毎日使っているのに、洗面台の高さは意外と気にせず選んでしまうところです。背の高いご主人には低すぎて、顔を洗うたびに腰をかがめる。お子さんには高すぎて、台を持ってこないと手が届かない。いまお使いの洗面台でそう感じているなら、入れ替えのときに直せます。
先に結論をお伝えします。洗面台の高さの目安は、身長を2で割った高さです。身長160センチの方なら80センチ。そして多くのメーカーで一般的なのが、ちょうどその80センチです。商品によっては、オプションで85センチを選べるものもあります。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。高さを変えても工事が増えるわけではありません。身長の違うご家族でどう決めるのか、手の届かない吊戸棚をどう扱うのかまで、順にお伝えします。
直美さん 家族の身長がばらばらなのです。洗面台の高さは、誰に合わせて決めればよいのでしょうか。
ナビ 毎日いちばん長く使う方に合わせます。背の低いお子さんは、台を使えば足りますよ。
- 洗面台が低くて腰がつらい
- 家族の身長がそろっていない
- 子どもが台を持ってきて使う
- 吊戸棚の上の段に手が届かない
- 高さを変えると工事が増えそう
洗面台の高さは身長の半分が目安

洗面台の高さは、好みで自由に決めるものではありません。使う方の体に合う高さがあって、そこから外れると毎日少しずつ無理がかかります。目安になる数字は一つだけです。いまの標準が何センチなのか、その数字はどこから出てくるのか、そして標準より高いものを選べるのかどうか。この三つからお伝えします。
いまの標準は80センチ
洗面台の高さは、多くのメーカーで80センチが一般的です。カタログを開いて何も指定しなければ、まずこの高さのものが並びます。
ところが昔は違いました。以前の標準は75センチで、いまより5センチ低かったのです。築18年ほどのお宅なら、低いほうの高さが入っていることもあります。
つまり入れ替えるだけで、天板が5センチ上がることになります。かがむ角度が浅くなるので、腰の負担はそれだけで変わります。同じことがキッチンでも起きていて、奥行きが60センチから65センチに変わりました。くわしくはキッチンの奥行き65センチは使いにくい?をご覧ください。
目安は身長を2で割った高さ
では自分に合う高さはどう出すのか。身長を2で割った数字が目安になります。身長160センチの方なら80センチ、170センチの方なら85センチという見方です。
キッチンをご存じの方は、少し違うことに気づかれるかもしれません。キッチンの天板は身長の半分に5センチを足して決めます。洗面台はその5センチを足しません。洗面は前にかがんで使う動作なので、まっすぐ立って手を動かすキッチンとは考え方が変わるのです。キッチンの決め方はキッチンリフォームの選び方にまとめました。
ご家族の身長がそろっていないお宅では、この計算がきれいに一つに決まりません。その場合の考え方は、三つめのH2でお伝えします。

昔は75センチ。いまは80センチが標準で、85センチを選べる商品もあります
85センチはオプションのある商品だけ
標準より高いものも選べます。商品によっては、オプションで85センチが用意されています。背の高い方には、こちらのほうが楽に使えます。
ただし、どの商品でも選べるわけではありません。オプションが用意されている商品のなかから選ぶ形になります。ここは浴室の床暖房と同じで、付けられる商品がかぎられています。浴室の床が冷たいのは直せる?にも同じことを書きました。
ですから高さを変えたいなら、商品を決める前に伝えてください。黙っていれば標準の80センチで提案が出てきます。言わなければ出てこないものがある、という点はリフォーム要望の伝え方と同じです。
高さを選んでも工事は増えない

高さを変えると工事が大がかりになるのではないか。そう思って言い出せない方がいらっしゃいます。高さを選んでも、工事が増えることはありません。鏡も収納も配管も、新しい洗面台に合わせて取り付けるからです。ここを知っておくと、遠慮なく希望が言えるようになります。何がどう扱われるのかを順にお伝えします。
高さを変えても支障は出ない
結論から申し上げると、高さを変えても特に支障は出ません。鏡の位置が合わなくなる、収納が使えなくなるといったことは起きません。
理由は、洗面台と鏡と吊戸棚が一組の商品として作られているからです。天板の高さが変われば、その上に付く鏡も吊戸棚も一緒に上がります。別々に買って組み合わせるものではないのです。
先に決めるのは高さではなく幅です。幅が決まってから、その幅のなかで高さや収納を選びます。幅の決め方は洗面台だけ交換できる?にまとめました。
配管は新しい洗面台に合わせる
ここはよく誤解されるところです。いまの配管をそのまま使って取り替えることは、ほとんどありません。給水と排水の位置は、新しい洗面台に合わせてやり直すのが基本です。
とくに最近の洗面化粧台は、下が引き出しになっているものが多くなりました。引き出しの箱が入る場所に配管が通っていると、そのままでは納まりません。ですから位置を変えて取り付けることになります。
つまり順番が逆なのです。高さを変えたから配管をやり直すのではなく、もともとやり直すものだから、高さを変えても増えない。同じことがキッチンでも起きています。
下地が足りなければ工事中に入れる
鏡を取り付けるとき、壁の下地が足りないことがあります。そのときは工事の途中で下地を入れてから、鏡を取り付けます。いまの鏡と位置が変われば、壁のなかの支えも作り直すわけです。
壁を開けてみて分かることなので、見積書の段階で読み切れない場合もあります。あらかじめ入っているかどうかは聞いておくと安心です。壊してから分かることの扱いはリフォームの追加費用にまとめました。
先に見てもらえるところもあります。現地調査では、間口や壁の仕上げ、給排水の状態まで確かめます。当日の中身はリフォームの現地調査は何を見る?をご覧ください。
背の違う家族と吊戸棚の高さ

身長を2で割るという目安は、使う方が一人ならそのまま使えます。ご家族で身長が違うと、どこに合わせるかという話になります。合わせるのは、毎日いちばん長く使う方です。合わない方には、別の方法で届かせます。あわせて、上の吊戸棚に手が届かないというお悩みにもお答えします。
背の低い家族は台を使う
小さなお子さんに合わせて低くする必要はありません。小さいお子様などは、台を使っていただくのがふつうです。踏み台を一つ置けば足ります。
お子さんの身長は数年で変わります。いまの背に合わせて低くすると、何年か先には全員にとって低い洗面台になってしまいます。動かせない高さは、変わらない方に合わせるほうが長く使えます。
では大人どうしで差があるときは、どうするか。背の低い方は、高さのあるスリッパなどで高さを合わせるという手があります。洗面台そのものの高さは動かせませんが、立つ側の高さなら足もとで少し加減できます。台を使うお子さんと同じ考え方です。
吊戸棚はかなり高い位置に付く
洗面台の上の吊戸棚は、かなり高い位置に取り付けられます。鏡の上に付くので、手を伸ばしても上の段まで届かないことがあります。
ですから入れるものを分けてください。毎日使う歯みがきや化粧品は、鏡の裏や引き出しに。吊戸棚には、ふだん使わないものを収納します。買い置きのティッシュや季節で使うものなどです。
キッチンの吊戸棚もまったく同じ考え方で、上の段はたまに使うものの置き場になります。収納の高さをどう見るかはキッチンの奥行き65センチは使いにくい?でも触れました。

毎日使う高さと、たまに使う高さ。入れるものを分けるだけで足ります
ショールームで動作を試す
数字で見当をつけたら、最後は体で確かめます。洗面の動作そのままで確かめてください。手を洗うように前にかがんでみる、顔を近づけてみる。立って見るだけでは分かりません。
そのとき、上部の収納に手が届くかも実際に体験しておきます。届く段はどこまでか。背伸びが必要なのはどこからか。ここを確かめておくと、入れるものを決めるときに迷いません。浴室でも同じ確かめ方をします。やり方は浴槽のまたぎの高さは選べる?に書きました。
ショールームは商品を見る場所で、その場で契約をする場所ではありません。予約なしでも入れますし、案内を断って見学だけでもできます。ショールームは営業される?と予約なしでも大丈夫?をご覧ください。
洗面台の高さのよくある質問

ここまでお伝えできなかった細かいところを、よくいただくご質問の形でまとめました。気になる項目だけ読んでいただいてかまいません。
洗面台の高さは何センチが多いか
多くのメーカーで80センチが一般的です。何も指定しなければ、この高さの商品が候補に並びます。
以前は75センチが標準でした。入れ替えると5センチ上がる計算になります。
身長の高い家族に合わせるべきか
毎日いちばん長く使う方に合わせるのが基本です。背の低い方は、高さのあるスリッパなどで足もとの高さを合わせれば済みます。
希望は商品を決める前にお伝えください。黙っていると標準の高さで提案が出てきます。
高さは後から変えられるか
洗面台は商品ごとに高さが決まっているので、据え付けたあとに高さだけを動かすことはできません。選べるのは商品を決めるときです。
仕様をいつまで変えられるのかはリフォームは契約後に変更できる?にまとめました。
鏡の位置も高さで変わるか
変わります。洗面台と鏡は一組の商品なので、天板が上がれば鏡も一緒に上がります。別に調整する手間はありません。
取り付ける壁の下地が足りないときは、工事の途中で下地を入れてから取り付けます。
吊戸棚に手が届かないときは
吊戸棚はもともと高い位置に付きます。上の段には、ふだん使わないものを入れてください。毎日のものは鏡の裏や引き出しが向いています。
届く高さはショールームで確かめられます。上部収納に手が届くかを、実際に体験しておくと迷いません。
高さは身長の半分から考える

洗面台の高さは、身長を2で割った数字から考えます。多くのメーカーで一般的なのは80センチ。昔は75センチだったので、入れ替えるだけで5センチ上がります。商品によっては、オプションで85センチも選べます。
高さを選んでも工事は増えません。鏡も収納も一組で上がりますし、配管はもともと新しい洗面台に合わせてやり直すものです。下地が足りなければ、工事の途中で入れてから鏡を付けます。
ご家族で身長が違うなら、いちばん長く使う方に合わせて、お子さんは台を使う。吊戸棚の上の段には、ふだん使わないものを入れる。最後はショールームで、かがむ動作と手の届く高さを試してから決めてください。商品の選び方は洗面台だけ交換できる?、会社の見分け方はリフォーム会社の選び方にまとめました。
- 目安は身長を2で割った高さ
- いまの標準は80センチ
- 昔は75センチで5センチ低い
- 85センチはオプションの商品だけ
- 高さを選んでも工事は増えない
- 配管はもともとやり直す
- 吊戸棚は使わないものの置き場
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、使う方の身長と希望の高さを添えて、複数の会社の提案を並べてみてください。相見積もりの取り方もあわせてご覧ください。
来てもらう前に金額の見当をつけたいときはリフォームの概算見積もりは出せる?、連絡をメールだけで進めたいときは連絡はメールだけで済む?が参考になります。


コメント