洗面台のボウルに、こすっても落ちない白い跡が残るようになった。鏡の裏の収納は家族のものであふれて、天板の上にも物が並んでいる。そろそろ替えたいけれど、洗面台だけ替えるなんてできるのだろうか。床や壁まで壊すことになるなら、大ごとになってしまいます。そう思って、何年も先延ばしにされている方が多いように感じます。
先に結論をお伝えします。洗面台だけの交換はできます。壊さずに入れ替えられます。いまと同じサイズを選べば、置き場所もレイアウトもそのままで済みます。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。洗面台のご提案を組むときに、どこを先に決めているかをお伝えします。
直美さん 洗面台だけ替えたいんです。床や壁も壊すことになりますか。
ナビ 同じサイズなら壊しませんよ。1日かからずに終わります。
- ボウルの水垢が落ちない
- 鏡の裏の収納が足りない
- 洗面台だけ替えられるか不安
- 床や壁を壊すのか心配
- 幅をどう選ぶか分からない
洗面台だけの交換はできる

まず、いちばん気になるところからお答えします。洗面台だけを入れ替えることはできます。床や壁を壊すような工事にはなりません。
いまと同じサイズの洗面台を選べば、置き場所もレイアウトもそのままです。古いものを外して、新しいものを据える。給水と排水をつなぎ直して、それで終わりになります。大がかりなことは何も起きません。
水回りの中でも、洗面台はいちばん身軽に替えられる場所だと感じています。機器だけを入れ替える考え方は食洗機だけ交換できる?と同じです。ここから順に、工事の中身を見ていきましょう。
壊さずに入れ替えられる
洗面台は、壁や床に埋め込まれているものではありません。据えてある家具のようなものだとお考えください。同じサイズのものに入れ替えるだけなら、まわりを壊す必要はありません。
ただし給水と排水の位置は、商品ごとに違います。同じサイズの洗面台に替えるときでも、ほとんどは位置を合わせる作業が入るとお考えください。それでも洗面台を入れ替える工事の中で収まるもので、何日もかかるようなことにはなりません。
替え時の目安は築20年の水回りリフォーム時期に書きました。ボウルと水栓の根元に白い跡が残り始めたら、そろそろという合図だとお考えください。毎朝いちばんに目へ入る場所ですから、気になり出すと長く続くものです。
工事は1日かからない
工事にかかる時間もお伝えしておきます。洗面台だけの交換なら、1日かかりません。朝に始まって、お昼を過ぎるころには新しいものが据わっています。
お風呂なら1日か2日、キッチンなら5日から7日。水回りの中では、洗面台はトイレと並んでいちばん短い工事です。それぞれの日数はリフォームは住みながらできる?にまとめています。
ご家族の予定を大きく動かさずに済むのも、ここが選ばれやすい理由だと思います。1日のうちに終わりますから、荷物を長く外へ出しておく必要もありません。洗面台の下と鏡の裏にしまってあるものを前の日に出しておく、それだけで済みます。
クロスまで貼り替えると変わる
もう一つ、ぜひお伝えしたいことがあります。洗面所のクロスまで貼り替えると、空間そのものが新しくなります。洗面台だけを替えたときとは、受ける印象がまるで違います。
新しい洗面台が入ると、まわりの壁の古さが目につくようになるものです。長く使った洗面所の壁は、湿気を受けて少しずつ色が沈んでいきます。そこを一緒に替えると、清潔感が出て、仕上がったときの満足度がぐっと上がります。
もともと1日で終わる場所ですから、クロスを足しても工事が大きく延びることはありません。せっかく手を入れるのなら、ここまで一緒に考えてみてください。

先に決めるのは洗面台の幅

ここからが選び方です。いちばん先に決めるのは、洗面台の幅です。商品の仕様より前に、ここが決まらないと話が進みません。なお高さのほうが気になる方は、洗面台の高さは身長で決まる?80センチの選び方もあわせてご覧ください。
幅が決まれば、選べる商品の範囲も決まります。収納の形も、鏡の大きさも、その幅の中で組み合わせていくものだからです。逆に言えば、幅が決まらないまま商品を眺めても、気に入ったものがご自宅に入るかどうかが分からないのです。
そして幅は、いまと同じにするか、大きくするかで話がまったく変わってきます。同じなら迷うところがほとんどなく、大きくするなら先に確かめることがあります。順に見ていきましょう。
一般的なのは75センチと90センチ
お住まいの洗面台でよく使われているのは、幅75センチと90センチです。どちらかであることが多いので、まずはご自宅の幅を測ってみてください。
測るのは、洗面台の左の端から右の端まで。扉を閉めた状態で、いちばん外側どうしの寸法です。メジャーがあれば数分で足ります。
同じ幅のものを選べば、壊さずにそのまま入れ替えられます。迷うところがいちばん少なく、工事もいちばん短く済む選び方になります。まずはここを基準に置いて、そこから広げるかどうかを考えていくと決めやすいでしょう。
120センチや170センチもある
最近は、もっと大きな洗面台も人気です。120センチや170センチといった幅のものが選ばれるようになりました。以前は洗面所に納まるぎりぎりの大きさを選ぶものでしたが、いまは少し考え方が変わってきています。
幅が広くなると、天板の上に置き場所が生まれます。ボウルの横に物を置ける。朝の支度を二人で分けてできる。洗うだけの場所だった洗面所が、身支度をする場所に変わってきます。
洗面所のレイアウトに余裕があるなら、ぜひ検討してみてください。扱っている商品の幅は頼み先によっても違いますので、リフォームはどこに頼む?もあわせてどうぞ。
大きくするなら間取りを先に見る
幅を広げるときに、いちばん先に見るのは間取りです。洗濯機の置き場、入口の扉、タオル掛け。このどれかにぶつかります。
洗面所はもともと広くない場所です。30センチ広げるだけで、洗濯機の前に立てなくなることがあります。扉が洗面台に当たって、開ききらなくなることもあります。
それに、幅を変えると、壁や床の補修がほとんどの場合出てきます。いまの洗面台が隠していた部分が表に出てくるからです。間取りを確かめてから幅を検討する。この順番だけは守ってください。工事のあとで増える費用についてはリフォームの追加費用にまとめました。

商品は困りごとから選ぶ

幅が決まったら、次は商品です。ここで一つお聞きしたいことがあります。いまの洗面台で、いちばん困っていることは何ですか。
商品を見比べることから始めると、仕様の多さに迷ってしまいます。困っていることから始めると、見るところがはっきりします。それがどう解消されるかだけを確かめればよいからです。
よくお聞きする困りごとは、だいたい三つに分かれます。水栓まわりの水垢、収納の足りなさ、そして毎日のお手入れの手間。順に見ていきましょう。
水栓まわりの水垢が残る
ボウルのふちや水栓の根元に、白い跡が残ってしまう。いちばん多い困りごとです。水栓が壁から出ている形の洗面台があります。根元に水がたまらないので、水垢がつきにくくなっています。
水栓が天板から立っていると、どうしても根元に水が残ります。そこが乾いて白くなり、こすっても落ちなくなる。形そのものが変わっていることなので、掃除の仕方を工夫して追いつく話ではありません。
ボウルも大きくなりました。顔を洗うときに水が飛び散りにくく、まわりを拭く手間が減ります。設備を仕様の軸で見ていく考え方はお風呂リフォームの選び方にも書きました。
収納とコンセントの位置
ご家族の人数が増えると、洗面所のものは一気に増えます。収納の中にコンセントが付いた商品があります。電動歯ブラシを、しまったまま充電できます。
天板の上に充電器が出ていると、そこだけ拭けません。中へ入れてしまえば、天板には何も置かなくて済みます。家族のものをそれぞれの場所にしまえるようになると、朝の洗面所がすっきりします。
鏡は三面鏡を選ばれる方が多いですね。裏がすべて収納になるので、入る量がずいぶん変わります。横の鏡を手前へ向ければ、髪の後ろも見られます。ご家族それぞれの段を決めておけるのも、三面鏡が選ばれている理由のようです。
照明と排水のお手入れ
毎日の手間に効くところを、もう二つ挙げておきます。照明がLEDの商品が多くなり、電球を替える手間がなくなりました。
洗面所の電球は、高いところにあって替えにくい場所です。それがなくなるだけで、家の用事が一つ減ります。顔の色もよく見えるようになりますので、お化粧をされる方にはここが効いてきます。
排水の部分も変わりました。取り外して洗える形になっていて、ぬめりが残りにくい。お手入れがかなり簡単にきれいにできるようになっています。同じ考え方で変わってきた設備はトイレリフォームの選び方にも挙げました。ここは実物に触ってみてください。
洗面台リフォームによくある質問

ここからは、洗面台についてよくいただくご質問にお答えします。ショールームで実際に聞かれることを選びました。気になる項目から読んでいただければと思います。
洗面台だけで新しく見えるか
洗面台が新しくなれば、見た目は十分に変わります。ただ、まわりの壁の古さは目につくようになります。クロスまで貼り替えると、清潔感のある洗面所になります。
いまより大きな洗面台にできるか
できます。120センチや170センチの商品も選べます。ただし間取りを確かめてから幅を決めてください。洗濯機や扉にぶつかりますし、壁や床の補修も出てきます。
三面鏡と一面鏡はどちらが多いか
三面鏡を選ばれる方が多いですね。鏡の裏がすべて収納になるので、入る量が変わります。洗面所のものが多いご家庭なら、まず三面鏡から見てみてください。
ショールームでは何を見るか
困っていることが、どう解消されるかを見てください。収納を開けて、お使いのものが入るかを当ててみる。体を動かして確かめる見方はリフォームのショールームは営業される?にまとめています。
リフォーム会社に何を伝えるか
洗面所で何を使っていて、どうしまいたいかをお伝えください。品番を調べる必要はありません。伝え方はリフォーム要望の伝え方にあります。
まとめ

洗面台だけの交換はできます。同じサイズなら壊さずに入れ替えられて、1日かかりません。クロスまで貼り替えれば、洗面所そのものが新しくなります。幅を大きくするなら、間取りを先に確かめてください。そして商品は、いま困っていることから選んでいきます。
- 洗面台だけの交換はできる
- 同じサイズなら壊さずに入れ替えられる
- レイアウトはそのままで済む
- 工事は1日かからない
- クロスまで貼り替えると印象が変わる
- 先に決めるのは洗面台の幅
- 一般的なのは75センチと90センチ
- 120センチや170センチも人気
- 大きくするなら間取りを先に見る
- 幅を変えると補修がほとんど出る
- 商品は困りごとから選ぶ
- 壁から出る水栓は水垢がつきにくい
- 収納内のコンセントで充電できる
- 三面鏡を選ぶ方が多い
- 照明のLEDと排水のお手入れも変わった
商品を見比べることから始めなくて大丈夫です。いちばん困っていることを一つ、言葉にしてみる。そこから選んでいけば、出てくる提案は自分の暮らしに寄ってきます。
会社の見分け方はリフォーム会社の選び方、相見積もりの進め方はリフォーム相見積もりの取り方にあります。提案書の見るところはリフォームの提案書はどこを見る?、見積書の読み方はリフォーム見積書の見方もあわせてどうぞ。


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