工事の日どりが決まって、ほっとしたところで気になってくることがあります。ご近所へのあいさつです。平日の昼間に職人さんが出入りして、解体の音も出る。お隣にひと言入れておかなくていいのかしら、と思われるでしょう。けれども、どこまで回るのか、何を言うのか、粗品は要るのか。考え始めると、工事そのものより気が重くなってしまう方もいらっしゃいます。
先に結論をお伝えします。ご近所へのあいさつは、工事を請け負ったリフォーム会社が回ります。お施主様がご自身で一軒ずつ訪ねなければならない、ということはありません。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。お施主様がすることは、ご一緒に顔を出すお宅を決めておくことだけ。現場で実際にどう進んでいるかをお伝えします。
直美さん ご近所へのあいさつは、やはり自分で一軒ずつ回らないといけないのでしょうか。
ナビ 回るのはリフォーム会社です。お付き合いのあるお宅だけ、ご一緒に顔を出せば十分ですよ。
- 自分で回るのか分からない
- どこまでの範囲を回るのか
- 何を伝えればよいのか
- 粗品は用意するのか
- 苦情が出たらどうなるのか
あいさつは会社が回る

まず、いちばん気がかりなところからお答えします。ご近所へのあいさつに回るのは、工事を請け負ったリフォーム会社です。多くの場合、現場を受け持つ担当者が訪ねます。
理由は単純で、工事の中身を説明できる人が行かなければ、聞かれたことに答えられないからでしょう。いつからいつまでか、どんな音が出るのか、車は何台来るのか。ご近所が知りたいのはその場の暮らしに関わることばかりで、どれもその場で答えられる立場の人でなければ返せません。
ここでは三つに分けて見ていきます。誰が回るのか、いつ回るのか、そしてお施主様がご一緒する意味です。順にお読みください。
回るのは現場の担当者
あいさつに向かうのは、工事の段取りを組んでいる現場の担当者です。工期も作業の時間帯も頭に入っている人が行きます。
どのお宅の工事で、いつからいつまで、どんな作業をするのか。それを説明して、何かあったときの連絡先を置いていく。これが一通りの流れになります。営業の担当者が同行することもありますが、音や日どりの話をするのは現場の側です。
なお、現場を見る人の立場は頼み先によって変わります。誰が現場を管理するのかはリフォームはどこに頼む?にまとめましたので、あわせてご覧ください。
着工の1週間前までに
時期の目安ははっきりしています。着工の1週間前までにあいさつを済ませるのが一般的です。
早すぎると工事の日を忘れられてしまい、前日では相手が予定を動かせません。1週間というのは、洗濯物を干す日や車の出し入れを考えておける長さだとお考えください。
日どりが固まるのは契約のあとです。どれくらい家の設備が止まるのかはリフォームは住みながらできる?に書きました。工程表が出た時点で、あいさつの日も決まります。
世帯主が顔を出す意味
会社が回るとはいえ、ふだんお付き合いのあるお宅には、ご一緒に顔を出されるほうがよいでしょう。家の代表である世帯主の方が加わると、受け取られ方が変わります。
業者だけが来て説明していった工事と、ご本人からもひと言あった工事では、声のかけやすさが違ってきます。工事が終わってからも、そのお付き合いは続いていきます。
とはいえ、全部のお宅を回る必要はありません。立ち話をするお宅、庭や駐車場が接しているお宅だけで十分です。回るお宅を一つか二つ決めておく、それだけで足ります。

回る範囲と伝える三つ

次は、どこまで回るのかという話です。戸建てとマンションで、範囲の数え方が変わります。ここを知っておくと、もれが出ません。
目安はどちらも最大8軒です。ただ、その8軒の取り方がまったく違います。音の伝わり方が、建物によって違うからでしょう。
ここでも三つに分けてお伝えします。戸建ての範囲、マンションの範囲、そして実際に何を伝えるのかです。
戸建ては最大8軒
戸建ての場合は、自宅を真ん中に置いて、縦・横・斜めで接する最大8軒が目安になります。両隣と向かいだけでは足りません。
音は壁を通るだけでなく、庭や道を回って裏のお宅にも届きます。どの工程でどれくらいの音が出るのかはリフォーム工事中の騒音はどれくらい?にまとめました。工事の車は前の道に止まりますから、向かいと斜め向かいのお宅にも関わってきます。
どのお宅まで回るかは、会社が現場を見てから決めます。気になるお宅があれば、下見のときに伝えておくとよいでしょう。何を渡しておくとよいかはリフォーム要望の伝え方にまとめました。
マンションは上下と両隣
マンションの場合は、上の3軒、下の3軒、そして両隣の最大8軒が目安です。真上と真下だけではありません。
3軒ずつというのは、斜め上と斜め下まで含むという意味になります。床や天井を伝わる音は、ちょうど真上や真下のお宅にだけ届くわけではないからです。
とくに響くのは解体の日でしょう。壊す範囲が大きい工事ほど日数もかかりますので、日数の長い工事こそ、ていねいに回っておくほうが安心です。
伝えるのは三つだけ
伝える内容は多くありません。工事の日時、工事の内容、そしてお施主様とリフォーム会社の連絡先。この三つで足ります。
日時は、始まる日と終わる予定の日に、作業の時間帯を添えます。内容はお風呂の入れ替え、キッチンの入れ替えといった程度で構いません。細かい仕様まで話す場ではありません。
連絡先は、困ったときに誰へ言えばよいかを決めておくためのものです。会社の連絡先だけでなく、お施主様の連絡先も置いていくのが一般的でしょう。
省いたときに起きること

では、あいさつをしないまま工事に入るとどうなるのでしょうか。多いのは工事そのものへの苦情ではなく、知らされていなかったことへの苦情です。
音が出ること自体は、前もって聞いていれば受け止めてもらえます。何も知らされないまま朝から音が始まると、同じ音が我慢できないものに変わってしまいます。
ここでは、声が上がりやすい三つ、粗品の考え方、そしてマンションでやることを見ていきましょう。
クレームの元になる三つ
実際に声が上がりやすいのは三つです。工事の騒音、業者の出入り、そして工事の車両。ほぼこの三つに集まります。
騒音は解体の日に集まります。出入りは、見慣れない人が何日も続けて通ることへの落ち着かなさです。ご自宅の鍵をどう扱うのかはリフォーム工事中の鍵はどうする?でふれています。車両は、道をふさぐ、停める場所がないという、暮らしに直に当たる話になります。ご近所に小さなお子さんやご高齢の方がいらっしゃるお宅ほど、この三つは重く響きます。
どれも、先に知らせてあれば防げる種類のものでしょう。工事を止めるような苦情は、たいてい知らせ方の不足から始まります。工事の中身の良し悪しとは、別の話です。
粗品は誰でも使う日用品
粗品は、リフォーム会社が用意して持っていきます。お施主様がご自身で何かを揃えなければならない、ということはありません。
中身は誰でも使える日用品がすすめられます。洗剤やタオル、ラップ、除菌シートといったものです。好みの分かれる食べ物より、使い道の決まったもののほうが喜ばれるでしょう。工事が始まってからのお茶や差し入れの扱いはリフォーム工事中のお茶出しは必要?にまとめました。
ご一緒に回られるなら、会社が持つものとは別に用意されても構いません。ただ、値の張るものはかえって相手に気を使わせてしまいます。ここは気持ちが伝われば十分です。
マンションは届け出と駐車場
マンションでは、あいさつのほかにもすることがあります。一つが管理組合への工事の届け出です。
工事ができる曜日や時間帯、使ってよいエレベーターなど、建物ごとに決まりがあります。届け出が通らないと日どりそのものが動きますから、早めに確かめておいてください。
もう一つが工事車両を停める場所の確保です。来客用の区画を借りられるのか、近くの駐車場を使うのか。ここが決まらないまま始まると、職人さんの出入りがそのままご近所の迷惑になってしまいます。

近所へのあいさつのよくある質問

ここからは、あいさつのことでよくいただくご質問にお答えします。回る前に迷いやすいところから順に並べました。
留守のお宅はどうするか
何度訪ねても会えないお宅はあります。その場合は、工事の内容と連絡先を書いた紙を郵便受けへ入れておく形になります。会社が用意しますので、お任せいただいて大丈夫です。
粗品は自分で用意するのか
用意しなくて構いません。会社が持っていきます。ご一緒に回られるときだけ、誰でも使える日用品を添えれば十分でしょう。かしこまった品を選ぶ必要はありません。
工事の時間帯は何時までか
おおむね朝8時から夕方5時までです。土日はお休みになります。あいさつのときにもこの時間帯を伝えますので、ご近所も予定を立てやすくなります。
工事が延びたら伝え直すのか
日数が変わるときは、会社から改めて知らせます。延びる理由は、解体してから分かることが多いものです。そのあたりの事情はリフォームの追加費用にまとめています。
あいさつに行けないときは
平日の昼間に時間が取れない方も多いでしょう。会社だけで回ってもらっても差し支えありません。気になるお宅の名前だけ担当者に伝えておくと、ていねいに回ってもらえます。
まとめ

ご近所へのあいさつは、リフォーム会社が着工の1週間前までに回ります。範囲は戸建てもマンションも最大8軒、伝えるのは日時と内容と連絡先の三つだけ。お施主様がすることは、ご一緒に顔を出すお宅を決めておくことだけです。
- あいさつはリフォーム会社が回る
- 行くのは現場の担当者
- 一軒ずつ自分で回る必要はない
- 着工の1週間前までに済ませる
- 付き合いのあるお宅には同行する
- 戸建ては縦横斜めの最大8軒
- マンションは上下3軒と両隣
- 伝えるのは日時と内容と連絡先
- 時間帯は朝8時から夕方5時まで
- 苦情の元は騒音と出入りと車両
- 粗品は会社が用意する
- 中身は誰でも使える日用品
- マンションは管理組合へ届け出
- 工事車両を停める場所も決める
あいさつの段取りまで先に説明してくれる会社は、工事が始まってからのことまで考えてくれている会社です。その説明のしかたも、会社を見比べる材料になります。そろそろ具体的に、と思い始めた方は、何社かに相談してみてはいかがでしょうか。
会社の見分け方はリフォーム会社の選び方、保証の中身はリフォームの保証は何年?にまとめました。打ち合わせの進み方はリフォームの打ち合わせは何回?、契約のあとに変えられるかはリフォームは契約後に変更できる?をご覧ください。見積書の読み方はリフォーム見積書の見方、期限のことは見積書の有効期限は?、提案書の見方はリフォームの提案書はどこを見る?にあります。複数社で比べる手順はリフォーム相見積もりの取り方と相見積もりと伝えると嫌がられる?をどうぞ。商品を見に行くときはショールームは営業される?とショールームは予約なしでも大丈夫?が参考になります。断りにくいときはしつこい営業を断る言い方7選と断ったのに連絡が来る理由と止め方をお読みください。替え時の見当は築20年の水回りリフォーム時期、設備の選び方はお風呂リフォームの選び方、キッチンリフォームの選び方、トイレリフォームの選び方、洗面台だけ交換できる?にまとめています。


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