リフォームを考えはじめて、いちばん先に知りたいのは金額です。けれど見積もりをお願いすると、まずは現地調査にうかがいますと言われます。家に来てもらうところまで話が進んでしまうのが怖くて、電話をかける手が止まる。だいたいの金額さえ分かれば踏ん切りがつくのに、と思われるのではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。現地調査の前でも、おおよその金額は出してもらえます。必要なのは平面図と、ご自身で測っていただいた設備の寸法、それにお写真です。この三つがそろえば、来ていただく前に紙で金額が出ます。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。概算の段階では出てこない項目、そして本見積もりで金額が動く二つの場面まで、順にお伝えします。
直美さん 家に来てもらう前に、だいたいの金額だけ知ることはできるのでしょうか。
ナビ できますよ。平面図とご自身で測った寸法、それにお写真があれば、おおよその金額をお出しできます。
- 来てもらう前に金額を知りたい
- 予算に合うか分からない
- 頼むと断りにくくなりそう
- 概算との差がどれだけ出るか不安
- 何を渡せばよいか分からない
概算の見積もりは出してもらえる

金額を知るには、まず家を見てもらわなければいけない。そう思われている方が多いようです。正式なお見積書はたしかにそうなります。ただその手前に、おおよそいくらかをお伝えする段があり、ご希望があればそこで一度紙をお出しできます。何を渡せば出てくるのか、どんな形で届くのか、そして頼むと迷惑にならないのか。この三つからお伝えします。
平面図と寸法と写真があれば
まず結論です。ご要望と、見積もりをつくるための最低限の情報があれば、おおよその金額は出せます。最低限というのは、平面図、ご自身で測っていただいた設備の寸法、それにお写真の三つです。
平面図は、ご購入のときの資料や、建てたときの図面の中に入っています。寸法は、いまお使いのキッチンや洗面台の幅にメジャーを当てていただくだけで構いません。お写真は、まわりの様子ごと写っているほうがよく読み取れます。
この三つは、現地調査でそろえる情報のいちばん外側にあたる部分です。渡せる手がかりが増えるほど、返ってくる金額は実際に近づいていきます。何を用意すればよいかの全体像はリフォーム要望の伝え方にまとめました。

概算は幅のある金額。情報が増えるほど、幅はだんだん狭くなっていきます
紙で出るのが一般的
概算だから口約束で終わる、ということはありません。紙で提出されるのが一般的です。手元に残る形で届きます。
紙で届くと、ご家族に見せられます。金額を目で見ながら相談できますし、あとから本見積もりが届いたときに、並べて見比べることもできるわけです。
ここで出た金額は、確定ではなく出発点になります。見積書そのものの読み方はリフォーム見積書の見方をご覧ください。
お願いしても嫌がられない
概算だけ出してほしいとお願いして、嫌がられることはありません。お客様のご予算に合わせてお出しするのは、こちらの仕事のうちです。
むしろ先にご予算の幅を教えていただいたほうが、的を外さずに済みます。金額の話を避けたまま進むと、どうしても一般的な標準のご提案になってしまうのです。
見積もりそのものに費用がかかるのかどうかはリフォームの見積もりは無料?に書いています。小規模なリフォームであれば、基本的には無料です。
概算に入っていない二つ

出てきた紙を、そのまま最終の金額として読んでしまうと、あとで驚くことになります。概算は、その時点で分かっていることだけを積み上げた金額です。まだ見えていない部分は、はじめから入っていません。何が抜けているのかを先に知っておけば、紙の読み方が変わります。入っていないものは、大きく二つです。
商品の特注の費用
一つめは商品の特注にかかる費用です。概算の段階では、標準の商品で計算することになります。
いまの窓の大きさに合わせて内窓をつくる。梁を逃げるために寸法を変える。そうした現場に合わせた加工は、お住まいを見てからでないと、要るかどうかが決まりません。
ですから紙の金額は、標準の商品がそのまま納まった場合の数字だとお考えください。特注が要らないお宅も、もちろんあります。なお工事以外にかかる諸経費の行については見積書の諸経費とは?をご覧ください。

実線が概算に入っている項目。点線の二つは、まだ金額を置けない項目です
まだ見えていない工事
二つめは、まだ見えていない工事のぶんです。床下や天井裏、壁の中は、見ないことには分かりません。
配管の状態や梁の位置といったものは、解体してはじめて見えることもあります。概算の紙には、その手当てにかかる費用が入っていないのです。解体で出たものを運び出す費用も、本見積もりで解体処分費の行に入ります。この行についてはリフォームの廃材は自分で捨てられる?でくわしくお伝えしています。
どんな場面で工事が足されるのかはリフォームの追加費用に書きました。当日どこを見ているのかはリフォームの現地調査は何を見る?をご覧ください。
電話で聞く金額は目安まで
紙ではなく、電話や口頭で金額をたずねる方法もあります。ただし口頭で出る金額は、さらに大まかなものになります。
図面もお写真も見ないままお答えするので、どうしても幅のある言い方になってしまいます。目安としては役に立ちますが、ご家族と相談する材料にするには心もとないところです。紙になったあとで一式とだけ書かれていた行についてはリフォーム見積書の一式とは?にまとめました。
金額を手がかりにしたいのであれば、紙でお願いしてみてください。電話でうかがった数字は、頭の中のおおよその地図くらいに置いておくと安全です。
本見積もりで金額が動く場面

概算と正式なお見積書で金額が変わると、話が違うと感じてしまいます。けれど動く理由は決まっていて、たいていは二つのどちらかです。しかも一つは、お客様ご自身から出たご要望によるものです。先に知っておけば、二枚の紙を並べたときに、なぜ増えたのかを自分でたどれるようになります。
あとから足したご要望
いちばん多いのは、あとから足されたご要望のぶんです。悪質な上乗せではありません。
打ち合わせを重ねるうちに、せっかくだからここも、という話は自然に出てきます。収納を足す。扉の色を変える。床まで貼り替える。一つずつは小さくても、積み上がれば金額に出ます。
見比べるときは、増えたぶんが自分の希望なのかどうかで分けてみてください。それだけで、紙の見え方がずいぶんすっきりします。
現地調査で分かった工事
もう一つが、現地調査で分かった工事のぶんです。
実際にお住まいを見ると、概算の段階では見えていなかったことが出てきます。配管を回す必要がある。下地を直してから貼らなければならない。そうした手当てが足されていきます。
ここは会社の落ち度ではなく、見なければ分からなかった部分です。解体してはじめて分かることについてはリフォームは住みながらできる?でも触れています。
差の大きさは言い切れない
では、どのくらい動くのでしょうか。正直にお伝えすると、金額の差は大小さまざまです。ほとんど変わらないお宅もあれば、はっきり増えることもあります。
ですから「概算の一割増で見ておけば大丈夫」といった目安は、お伝えできません。現場の状態と、足されたご要望の量で決まるものだからです。
かわりに、概算を受け取ったときに一つだけたずねてみてください。この金額に入っていないのは何ですか、と。きちんと答えてくださる担当の方なら、紙の読み方まで一緒に教えてくれます。範囲の外にあるものは別途という行で示されることもあるので、見積書の別途とは?もあわせてご覧ください。
概算見積もりによくある質問

ここからは、電話をかける前によく出てくるご質問にお答えします。どれも、日取りを決めるときにそのままたずねて構わない内容です。
概算だけ頼んで断ってもよいか
差し支えありません。小規模なリフォームであれば、お見積もりも現地調査も基本的に無料です。概算をご覧になって、今回は見送ると決めていただいても費用はかかりません。伝え方に迷われたらしつこい営業を断る言い方7選が参考になります。
断るときに、理由を長くお話しいただく必要もありません。今回は見送りますとお伝えいただければ、それで終わりです。
平面図が見つからないときは
お手元になくても構いません。ご自身で測っていただいた設備の寸法とお写真だけでも、おおよその金額は出ます。マンションであれば、ご購入のときの資料に平面図が入っていることが多いので、一度探してみてください。
建築当初の図面が残っていれば、それでも構いません。壁や柱のことまで読み取れる紙なので、お手元にあればあわせてお渡しいただくほうが早く進みます。
概算は何社まで頼んでよいか
3社程度までにしておかれるのがよいと思います。各社とも無料ではありますが、増やすほど見比べるご負担が重くなってしまいます。条件のそろえ方は相見積もりの取り方にまとめました。
大事なのは社数ではなく、お渡しする手がかりをそろえておくことです。同じ平面図と同じご要望を伝えておけば、戻ってきた概算をそのまま横に並べて見比べられます。
予算に合わなかったらどうなるか
ご予算に合わせたご提案へ組み替えていきます。概算の時点で合わないと分かるのは、むしろ早く分かってよかった場面です。商品のグレードを見直すのか、工事の範囲を分けるのか。そこからのご相談になります。
ご予算をお伝えいただいていないと、一般的な標準のご提案になってしまいます。幅のある言い方でかまいませんので、はじめにお伝えください。
電話で聞いた金額はどこまで信じてよいか
目安までにお考えください。図面もお写真も見ずにお答えしているので、紙で出る金額よりも幅が広くなります。その数字で決めるのではなく、紙をお願いするかどうかの判断に使うのがよいと思います。
電話でのお答えは、どの会社に紙をお願いするかを絞るところまでの手がかりです。お願いすると決めたら、平面図とお写真をそろえてお渡しください。
幅のある金額から始めてよい

現地調査の前でも、おおよその金額は出してもらえます。平面図、ご自身で測った寸法、お写真。この三つがあれば紙で届きますし、お願いして嫌がられることもありません。
入っていないのは、商品の特注の費用と、まだ見えていない工事のぶんです。そして本見積もりで動くのは、あとから足したご要望と、現地調査で分かった工事。差の大きさは、現場とご要望の量で決まります。
はじめから一本の数字を知ろうとしなくて構いません。幅のある金額から始めてよいのです。手がかりを渡すたびに、その幅はだんだん狭くなっていきます。
- 概算は出してもらえる
- 必要なのは図面と寸法と写真
- 紙で出るのが一般的
- 特注の費用は入っていない
- 見えていない工事も入らない
- 差の大きさは言い切れない
- 頼んでも嫌がられない
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、概算で幅をつかんだうえで複数の会社の提案を並べてみてください。相見積もりの取り方もあわせてご覧ください。
届いた紙の束の読み方はリフォームの提案書はどこを見る?、期限の見方は見積書の有効期限は?、代金の時期はリフォームの支払いはいつ?にまとめました。会社の見分け方はリフォーム会社の選び方、頼み先の違いはリフォームはどこに頼む?、打ち合わせの回数は打ち合わせは何回?、契約のあとの変更は契約後に変更できる?が参考になります。


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