リフォームの話が進んでくると、金額とは別にもうひとつ気になることが出てきます。この代金は、いつ払うのだろうか。工事が始まる前に全額を求められるのか、それとも終わってからなのか。数十万円から百万円を超える買い物ですから、段取りが見えないままでは落ち着いて決められません。
先に結論をお伝えします。お風呂だけ、トイレだけといった一か所の入れ替えであれば、工事が終わってからのお振込が1回きりです。工事の前に全額を預ける形ではありません。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。100万円を超えるような大きな工事で支払いが分かれるときの中身と、見積書のどこを見れば段取りが分かるのかまで、順にお伝えします。
直美さん 工事が始まる前に、代金を全額払うのでしょうか。
ナビ お風呂だけのような工事なら、終わってからのお振込が1回きりです。先に全額という形ではありません。
- 代金を払う時期が分からない
- 先に全額を求められそう
- 何回に分かれるのか知りたい
- 書面のどこを見ればよいか
- 追加が出たときの払い方
支払いの時期は工事の大きさで変わる

支払いの段取りは、工事の大きさで変わります。設備を一か所だけ入れ替える工事と、水回りをまとめてやり直すような工事では、同じ進め方にはなりません。ですから、まずご自宅の工事がどちらに近いのかを見てください。それだけで、身構える必要があるかどうかが決まります。金額の大きさではなく、工事の範囲で見ていただくと分かりやすくなります。
単品の工事は完了後の1回
お風呂だけ、トイレだけ、洗面台だけといった一か所の入れ替えであれば、工事が終わったあとのお振込が1回きりになります。工事の前にお金を預ける形ではありませんので、ここはご安心ください。
この順番には、受け取る側にとって大きな意味があります。仕上がりをご自分の目で見て、使ってみて、それから払えるということです。思っていたものと違ったまま代金だけが先に出ていく、という形にはなりません。
振込の期日は、見積書の支払条件という欄に書かれています。この欄の見方はこの記事の後半でお伝えしますので、受け取ったときに一度目を通してみてください。同じ紙にある諸経費の行については見積書の諸経費とは?でお伝えしています。
100万円を超える工事は分かれることも
一方で、日数のかかる大きな工事では、支払いが契約のとき・着工のとき・完了のときに分かれることもあります。水回りを一式やり直すような、日数のかかる工事がこれにあたります。
ここで気をつけていただきたいのは、必ず3回になると決まっているわけではないという点です。分け方は会社ごとに決めているもので、2回のところもあります。ですから、ご自宅の工事がどの形になるのかは、その会社に聞いていただくのがいちばん確かです。
分かれること自体を心配なさらなくて大丈夫です。おかしなことが起きているのではなく、大きな工事ではそういう段取りになっているというだけの話です。
分け方は会社ごとに決めている
境目のあたりでは、同じ規模の工事でも会社ごとに進め方が違います。何回に分けるか、どの割合にするかを決めているのは、工事を請け負う会社のほうです。
とはいえ、これはあくまで目安です。どこで分けるかを決めているのは各社ですから、同じくらいの工事でも1回で済む会社もあります。ご自宅の見積もりがこの金額のあたりなら、先に聞いておくと見通しが立ちます。
聞き方は短くて構いません。「お支払いは何回に分かれますか」。この一言で、段取りがはっきりします。金額の交渉をしているわけではありませんので、言いにくさを感じる必要もありません。支払いの段取りは、工事を始める前にお互いが確かめておくことです。
契約金は資材の手配にあてられる

大きな工事で支払いが分かれるとき、最初に出てくるのが契約のときのぶんです。契約金と呼ばれています。何のお金なのか分からないままだと、取られているように感じてしまうかもしれません。ですが、このお金には役目がはっきりあります。ここを知っておくと、見積書の支払条件を見たときの気持ちがずいぶん変わるはずです。何に使われるお金なのかが分かれば、金額の大小とは別に、納得して押印できるようになります。
契約金は総額の10から30パーセント
契約のときにお支払いいただくのは、工事の総額の10から30パーセントほどです。工事の中身や会社によって、この幅のどこかに収まります。
残りは着工のときと完了のときに分かれます。何回に分けるか、どの割合にするかは各社が決めているものですから、ご自宅の工事がどうなるかは見積書で確かめてください。
なお、100万円以下の工事では完了後のお支払いになることが多いです。契約金という言葉が出てくるのは、日数のかかる大きな工事のときだけだとお考えください。
資材の手配と準備にあてられる
では、契約金は何に使われているのでしょうか。これは資材の手配と準備にかかる費用をカバーするためのものです。
工事が始まる前から、現場では多くのことが動き出します。商品の手配、材料の仕入れ、職人さんの日程の押さえ。どれも着工より前に進めておかなければ、工事の初日に間に合いません。契約金は、その先に出ていくぶんをまかなうお金です。
つまり、工事が始まっていないのに払うのではなく、もう動き出しているぶんを払っているということになります。利益として先に取られているわけではありません。工事で出た廃材の処分費も、見積書では解体処分費という別の行に入ります。その行の見方はリフォームの廃材は自分で捨てられる?をご覧ください。
発注の区切りとの関係
契約後に変更できるかでもお伝えしましたが、リフォームの大きな区切りは契約した日ではなく、商品が発注された日です。発注の前であれば、商品のキャンセル費用はかかりません。
契約金は、その発注に向けた準備のためのお金です。ですから、お支払いになったあとも仕様を変えられないわけではありません。変えたいところが出てきたら、発注の前に言っていただくのがいちばん軽く済みます。
ただし、お支払いになった契約金そのものの扱いは会社ごとの決めごとになります。もし途中でやめる可能性が頭にあるなら、契約の前に聞いておいてください。

支払条件の欄で先に確かめる

ここまでの話は、すべて1枚の紙で確かめられます。見積書です。金額の合計だけを見て閉じてしまう方が多いのですが、支払いの段取りはその紙の中にきちんと書かれています。押印の前に、どこを見ればよいのかをお伝えします。見るところは多くありません。欄の名前をひとつ覚えていただければ足ります。
見積書の支払条件を見る
見積書には支払条件という欄があります。ここに、いつ・何回に分けて・どの割合で払うのかが書かれています。
合計金額のすぐ近くにあることが多く、文字が小さいので読み飛ばしがちな場所です。見積書の見方とあわせて、この欄も声に出して読んでみてください。
読んでみて書かれていなければ、聞けばよいだけです。「お支払いは何回に分かれますか」。この一言で済みます。
金額は税込で書かれている
もうひとつ見ておきたいのが、消費税の扱いです。リフォームの見積書は、税込の表記になっています。
ですから、合計の欄に出ている数字が、そのままお支払いになる金額です。あとから消費税が足されて膨らむ、ということはありません。ここは安心していただける部分です。
ただし会社によって書き方のくせはありますので、税込と書いてあるかどうかだけ目で追ってください。見積書の有効期限も、同じように押印の前の確認になります。
追加が出たときは書面で交わし直す
工事が始まってから、追加や変更が出ることもあります。そのときに増えるぶんは、最後のお支払いに乗ってきます。
大事なのは、追加のぶんも書面で交わし直すことです。口約束で進めると、最後に出てきた金額の理由が分からなくなってしまいます。リフォームの追加費用で書いたとおり、いちばん多い追加はお施主様ご自身からのご要望ですから、決めきってから発注に進むのがいちばん静かに終わります。
なお、見積もりを出してもらう段階ではお金はかかりません。くわしくは見積もりは無料かをご覧ください。

支払いの時期によくある質問

ここからは、お金の段取りについてよく出てくるご質問にお答えします。どれも契約の前に聞いておける内容です。遠慮なく担当の方にたずねてください。
工事が終わるまで払わないこともあるか
あります。設備を一か所入れ替えるような工事では、完了後のお振込が1回きりです。工事の前に出すお金はありません。仕上がりを見て、使ってみてからのお支払いになりますので、先にお金だけが出ていく形にはなりません。その仕上がりを見る場についてはリフォームの完了検査は何を見る?でくわしく書いています。
契約金はどれくらいか
大きな工事では、工事の総額の10から30パーセントほどです。幅があるのは、分け方を各社が決めているからです。ご自宅のぶんは見積書の支払条件で確かめてください。契約金という言葉が出てこない工事なら、分かれない進め方だということです。契約書そのものをどこから読めばよいのかはリフォームの契約書はどこを見る?二つの欄をご覧ください。
支払条件はどこを見ればよいか
見積書の支払条件という欄です。合計金額の近くにあります。書かれていないようなら、その場で聞いてしまってください。「お支払いは何回に分かれますか」という一言で足ります。
見積書の金額は税込か税抜か
税込の表記になります。合計の数字が、そのままお支払いになる金額です。あとから税が足される心配はありません。会社によって書き方のくせはありますので、税込と書いてあるかどうかだけ目で追ってください。
契約金を払ったあとに変更したいとき
言っていただいて結構です。商品の発注の前であれば、キャンセル費用はかかりません。契約金をお支払いになったあとでも、仕様を変えられなくなるわけではありません。詳しくは契約後に変更できるかをご覧ください。
支払いの時期は工事の大きさで決まる

リフォームの代金をいつ払うのかは、工事の大きさで決まります。一か所の入れ替えなら完了後の1回ですから、仕上がりを見てからのお支払いになります。
日数のかかる大きな工事では、契約・着工・完了に分かれることもあります。契約金は資材の手配と準備にあてられるお金で、先に動き出しているぶんです。そして、その段取りはすべて見積書の支払条件の欄に書かれています。
金額の合計だけでなく、この欄まで目を通せば、お金の見通しが立ちます。見通しが立てば、担当の方とも落ち着いて話せるようになるはずです。
- 一か所の入れ替えは完了後の1回
- 100万円超は3回に分かれることも
- 契約金は総額の10から30パーセント
- 契約金は資材の手配と準備にあてる
- 見積書の支払条件の欄で確かめる
- 金額は税込で書かれている
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、まず複数の会社の見積書を並べてみてください。支払条件の欄まで見比べると、会社ごとの進め方の違いまで見えてきます。相見積もりの取り方もあわせてご覧ください。
見積書そのものの読み方はリフォーム見積書の見方、紙の期限は見積書の有効期限は?、増えるぶんの扱いはリフォームの追加費用にまとめました。頼む前の費用はリフォームの見積もりは無料?、契約のあとの変更はリフォームは契約後に変更できる?、頼み先の違いはリフォームはどこに頼む?をご覧ください。会社の見分け方はリフォーム会社の選び方、保証の中身はリフォームの保証は何年?、打ち合わせの回数はリフォームの打ち合わせは何回?が参考になります。


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