で引き取っていきます。
解体した材料は、いったん家の外にまとめて置かれます。そのあと積み込んで運び出すところまでが、工事の工程に入っています。お住まいの方が運ぶ場面はありません。片づけを手伝う必要もないので、そこは任せてしまってください。
当日の出入りや戸締まりのことは工事中の鍵はどうする?に、下見で見られるところはリフォームの現地調査は何を見る?に書いています。
新しい商品の梱包材も同じ
見落とされがちなのが、新しく届いた商品の包みです。段ボールや発泡の緩衝材も、同じように業者が引き取ります。こちらも一般のゴミには出せません。
浴室やキッチンが入る日は、思っているよりずっと多くの包みが出ます。ご家庭のゴミ袋に収まる量ではありません。免許のある業者が引き取って処分するものなので、こちらも手を出さずに置いておくのがいちばんです。

解体で出たものも、新しい商品の包みも、行き先は同じです
搬入の日に職人さんへ気をつかわなくてよい理由は工事中のお茶出しは必要?にまとめてあります。
見積書は解体処分費の行で見る

ご自分で捨てられないのなら、読者にできることは何か。見積書のどこに書かれているかを知って、そこに目を通すことです。処分は必ず起きる作業なので、きちんとした見積書には必ず出てきます。名前と場所が分かっていれば、受け取った紙の中からすぐ見つけられます。
行の名前は解体処分費
探す言葉は決まっています。見積書では解体処分費という名前で載ります。会社によって書き方の細かい違いはありますが、解体と処分という言葉が入っていれば、それがこの行です。
古いものを壊して外す作業と、それを運んで処分する作業。この二つをまとめて置いている行だと考えてください。どちらも、新しい商品を入れる前にどうしても通る道です。
見積書ぜんたいをどの順番で読むかはリフォーム見積書の見方に、提案の紙の束の見るところはリフォームの提案書はどこを見る?にまとめました。
別の行で出てくることが多い
置かれる場所にも特徴があります。商品の代金とは別の行で算出されることが多いです。お風呂やキッチンの本体とは分けて、独立した行として並びます。
これは読む側にとってありがたい形です。分かれているぶん、どれだけの作業が見込まれているのかが数字で見えます。もし商品代の中に溶け込んでいたら、そこを確かめようがありません。一式とだけ書かれた行があったときは、中身を聞いてみてください。
一式の行の読み方はリフォームの追加費用に、数社の紙を並べて見比べる手順は相見積もりの取り方に書いています。
基本は有料で見積もりに入る
金額のことにも触れておきます。処分の費用は基本的に有料で、お見積もりに含まれます。無料になるものではありません。
だからといって、処分費を取る会社が不親切というわけではありません。決まりに沿って運び、決まりに沿って処分する。そのための実費がかかっているだけです。むしろ書かれていないほうが、あとで話が変わるもとになります。
紙が届くまでの日数はリフォームの見積もりは無料?に、下見の前に出る幅のある金額はリフォームの概算見積もりは出せる?にあります。
ご自分でしておくこと

廃材そのものは任せられますが、お住まいの方にお願いする片づけもあります。収納の中の物と、古い家電の二つです。ここを当日まで残しておくと、工事が止まってしまいます。マンションでは運び入れる道筋の確認も加わるので、あわせて見ていきましょう。
収納の中の物はご自分で移す
まずここです。収納の中に入っているものは、ご自分での処分と移動になります。キッチンの引き出しの食器や調味料、洗面台の下の洗剤やタオルが対象です。
入れ替えるのは箱そのものなので、中身が残っていると外せません。要るものは別の部屋へ、要らないものはふだんのゴミへ。暮らしながらの工事だと置き場所に困りますから、数日前から少しずつ進めておくと楽になります。
食洗機や洗面台の入れ替えの進み方は食洗機だけ交換できる?と洗面台だけ交換できる?にまとめてあります。
古い家電は家電リサイクル
もうひとつが家電です。古い洗濯機や冷蔵庫は、家電リサイクルでの処分になります。工事の廃材とは別の決まりで動くものだと考えてください。
ご自分で手配する方法のほかに、リフォーム店でもリサイクルの費用で引き取ってもらえる場合があります。洗面所を広げるついでに洗濯機も替えたい、という流れならまとめて頼めるか聞いてみてください。すべての会社というわけではないので、下見のときに確かめておくと確実です。
洗面所の広さや高さの決め方は洗面台の高さは身長で決まる?に、水回りの替え時は築20年の水回りリフォーム時期に書いています。
マンションは経路と車両置き場
マンションにお住まいの方は、もう一段だけ確かめることがあります。階数、エレベーターの有無、搬入の経路、工事車両の置き場所です。戸建てよりも気をつけたいところが増えます。
エレベーターのないマンションだと、人の手で階段を上げることになったり、クレーンのついた車で吊り上げることになったりします。そのぶん搬入の費用が余分にかかる場合があります。隠しているわけではなく、建物の形で変わるところなので、下見のときに聞いておくと見積もりに入ってきます。

左が会社に任せるもの、右がご自分で手を動かすものです
ご近所へのあいさつも会社が回ってくれます。範囲と時期は近所へのあいさつは誰が回る?をご覧ください。
廃材のよくある質問

ここまででお伝えしきれなかった細かいところを、よくいただくご質問の形でまとめました。気になる項目だけ読んでいただいてかまいません。
自分で捨てれば安くなるか
なりません。工事で出たものはすべて決まりに沿って処分するので、金額が下がることはないのです。手伝えば安くなる、という形にはなっていません。
そのかわり、ご自分の手で先にできることがあります。収納の中を空けておくこと、古い家電の段取りをつけておくこと。この二つのほうが、当日の進み方にずっと効いてきます。
リサイクルに出したい物がある
まだ使える扉や棚をどこかへ譲りたい、という方もいらっしゃいます。その場合は撤去の工事が始まる前に、ご自分で外して運び出しておいてください。
解体が始まったあとに出たものは、まとめて決まりの枠に入ります。あとから取り分けることはできません。心づもりがあるなら、下見のうちに担当の方へお話ししておくのがよいでしょう。
梱包材をゴミに出してよいか
出せません。商品の包みも工事で出たものと同じ枠に入るので、免許のある業者が引き取って処分します。
目の前に積まれていると片づけたくなりますが、置いておいて差し支えありません。工事の終わりにまとめて運び出されます。
エレベーターがないとどうなるか
運び方が変わります。人の手で階段を上げるか、クレーンのついた車で吊り上げるかのどちらかになります。そのぶんの費用がかかる場合があります。
先に分かっていれば、見積もりに入った形で出てきます。階数と建物の入口の様子を、最初のお問い合わせの段階で伝えておくと話が早いです。
処分の行が見つからないとき
書かれていないのではなく、別の名前で入っていることがあります。どの行に入っているかを、そのまま聞いてしまってかまいません。隠すような費用ではないので、答えてもらえます。
契約の前に目を通す欄はリフォームの契約書はどこを見る?に、お支払いの時期はリフォームの支払いはいつ?にまとめました。
捨てられないから確かめる

工事で出た廃材を、ご自分で一般のゴミに出すことはできません。登録のある業者が持ち帰って処分する決まりになっているからです。新しい商品の包みも同じ枠に入ります。
だから見積書では、解体処分費の行を探して目を通すのが読者にできることです。商品代とは別の行で出てくることが多く、基本は有料でお見積もりに含まれます。手伝って安くなる費用ではありません。
ご自分の手で動かすのは、収納の中の物と古い家電。マンションなら階数と搬入の道筋も先にお伝えしておく。そこまで済めば、あとは任せてしまって大丈夫です。
- 廃材は一般のゴミに出せない
- 登録のある業者が持ち帰る
- 新しい商品の包みも同じ枠
- 見積書では解体処分費の行
- 商品代とは別の行になる
- 基本は有料で見積もりに入る
- 収納の中と家電はご自分で
- マンションは経路と車両置き場
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、まず何社かのお見積もりを並べるところからです。頼み先ごとの違いはリフォームはどこに頼む?に、会社を見分ける軸はリフォーム会社の選び方にまとめてあります。
要望の渡し方はリフォーム要望の伝え方が、お風呂とキッチンの見るところはお風呂リフォームの選び方とキッチンリフォームの選び方が参考になります。


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