打ち合わせを重ねて、ようやく契約。ほっとしたのも束の間、やっぱりあちらの色のほうがよかったかもしれない、収納をもうひとつ足せないだろうか、と迷いが戻ってくることがあります。けれど、いまさら言ったら怒られるのではないか。追加でいくらかかるのか見当もつかない。そう思って飲み込んでしまう方は、本当に多いのです。
先にお伝えします。契約のあとでも変更はできます。ただし、変えられるかどうかを分けているのは契約した日ではありません。仕様が確定して、メーカーへ商品が発注された日です。ここを知っているかどうかで、動ける幅がまるで違ってきます。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。ご注文を受けて商品を手配する側から、契約のあとに何が動いているのかをお伝えします。
直美さん 契約したあとに、やっぱり変えたいって言ってもいいんでしょうか。
ナビ 言っていただいて大丈夫ですよ。ただ、商品の発注が済んでいるかどうかで話がだいぶ変わります。
- 契約後に言い出せない迷い
- 追加でいくらかかるかの不安
- 工期が延びないかの心配
- 色だけでも変えられるのか
- いつまでに決めればよいか
契約後でも変更はできます

いちばん気になるところからお答えします。契約を交わしたあとでも、仕様の変更はできます。もう決まったことだから言えない、と思い込む必要はありません。
ただし、ひと言で済む話ではなくなります。金額も仕様も変わりますので、書面で追加工事の契約を交わし直すことになります。口約束のまま現場が進んでいくことはありません。
これを面倒だと受け取らないでいただきたいのです。書面に残るからこそ、どこがいくら増えたのかが、あとから誰にでも分かる形になります。あとで話が食い違ったときに、戻って確かめられるものがあるかどうかは大きな違いです。
書面で追加工事の契約を交わす
変更が決まると、追加工事の契約という形で書面を取り交わします。変わるのは仕様だけでなく金額もですから、もとの契約書だけでは足りなくなるためです。もとの契約書そのものをどこから読めばよいのかはリフォームの契約書はどこを見る?二つの欄でお伝えしています。
そこで出てくる書面は、最初の契約のときとよく似た形をしています。何を、いくらで、いつまでに。この三つが書かれたものを、改めて交わす流れになります。
ですので、変更をお願いするときは口頭で終わらせないでください。言った言わないが残ると、いちばん困るのは頼んだ側です。紙に残るところまでを一区切りとお考えください。費用が増える場面そのものはリフォームの追加費用にまとめています。
キャンセル費用と商品費用がかかる
変更には費用がかかります。お施主様からリフォーム会社へ、キャンセル費用と新しい商品の費用をお支払いいただく形になります。
もとの商品がすでに手配されていれば、その手配を取り消す手間と負担が発生しているからです。頼んだ側のご都合で動かした以上、そこは受け持っていただくことになります。
いくらになるかは、商品の種類や時期によって変わります。ここで金額を断定することはできませんが、いつの時点で言うかによって重さがまるで違ってくることだけは確かです。早いほど軽くて済みます。
見た目も商品そのものも変えられる
変えられる範囲は、色や面材のような見た目にかぎりません。商品そのものを別のものへ入れ替えることもあります。どちらのご相談も実際にございます。
浴槽の色だけを変えたい。食洗機を浅型から深型にしたい。前者は同じ商品の中での選び直しで、後者は別の商品への入れ替えです。かかる費用も日数も、当然ながら違ってきます。
ただ、どちらにも共通して言えることがあります。悩まれているのであれば、しっかりと決めてから手配してもらうほうが安心です。迷ったまま進めて、あとから戻すのがいちばん重くなります。
変更の区切りは商品の発注

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。変更できるかどうかを分けているのは、契約した日ではありません。
仕様が確定して、リフォーム会社からメーカーへ商品が発注された時点が区切りになります。契約と発注のあいだには、思っているよりも時間があるものです。契約のあとにも色を決める打ち合わせが残ることは「リフォームの打ち合わせは何回?」でお伝えしています。
つまり、契約したからといって、その日からすべてが固まってしまうわけではありません。ここを知らないまま言いそびれてしまう方が、少なくないのです。もったいないと感じるのは、まさにこういうときです。
契約のあと仕様を決めてから発注
メーカーへの商品の発注は、仕様が確定してからのご連絡になります。契約と同時に自動で流れていくものではありません。見積書の有効期限と、この発注の期日との違いは見積書の有効期限は?で説明しています。
色、面材、取っ手の形、オプションを付けるかどうか。決めるところはたくさんあります。それが全部そろって、はじめて一本のご注文としてまとまる仕組みです。契約金をいつ払うのかはリフォームの支払いはいつ?をご覧ください。
ですから、迷っているものがあるなら、この段階で言っていただくのがいちばん軽くて済みます。発注の前であれば、追加の契約もキャンセル費用も発生しません。希望の伝え方はリフォーム要望の伝え方でくわしく書いています。
工期に商品を待つ期間は入らない
ここで、工期という言葉を整理しておきます。工期とは、職人が実際に現場に入って工事をしている期間のことです。商品を待っている期間は含まれません。
商品をお届けできる見通しが立ってから、現場の工事が始まります。先に壊してしまって、商品が届くまで使えないままになる、という段取りにはなりません。
ですので、工期が短いことと、着工までが早いことはまったく別の話です。工事そのものにかかる日数はリフォームは住みながらできる?にまとめました。
発注のあとは工期がずれる
発注が済んだあとで変更すると、商品を手配し直すところからやり直しになります。現場に入れる日も、そのぶん後ろへずれます。
職人の日程は、ほかの現場とあわせて組まれているものです。一度ずらすと、次に入れる日がすぐ翌日というわけにはいきません。
費用のほうばかり気にされる方が多いのですが、実のところあとで困るのは日程のほうということがよくあります。暮らしの予定まで組み直すことになるからです。

完了したい日から逆算する

いつまでに終わらせたい、というご希望があることもあります。お子さんの入学の前に。ご家族が集まる前に。年内のうちに。
その場合は、完了したい日から逆算して、いつまでに仕様を決めるかが決まります。工事にかかる日数と商品の納期を足して、戻していく形です。
この期限を過ぎてからの変更は、ご希望の完了日に間に合わなくなります。間に合わせたいという気持ちだけでは、どうにもならないところです。ここだけは、契約の前に押さえておいてください。
いつまでに仕様を決めるか
逆算のしかたは単純です。完了したい日から工事の日数を引き、そこからさらに商品の納期を引く。そこが仕様を決める期限になります。
納期は商品によって変わります。標準の品で1週間から10日ほど、特注のものは1か月かかることもあります。ここを見落とすと、逆算そのものが合わなくなってしまいます。
ですので、期限は会社に出してもらってください。いつまでに決めればよいですか、と聞くだけで出てきます。ご自身で計算していただく必要はありません。
迷っているものを持ち越さない
決めきれないものを先送りにしたまま契約まで進むと、あとで必ず戻ってきます。迷いは、時間が経っても勝手には消えてくれません。
色が決めきれない。オプションを付けるかどうか迷う。そういうときは、ショールームでもう一度見てから決めるほうが早道です。提案書を持っていけば、その場で並べて見比べられます。
提案書の見るところはリフォームの提案書はどこを見る?、ショールームの使い方はリフォームのショールームは営業される?にまとめています。
納期が間に合わないときの三つ
こちらの都合ではなく、商品の納期のほうが間に合わないこともあります。その場合、現場では次の三つのどれかを取ります。
ひとつめは、間に合っている商品の工事を先に進めること。ほかの場所の工事もあるときに取れる形です。ふたつめは、工事の日程そのものを後ろへずらすことになります。
三つめは、すでに工事が始まってしまっている場合に、いったん工事をストップさせることです。どれを取るかは現場の状況で決まりますので、早めに相談してみてください。

契約後の変更によくある質問

ここからは、契約のあとの変更でよくいただくご質問にお答えします。言い出しにくいものほど、先に知っておいたほうが気持ちが楽になります。気になる項目から読んでいただければと思います。
キャンセル費用は誰に払うのか
お施主様からリフォーム会社へお支払いいただく形になります。メーカーへ直接ということはありません。いくらになるかは商品と時期で変わりますので、変更を考えた時点で聞いてみてください。手配がどこまで進んでいるかによっても変わってきます。
色だけの変更でも費用がかかるか
発注が済んでいればかかります。色違いは同じ商品に見えても、別の品番として手配されているためです。手配済みのものを一度キャンセルして、改めて手配し直すことになるからです。発注より前であれば、費用は発生しません。色で迷いそうだと分かっているなら、そのことも早めに伝えておくと動きやすくなります。色決めの進み方はリフォームの色決めはいつ?をご覧ください。
工期はどれくらいずれるのか
商品の納期と、職人の日程の空き具合で決まります。数日で収まることもあれば、数週間になることもあります。現場ごとに事情が違いますので、担当の方に確かめてください。いつから住まいが使えなくなるのかも、あわせて聞いておくと安心です。
契約の前に決めきれないときは
決めきれないまま契約していただいて構いません。ただしいつまでに決めればよいかだけは、契約のときに聞いておいてください。期限が分かっていれば、残りの日数から逆算して、ショールームへ行く日まで決められます。慌てて選ばずに済むはずです。
変更を頼むと嫌がられないか
そうしたことはありません。変更のご相談は、現場では日常的にあるものです。ただ、早いほど手間も費用も軽く済みますから、迷いが出た時点でお伝えいただくほうがよいと思います。黙っていて困るのは、結局は頼んだ側のほうです。
まとめ

契約したあとでも、変更はできました。区切りになるのは契約した日ではなく、仕様が確定して商品が発注された日です。ここさえ分かっていれば、言い出せないまま飲み込む必要はありません。
- 契約後でも変更はできる
- 書面で追加工事の契約を交わす
- キャンセル費用は会社へ支払う
- 見た目も商品そのものも変えられる
- 区切りは契約ではなく商品の発注
- 発注は仕様が確定してから
- 発注の前なら費用はかからない
- 工期に商品を待つ期間は入らない
- 発注後の変更は日程がずれる
- 完了したい日から逆算する
- 決める期限は会社に出してもらう
- 迷いは持ち越さず先に片づける
- 納期が間に合わないときは三つの動き
迷いが出たら、まず担当の方に時期を聞いてみてください。まだ発注の前ですか。この一言だけで、取れる道が見えてきます。そろそろ具体的に動こうと思い始めた方は、何社かに声をかけるところから始めてみてください。
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