ショールームで気に入った扉の色があった。けれども担当の方から、それはひとつ前の型なんです、と言われた。そう聞くと急に不安になります。まだ選べるのだろうか、選んだら損をするのだろうか。あるいは逆に、型落ちなら安く買えるのではと期待された方もいらっしゃるかもしれません。
先にお伝えします。ひとつ前のモデルも選べます。新しい商品が出たその日に、前の商品が買えなくなるわけではありません。そしてひとつ前だから安くなる、ということもありません。選ぶ理由は、金額ではなく別のところにあります。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。いつまで選べるのか、何が変わるのか、そして気をつけたい期限までお伝えします。
直美さん ひとつ前の型なら、安く買えたりするのでしょうか。
ナビ そこは期待されないほうが。選ぶ理由は別にありますよ。
- 気に入った柄が前の型だった
- 型落ちだと損をしそう
- いつまで選べるか分からない
- 新旧で何が違うのか不明
- 工事が変わらないか心配
ひとつ前のモデルも選べる

まず、いちばん気になるところからお答えします。新しい商品が発表されたからといって、前の商品がその日から買えなくなるわけではありません。きちんと期間が設けられていて、そのあいだは今までどおり選べます。ここでは切り替えがどんなふうに進むのかを順にお伝えします。仕組みが分かると、慌てて決める必要がないことも見えてきます。
新商品が出るのは年に一度ほど
そもそも商品はどれくらいの頻度で新しくなるのか。おおよそ年に一度ほど、新しい商品が出ます。ただし時期が決まっているわけではありません。
商材によってもメーカーによってもまちまちです。そして何年も変わらない商品もたくさんあります。ですから、いま見ている商品がもうすぐ古くなる、と身構える必要はありません。たまたま切り替えの時期に重なったときにだけ、この話が出てくると考えてください。毎年どの商品もそっくり入れ替わっていくようなことはありませんので、カタログを見るたびに不安になる必要もないでしょう。
すぐに買えなくなるわけではない
新しい商品が出たあと、前の商品はどうなるのか。おおむね3か月から6か月のあいだで、発売を終える日が決まります。つまりその日までは、変わらず選べるということです。
この期間があるおかげで、ちょうど切り替えに重なった方でも落ち着いて選べます。ショールームで見てきた商品が、次に行ったら突然なくなっていた、という事態にはなりません。発売を終える日がいつなのかは商品ごとに違いますので、気になる柄があるなら担当の方に確かめておきましょう。その一言さえ入れておけば、残りの時間を知ったうえで考えられます。
お店に在庫があればそのあとも
では発売が終わったら、もう手に入らないのか。そうとも限りません。リフォーム店が在庫を持っていれば、それがなくなるまでは購入できることもあります。
ただしこれは、たまたまその会社にあればという話です。どこでも必ず残っているわけではありませんし、数にもかぎりもあるでしょう。あてにして待つ性質のものではない、とお考えください。発売が終わったと聞いても、すぐにあきらめなくてよい。けれども残っているとは期待しない。そのくらいの距離感がちょうどよいところです。

新しくなると変わるところ

選べると分かったところで、次に気になるのは中身です。新旧でいったい何が違うのか。じつは変わり方にはいくつかの型があって、どれにあたるかで差の大きさがまるで違います。そして工事への影響を心配される方が多いのですが、ここはあまり気になさらなくて大丈夫です。
変わり方は三つに分かれる
新しくなるときの変わり方は、大きく分けると三つです。機器が新しくなる/色柄が変わる/シリーズごと変わる。この三つのどれにあたるかで、受ける印象が変わってきます。
機器が新しくなるのは、水栓やコンロといった部分が入れ替わるものです。色柄が変わるのは、扉の柄や色の種類が入れ替わるもので、小さめの変更にあたります。シリーズごと変わるのは、商品のまとまりそのものが新しくなる大きな変更です。同じモデルチェンジという言葉でも、中身はこれだけ幅があるということになります。ひとくくりにして考えると、必要以上に大きな出来事に見えてしまいます。
気に入った柄が消えてしまうのは、二つめの色柄が変わるときです。本体の性能が大きく変わったわけではないのに、選びたかった色だけがなくなる。この記事を読んでくださっている方が気にされているのは、たいていこの場面だと思います。

工事の内容は大きく変わらない
新しい機器になると、工事も変わってしまうのではないか。そう心配される方がいらっしゃいます。けれども工事の内容が大きく変わることはありません。
たとえばコンロや水栓が新しくなると、接続する位置が少し動くことはあります。ただしそれは配管の位置が多少変わるという程度の話で、現場で困るようなものではありません。ご自宅の工事の日数が増えたり、壁を壊すことになったりはしないとお考えください。新旧のどちらを選んでも、工事そのものの段取りは変わらないわけです。
見分けがつかないときは聞く
提案された商品が新しいものなのか、ひとつ前なのか。ご自分で見分けるのは、正直なところ難しいところがあります。カタログで確かめることはできますが、慣れていないと読み取りづらいものです。
ですから分からなければ、ショールームの担当の方に聞いてしまうのがいちばん早いです。これは新しいほうですか、と一言たずねれば答えてもらえます。聞きにくい質問ではありません。カタログの取り寄せ方はリフォームのカタログだけもらえる?に、ショールームの回り方はショールームは営業される?にまとめました。
見るのは金額より発注の期限

ここからがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。ひとつ前のモデルを選ぶとき、多くの方が金額のことを気にされます。けれども実際に効いてくるのは金額ではありません。見ておいていただきたいのは期限のほうです。なぜそうなるのかを順にお話しします。
ひとつ前だから安いのではない
最初に、期待をひとつ手放していただきます。メーカーの側では、ひとつ前の商品だから安くなるということはありません。値札が下がった状態で並んでいるわけではないのです。
よそでは型落ちは狙い目だと書かれることがありますが、少なくとも商品そのものの金額としては、そうなっていません。安く買うために前の型を探す、という進め方は空振りに終わります。ここを先に知っておくと、余計な遠回りをせずに済むはずです。
下がるのはお店の在庫のとき
では金額が動くことはないのか。ひとつだけあります。リフォーム店が在庫として抱えている商品なら、売り切りたいので金額を下げて出してくれることがあります。
ただしこれは、その会社にたまたま在庫があったときの話です。狙って探せるものではありませんし、欲しい柄や大きさがそろっているともかぎりません。出会えたら運がよかった、という受け止め方がちょうどよいでしょう。金額の相談のしかたそのものはリフォームの値引き交渉はしていい?にまとめてあります。
もうひとつ、切り替えの時期ならではの注意があります。新旧が入れ替わるときには、金額そのものが改定されることもあります。前に見た紙と数字が違っている、ということが起こりうるわけです。見積書の有効期限の考え方はリフォーム見積書の有効期限は?をご覧ください。
期限を過ぎると注文できない
そして本題です。ひとつ前のモデルを選ぶときに、いちばん気をつけていただきたいのは発注の期限です。ここを逃すと、気に入った柄があっても注文を入れられなくなります。
せっかく扉の柄を気に入っていたのに、期限を過ぎてしまって頼めなくなる。これがいちばん残念なかたちです。金額で迷っているうちに日が過ぎた、という流れは避けたいところ。だからこそ、安いかどうかではなく期限から確かめてほしいのです。似た柄がほかにあればよいのですが、気に入ったものと同じとはかぎりません。
やることは簡単で、担当の方にいつまでに決めればよいですかと聞いておくだけです。仕様を決める期限そのものの考え方はリフォームは契約後に変更できる?に、色や面材を決める場面はリフォームの色決めはいつ?に書いています。
型落ちとモデルチェンジのよくある質問

ここからは、新旧の切り替えをめぐってよくいただくご質問にお答えします。選べると分かっても、細かいところで迷いは残るものです。部品のこと、性能のこと、そして自分で選べるのかどうか。気になりやすい五つを順に取り上げます。
ひとつ前の商品でも部品は出ますか
出ます。補修の部品が用意されるのは、買った日からではなく生産が終わった日から数えます。期間の数え方は築20年の水回りリフォーム時期でくわしく書いていますので、あわせてご覧ください。
新しいほうが性能は上ですか
必ずしもそうとはかぎりません。色柄だけが入れ替わる変更であれば、本体の中身は変わっていないことになります。どの型の変更にあたるのかを担当の方に確かめると、差があるのかどうかが見えてきます。新しいほうが必ず上だ、と決めてかからないほうがよいでしょう。
自分で新旧を選べますか
ちょうど切り替えの時期にショールームへ行かれた場合は、ご要望に合うほうを選んでいただけます。ただしいつでも二つ並んでいるわけではありません。たまたまその時期に重なったときの話だとお考えください。
前の型を頼むと納期は延びますか
発売を終える日までの注文であれば、特別に時間がかかることはありません。むしろ気をつけたいのは、その期限そのものです。工事の時期から逆算する考え方はリフォームを頼む時期はいつがいい?にまとめました。
在庫があるかどうか聞けますか
聞いていただいて差し支えありません。ただし会社ごとに事情が違いますので、必ず残っているとはかぎらないとお含みおきください。どこに頼むかで取り扱いが変わる話はリフォームはどこに頼む?に書いています。
気に入ったほうを選べばいい

ひとつ前のモデルかどうかは、良し悪しの話ではありません。金額で選ぶものでもありません。見ていただきたいのは、ご自分が気に入ったかどうか。そのうえで、いつまでに決めればよいのかを確かめておく。それだけで足ります。
気に入った柄を、期限を知らなかったせいで逃してしまう。それがいちばんもったいない結末です。担当の方への一言で防げますので、ぜひ最初に聞いてみてください。
- ひとつ前のモデルも選べる
- 新商品が出るのは年に一度ほど
- 発売が終わるまで3か月から6か月
- お店の在庫があればそのあとも
- 変わり方は三つに分かれる
- 工事の内容は大きく変わらない
- 見分けは担当の方に聞けばよい
- ひとつ前だから安いのではない
- 下がるのはお店の在庫のとき
- 発注の期限を先に聞いておく
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、何社かのお見積もりを並べるところからです。現地を見てもらう前の段階ならリフォームの概算見積もりは出せる?が向いているでしょう。
ショールームへ足を運ぶときの段取りはショールームは予約なしでも大丈夫?とショールームはリフォーム会社と一緒に行く?にまとめてあります。届いた提案書の読み方はリフォームの提案書はどこを見る?が参考になります。


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