お風呂やキッチンをそろそろ何とかしたい。そう思っても、どの会社に頼めばいいのかが分かりません。チラシは毎週のように入ってきますし、ネットで調べても似たような会社ばかりが並びます。決め手が見つからないまま、何年も先延ばしにしている方は少なくないでしょう。
リフォームは、同じ商品を選んでも、どの会社に頼むかで仕上がりもその後の安心感も変わります。とはいえ、施工の腕前は工事が終わるまで分かりません。だからこそ、打ち合わせの段階で見えるところから見分ける必要があるのです。
この記事では、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案を担当している立場から、会社選びで見るべき3つの軸と、避けたい会社に共通するサインをお伝えします。複数の販売店の提案を横から見てきたからこそ言えることだけを集めました。
直美さん どの会社もホームページはきれいで、言っていることも似ています。値段以外に比べるところが見つからなくて、選びようがないんです。
ナビ 実は、会社の差がいちばん出るのはホームページではなく最初の打ち合わせなのです。見る場所さえ決めておけば、1回会えば判断できますよ。
- どの会社も同じに見える
- 値段でしか比べられない
- 知り合いの紹介を断れない
- 大手と地元どちらが安心か迷う
- 契約してから後悔したくない
リフォーム会社を選ぶ3つの軸

会社選びで迷うのは、比べるための物差しを持っていないからです。逆に言えば、物差しさえ決めておけば判断はぐっと楽になります。結論からお伝えすると、見るべきは3つだけです。似た工事の実績があるか、提案の理由を語れるか、保証とアフターの中身が具体的か。この3つがそろう会社なら、大きく外すことはまずありません。
自分の家と近い施工実績
まず確かめたいのは、ご自宅と条件の近い工事をどれだけ手がけてきたかです。施工件数の多さそのものより、築年数や間取りが似た事例を持っているかどうかが効いてきます。築18年の戸建ての浴室と、新築マンションの内装では、必要な段取りがまるで違うからです。
打ち合わせのときに「うちと同じくらいの築年数で、同じ工事をされた例はありますか」と聞いてみてください。慣れている会社なら、すぐに写真を出して、どこでつまずいたかまで話してくれるでしょう。失敗談を具体的に語れる会社は、それだけ場数を踏んでいる証拠になります。
会う前にホームページで見ておくなら、実際に手がけた現場の写真かどうかと、お客様の声があるかどうかです。この二つがそろっている会社は、現場を重ねてきた会社だと考えてよいでしょう。写真の枚数ではなく、そこに添えられる話の中身を見てください。見るところはリフォーム会社のホームページはどこを見る?にまとめました。
提案の理由を語れる担当者
次に見たいのが、なぜその商品を勧めるのかを説明できるかどうかです。これは私が仕事で毎日のように感じている部分でもあります。メーカーから同じ資料を受け取っていても、それをそのまま読み上げる担当者と、お客様の暮らしに合わせて選び直す担当者に、はっきり分かれるのです。
よい担当者は「お子さんが小さいので、床は乾きやすいタイプにしましょう」というように、理由と生活を結びつけて話します。判断の根拠が示されるので、こちらも納得して選べます。ここが噛み合えば、打ち合わせは驚くほどスムーズに進むはずです。
一方で、「これが一番売れています」「今はみなさんこれです」しか言わない場合は注意が必要でしょう。売れ筋はあくまで平均であって、ご自宅の答えではありません。「なぜうちにはこれなのですか」と一度聞いてみると、力量の差が驚くほどはっきり出ます。それでも噛み合わないままなら、リフォームの担当者は変えてもらえる?伝え方と時期もあわせてご覧ください。
保証とアフターの中身
3つ目は、工事が終わったあとの話です。リフォームは引き渡しで終わりではありません。水漏れや建具の調整など、住み始めてから出てくる不具合は珍しくないのです。そのときに誰がどう動いてくれるのかを、契約前に確かめておきたいところです。
ここで大切なのは、保証の年数ではなく中身になります。「10年保証」と書かれていても、対象が商品本体だけなのか、取り付けた工事まで含むのかで意味がまったく変わるからです。商品の保証と工事の保証は別物だと覚えておいてください。二つの保証の違いはリフォームの保証は何年?でくわしく書いています。
あわせて、点検に来てくれる頻度と、不具合が起きたときの連絡先も聞いておきましょう。書面で渡してくれる会社なら安心できます。口頭で「何かあれば言ってください」と流される場合は、その場で書き足してもらうようお願いして構いません。

避けたい会社に共通するサイン

よい会社の条件と同じくらい役に立つのが、避けたい会社に共通する特徴です。これらは工事の腕前と違い、契約する前に必ず表に出ます。しかも、ひとつ当てはまるだけで即アウトというより、重なったときに危うさが増すという性質があります。3つのサインを順に見ていきましょう。
一式ばかりの見積書
見積書を開いて「浴室リフォーム工事一式」とだけ書かれていたら、いったん立ち止まってください。何にいくらかかっているのかが分からない書類は、比べることができません。比べられない見積書は、こちらが判断する材料を持てないという意味になります。
もちろん、細かい項目をすべて並べればよいわけでもありません。大切なのは、聞いたときに内訳が出てくるかです。誠実な会社なら、その場で「この一式の中身を教えてください」と頼めば、すぐに分けて示してくれます。嫌がる素振りを見せる場合は、その反応こそが答えでしょう。
今日だけの値引き
「今日ご契約いただければ、この金額にできます」という言い方には気をつけてください。リフォームは数十年住む家に手を入れる工事です。その判断を、その日のうちに迫る理由は本来どこにもありません。急がせること自体が目的になっている可能性があります。
加えて、その場で大きく下げられる金額は、もともと乗っていたということでもあります。値引き幅の大きさは、最初の金額の根拠の薄さを映していると考えたほうが自然でしょう。「持ち帰って家族と相談します」と伝えて、態度が変わらない会社かどうかを見てください。
質問に答えない担当者
3つ目は、こちらの質問がすり抜けていく感覚です。聞いたことに答えず、別の話に移る。分からないことを「調べます」と言ったまま返事が来ない。こうした小さな噛み合わなさは、工事が始まってからそのまま大きくなります。
むしろ分からないと正直に言える担当者のほうが信頼できます。リフォームは解体してみないと分からない部分が必ずあるからです。その場しのぎで断言する人より、確認してから折り返してくれる人のほうが、工事中のトラブルに強いと言えるでしょう。
契約前に確かめる3つのこと

依頼したい会社が絞れてきたら、契約書に押印する前にもうひと手間かけてください。ここで確認しておけば、工事が始まってからの「聞いていない」をほとんど防げます。どれも遠慮の要らない質問ばかりですし、嫌な顔をされたらそれが判断材料になります。
契約書と約款の有無
まず、契約書とあわせて工事請負契約約款が用意されているかを見てください。約款とは、工期が延びたときや、途中で解約したいときの取り決めを書いた文書です。トラブルが起きたときにだけ効いてくる書類なので、平穏なうちは読み飛ばされがちになります。
見積書と簡単な注文書だけで工事を始めようとする会社は、そもそも備えがありません。すべてを理解する必要はありませんから、渡されているかどうかだけでも確かめておきましょう。受け取った書類は、工事が終わるまで一か所にまとめて保管してください。なお契約したあとでも変更はできますので、押印で全部が決まってしまうわけではありません。
工事中の連絡窓口
意外と見落とされるのが、工事が始まってからの連絡先です。リフォームでは、営業の担当者と現場を仕切る人が別になることがよくあります。そのつなぎ目で話が抜け落ちると、「伝えたはずの内容が現場に届いていない」という事態が起こります。
ですので、工事中は誰に言えばよいのかを先に決めておいてください。営業の方が窓口を続けてくれるのか、現場監督に替わるのか。難しい話ではなく、単純に名前と連絡先を書いてもらうだけで十分です。この一手間が、工事中の安心感を大きく変えます。その現場の担当者は、リフォームの近所へのあいさつは誰が回る?のとおりご近所へのあいさつにも回る人です。
追加費用が出る条件
最後は、追加費用についてです。壁や床を剥がしてみたら下地が傷んでいた、という展開はリフォームでは珍しくありません。大切なのは追加が出るかどうかではなく、出るときにどう進めるかが決まっているかどうかになります。
「追加が必要になったら、工事を止めて写真と金額を見せてもらえますか」と聞いてみてください。きちんとした会社なら当然の手順として応じます。ここを曖昧にしたまま進めると、完成後にまとめて請求されてから気づくことになりかねません。

リフォーム会社の選び方によくある質問

ここからは、会社選びでよく寄せられる疑問をまとめました。どれも人には聞きにくい内容ばかりだと思います。気になる項目だけ読んでいただいても構いません。
見積もりは何社から取るべきか
3社前後が扱いやすい数です。2社では比べる基準ができず、5社を超えると打ち合わせだけで疲れてしまいます。数を増やすより、条件をそろえて依頼するほうが、違いがはっきり見えてくるでしょう。
大手と地元の工務店はどちらが安心か
どちらが上ということはありません。大手は窓口や保証の仕組みが整っている一方、実際の工事は協力会社が担当することが多くなります。地元の工務店は小回りが利きますが、規模によって対応できる範囲が変わります。会社の大きさより、この記事の3つの軸で見比べてください。
訪問営業で来た会社に頼んでよいか
頼んでいけないわけではありませんが、その場で決めないことが大前提になります。訪問をきっかけに知った会社こそ、他社と並べて比べてください。急がせる会社であれば、その時点で候補から外して差し支えありません。
知り合いの紹介を断ってもよいか
もちろん構いません。ご紹介からのお話はいまとても多く、そのうえでほかの会社も見比べて決められる方は珍しくありません。お断りの連絡は、ご紹介元ではなくリフォーム会社に入れてください。ご紹介元へのご報告は、会社のほうからされます。くわしくは知り合いに紹介されたリフォーム会社は断れる?にまとめました。
相見積もりだと伝えてよいか
伝えて問題ありません。むしろ最初に伝えたほうが、各社とも条件をそろえた見積書を出してくれます。隠したまま進めるほうが、あとで話がこじれる原因になります。他社の金額そのものを見せる必要はないので、比べている事実だけ伝えれば十分です。
まとめ

リフォーム会社の良し悪しは、工事が終わるまで分からないものだと思われがちです。けれども実際には、その多くが最初の打ち合わせの時点で表に出ています。見るべき場所さえ決めておけば、1社1時間ほどの面談で十分に判断できるのです。
- 似た築年数の施工事例を聞く
- なぜうちにはこれかを尋ねる
- 保証は年数ではなく対象を見る
- 一式の中身を出せるか試す
- 今日だけの値引きは持ち帰る
- 工事中の連絡窓口を書いてもらう
- 追加費用は写真と金額で確認
そして何より、1社だけで決めないことが最大の備えになります。比べる相手がいて初めて、その会社の説明が丁寧なのかどうかが分かるからです。まずは複数社の提案を並べるところから、気負わずに始めてみてください。
届いた見積書の読み方はリフォーム見積書の見方で、しつこい営業への対応はリフォームのしつこい営業を断る言い方7選でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。


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