洗濯物を抱えて洗面所に立ったものの、干す場所がない。浴室乾燥はうちにないし、リビングに室内干しの竿を立てると家族が通るたびに当たってしまう。洗面所の天井に一本わたせたら楽になるのに、あとから付けられるものなのだろうか。そう思ったまま、何年も物干しスタンドを出し入れしている方は少なくありません。
先にお伝えします。洗面所の天井に物干しを後から付けることはできます。ただし、どこにでも付くわけではありません。決め手になるのは天井の下地です。洗濯物を干すと天井に思いのほか大きな力がかかりますので、それを受け止められる場所が要ります。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。干す場所は洗面所だけではありません。どこに干すのが向いているのかも、あわせてお伝えします。
直美さん 洗面所の天井に、あとから物干しを付けられるものでしょうか。
ナビ 付けられますよ。天井の下地があるかどうかが決め手になります。
- 洗濯物を干す場所がない
- 物干しスタンドの出し入れが手間
- あとから付けられるか分からない
- 天井に付けて大丈夫か不安
- どこに干すのが向いているか迷う
洗面所にも後から付けられる

まず結論からお伝えします。洗面所の天井に物干しを後から取り付けることはできます。新築のときに付けておかなければ無理、ということはありません。洗面所の工事をしない年でも、金具だけを足していただけます。ただし一つだけ条件があって、それが天井の下地です。ここを先に知っておくと、打ち合わせの話が早くなります。
要るのは天井の下地
取り付けに要るのは、天井の中に入っている下地という木材です。これがある場所でないと付けられません。
理由は重さです。物干しに洗濯物をかけていくと、8キロから15キロほどの重さが天井にかかります。タオルやシャツは一枚ずつなら軽いものですが、洗ったばかりで水を含んでいますし、家族の分をまとめて干せばそれなりの量になります。その力をずっと受け止め続けるわけですから、天井の板だけでは足りません。
ふだん暮らしていて天井の中は見えませんので、どこに下地があるかはご自分では分かりません。これは現地調査で見てもらうところになります。同じように下地が要るものに手すりがあり、そちらは浴室の手すりは後から付けられる?に書いています。当日どこまで見てもらえるのかはリフォームの現地調査は何を見る?にまとめました。
下地がなければ補強する
では、付けたい場所に下地がなかったらあきらめるしかないのでしょうか。そうではありません。補強をすれば取り付けられます。
ただし、ここに正直な線があります。補強のできる位置で、取り付けの場所が決まります。天井のどこにでも思いどおりに付くわけではない、ということです。ここだけは譲れないという場所があるなら、下見のときに伝えておいてください。伝えておけば、その近くで付けられるかどうかを見てもらえます。
希望を先に渡しておくと提案の中身が変わる、という話はリフォーム要望の伝え方に書きました。物干しのような小さなものほど、言わなければ出てきません。
工事は半日ほどで終わる
工事そのものは大きなものではありません。半日ほどで終わります。
壁を壊したり、水道や電気をさわったりする工事ではないので、その日のうちに元どおりの洗面所に戻ります。洗濯機を使えない日が何日も続く、といった心配も要りません。工事のあいだ水まわりがどれくらい止まるのかが気になる方はリフォーム中に水道は止まる?をご覧ください。
もうひとつ、覚えておいていただきたいことがあります。洗面台の入れ替えと一緒にお願いすることもできます。洗面所に手を入れる予定があるなら、そのときに物干しも頼んでおくほうが手数が少なくて済みます。洗面台の入れ替えそのものについては洗面台だけ交換できる?にまとめてあります。

付く場所を決めているのは、見えない下地です
干す場所は三つから選ぶ

ここからがこの記事の本題です。室内で干す場所は、洗面所だけではありません。浴室の中、洗面所の天井、二階の窓ぎわの三つから選びます。どれが優れているという話ではなく、乾かし方が違うだけです。ご自宅の事情に合うものを選んでいただければ十分です。
浴室の中
実を言うと、いちばん多くご提案しているのは浴室の中です。理由ははっきりしています。
暖房換気乾燥機が付いていれば、機械の力で乾かせるからです。雨の日が続いても、夜に洗った分が朝には乾いています。しかも浴室は扉を閉められますので、生乾きのにおいが居室へ広がりません。お客様がいらっしゃる日でも、扉の向こうに置いておけます。
暖房換気乾燥機は寒さをやわらげる役目も持っています。そちらの話は浴室の床が冷たいのは直せる?にくわしく書きました。お風呂ぜんたいの選び方はお風呂リフォームの選び方をご覧ください。
洗面所の天井
次が洗面所です。ここで一つ、正直にお伝えしておくことがあります。洗面所には暖房換気乾燥機がありませんので、自然に乾かすことになります。
浴室のように短い時間では乾きません。そのかわり、洗濯機のすぐ横で干せます。洗って、そのまま振り向いてかける。この動きの短さが洗面所のいちばんの取り柄です。毎日のことですから、歩く距離が縮むだけでずいぶん違ってきます。送風だけを回して扉を開けておけば、風も通ります。
洗面所は背の高さに合わせて使う部屋でもあります。天板の高さの考え方は洗面台の高さは身長で決まる?にまとめました。
二階の窓ぎわ
三つ目が、意外に見落とされている場所です。二階の窓ぎわ、それも日当たりのよいところをおすすめしています。
日ざしと風が入る場所なので、自然に乾かす形としては洗面所よりも条件がそろいます。洗濯機からは遠くなりますが、二階に寝室があるご家庭なら、たたんでそのまましまえる流れになります。洗面所が狭くて付けられないときに、ご提案することの多い場所でもあります。

三つのどれかではなく、組み合わせても構いません
付ける前に見ておく三つ

場所が決まったら、付ける前に見ておきたいことが三つあります。下地の位置、竿の高さ、洗濯機からの距離です。どれも工事のあとでは動かしにくいところなので、打ち合わせのうちに確かめておくと、使い始めてからの後悔が減ります。
下地がどこにあるか
一つ目は、くり返しになりますが下地です。付けたい場所と、下地のある場所がずれていないかを先に見てもらってください。
ずれていれば補強を足すことになりますので、その分の費用が見積書に載ります。あとから出てくると驚いてしまいますから、下見のときに聞いておくのが確かです。見積書にあとから足される工事がどうして生まれるのかはリフォームの追加費用にまとめました。
竿の高さを上げ下げできるか
二つ目が、この記事でいちばんお伝えしたいところです。高さを変えられる物干しがあります。
使わないときは天井の近くまで上げておき、干すときだけ手の届くところまで下ろす。そういう使い方ができるものです。洗面所に物干しを付けるのをためらう理由のほとんどは、いつも頭の上に竿があって邪魔になりそう、というものですが、上げ下げできるならその心配は薄くなります。
浴室の物干しバーにも標準の取り付け位置がありますが、位置を変えることもできます。背の高さも、浴槽のまたぎ方も家ごとに違いますので、使いにくそうだと感じたら遠慮なく相談してみてください。浴室で体をどう動かすかという話は浴槽のまたぎの高さは選べる?にも書いています。
洗濯機から何歩か
三つ目は、寸法ではなく動きの話です。洗濯機から干す場所まで何歩あるかを数えてみてください。
一日に何度も往復する道です。半歩の差でも、一年ぶんを積み上げると大きくなります。浴室と洗面所は洗濯機のすぐそばですから、ここはほとんど差が出ません。二階の窓ぎわを選ぶときだけ、階段を上る手間が乗ってくることを見込んでおいてください。日当たりと引き換えに何を足すのか、という見方になります。
仕様を細かく決めていくのは契約のあとの打ち合わせです。どの段階で何を決めるのかはリフォームの色決めはいつ?とリフォームの打ち合わせは何回?をご覧ください。
室内物干しのよくある質問

ここまでで、付けられることと、干す場所の選び方をお伝えしました。残りのこまかい疑問をまとめておきます。読み終えたら、下見のときに天井を指さして聞いてみるだけで足ります。
浴室に物干しバーは最初から付いているのか
換気扇だけの浴室なら、基本は付いていません。オプションで足していただく形になります。
暖房換気乾燥機が付いている浴室なら、物干しバーが一本、セットで付いていることが多いです。二本に増やすこともできますので、量が多いご家庭は最初に伝えておいてください。
どれくらいの洗濯物をかけられるのか
目安としては8キロから15キロほどです。一般のご家庭の一回ぶんなら、おおむね収まります。
商品によって違いますので、ご自宅に付けるものがどれくらいなのかは担当の方に確かめてください。この重さが天井にかかるからこそ、下地が要るというわけです。
洗面台の入れ替えと一緒に頼めるのか
頼めます。同じ工事の中でお願いできます。別々に来てもらう必要はありません。
紙の上で範囲がどう分かれるのかはリフォーム見積書の別途とは?にまとめてあります。頼む前の段階でざっと金額を知りたいときはリフォームの概算見積もりは出せる?が参考になるでしょう。
洗面所が狭くて付けられないときは
付けられないお宅もあります。そのときは浴室の中か、二階の窓ぎわをご提案しています。
とくにお風呂のリフォームも一緒にお考えなら、浴室の中へ回すのが収まりのよい形です。工事をまとめられますし、乾かす力も手に入ります。
物干しを足すのはいつまで言えるのか
仕様が固まって商品が発注される前なら、落ち着いて足していただけます。
発注のあとは日程にも響いてきます。その区切りについてはリフォームは契約後に変更できる?に書きました。
干す場所は下地で決まる

洗面所の天井に物干しは後から付けられます。要るのは天井の下地で、8キロから15キロの重さを受け止めるために必要なものです。下地がなければ補強して付けますが、補強のできる位置で取り付けの場所が決まります。工事は半日ほどで、洗面台の入れ替えと一緒にも頼めます。
干す場所は三つです。浴室の中、洗面所の天井、二階の窓ぎわ。暖房換気乾燥機のある浴室なら機械で乾かせますし、洗面所は洗濯機のすぐ横という近さが取り柄です。二階の窓ぎわは日当たりと風が味方になります。どれが良い悪いではなく、乾かし方が違うだけとお考えください。
付ける前に見ておくのは三つだけ。下地の位置、竿の高さ、洗濯機から何歩かです。高さを変えられるものなら、使わないときは天井近くまで上げておけます。邪魔になりそうだから、という理由であきらめていた方は、まず一度聞いてみてください。
- 洗面所にも後から付けられる
- 要るのは天井の下地
- 理由は8キロから15キロの重さ
- 下地がなければ補強する
- 付く場所は下地で決まる
- 工事は半日ほど
- 干す場所は三つ
- 浴室は機械で乾かせる
- 洗面所は洗濯機のすぐ横
- 高さを変えられるものがある
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、まず何社かのお見積もりを並べるところからです。見積もりそのものの費用はリフォームの見積もりは無料?に、頼み先で何が変わるのかはリフォームはどこに頼む?にまとめてあります。
引き渡しのあとの保証はリフォームの保証は何年?が、住みながら工事をするときの過ごし方はリフォームは住みながらできる?が参考になるでしょう。


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