小さな色見本の帳を開いて、似たような色がずらりと並んでいる。どれも悪くないけれど、決め手がない。張り替えたあとで思っていた色と違ったらどうしよう。リフォームの打ち合わせで、いちばん手が止まるのが色を決める場面です。
先にお伝えします。色を決めるのは、契約をしたあとの打ち合わせです。見積もりの段階で決めきる必要はありません。そして決めたあとも、商品が発注されるまでは変えられます。
この記事は、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から書いています。迷うのは、見本が小さいからです。大きな面で見るとどう変わるのか、大きめのサンプルはどこにあるのか、順にお伝えします。
直美さん 小さな色見本を見ても、まるで決められません。この場で選ばないといけないのでしょうか。
ナビ その場で決めなくて大丈夫です。大きめのサンプルを出してもらって、広い面で見てから決めましょう。
- 色見本が小さすぎて決まらない
- いつ色を決めるのか分からない
- 決めたあとで変えたくなりそう
- 仕上がりの印象が想像できない
- その場で決めるよう急かされそう
色決めは契約のあとの打ち合わせ

見積もりをもらった時点で、色まで決まっていなくてかまいません。色は契約のあとの打ち合わせで決めていきます。順番がはっきりすると、いまの段階で何を考えておけばよいのかが見えてきます。いつ決めるのか、何の色を決めるのか、いつまでに決めるのか。この三つからお伝えします。
色を決めるのは契約のあと
契約までの打ち合わせで決めるのは、どこを工事するか、どの商品を入れるか、いくらかかるかです。色の細かいところまでは、契約のあとに別の場を設けて決めていきます。この場を色打ち合わせと呼びます。
ですから見積書を見ている段階で、色が決まっていなくても遅れにはなりません。むしろ先に決めるべきは、どの商品にするかという大きな枠のほうでしょう。
打ち合わせは一か所の工事なら3回ほどで、契約のあとにも場が設けられます。全体の流れはリフォームの打ち合わせは何回?にまとめました。
決めるのはクロスと床と扉
では何の色を決めるのか。水回りのリフォームなら、壁のクロス、床の材料、収納や建具の扉の面材。この三つが中心になります。扉の柄は商品が新しくなるときに入れ替わることがあり、その話はリフォームの型落ちは選べる?に書いています。
浴室やキッチンといった商品そのものにも、パネルや扉の色があります。こちらは商品を決めるときに一緒に選ぶことが多いものです。クロスや床は、商品が決まったあとに合わせていく形になります。
どの紙に何が書いてあるのかを先に知っておくと、打ち合わせが楽になります。提案書の読み方はリフォームの提案書はどこを見る?をご覧ください。
期限は商品の発注まで
いつまでに決めればよいのか。区切りは、契約した日ではなく商品が発注される日です。そこまでは色を動かせます。
とはいえ無期限ではありません。工事を終えたい日が決まっているなら、そこから工事の日数と商品の納期をさかのぼって、色を決める期限が自然と決まってきます。日数は商品と現場で変わるので、担当の方に逆算してもらうのが確実でしょう。
この発注という区切りは、色だけでなく仕様の変更ぜんたいに共通します。くわしくはリフォームは契約後に変更できる?にまとめました。
色は広い面積で見ると分かる

小さな色見本を前にして決めきれないのは、気が多いからでも優柔不断だからでもありません。見本が小さいと、仕上がりの印象が読み取れないからです。広い面で見れば、同じ色でも見え方が変わります。見本の大きさ、大きめのサンプル、そして置いてある場所の順にお伝えします。
色見本の帳は手のひらの大きさ
打ち合わせで最初に出てくる色見本の帳は、手のひらに収まるくらいの大きさしかありません。一つひとつの色の面は、それよりさらに小さくなります。
この大きさでは、どうしても印象がつかめません。色は面積が広がるほど明るく、鮮やかに見えます。小さな四角で見て落ち着いて見えた色が、壁いちめんに張られると思ったより主張してくることがあるのです。
ですから、見本の帳はあくまで候補をしぼるための道具だと思ってください。そこで最後まで決めきろうとすると、かえって迷いが深くなります。
大きめのサンプルで見る
候補が三つか四つにしぼれたら、次の段階に進みます。大きめのサンプルを出してもらって、広い面で見比べてください。床材なら、紙の見本よりずっと大きな板で用意されています。
見るときは、手に持って顔の前にかざさないでください。床材なら床に置いて立ったまま見下ろす、壁のクロスなら壁に立てかけて少し離れて見る。実際に張られる場所と同じ向きで見ると、印象がぐっと近づきます。
光の当たり方でも見え方は変わります。窓からの明るい光の下と、照明だけの夜とでは別の色に見えるものです。できれば時間を変えて二度見ておくと安心でしょう。

面積が広くなるほど、仕上がりの見え方に近づきます
置いてある場所は二つ
その大きめのサンプルはどこにあるのか。メーカーのショールームと、リフォーム店の二つです。どちらでも見られますが、持ち帰れるかどうかが変わります。
メーカーのショールームでは、展示として見ることはできても、お借りできないことが多くなります。一方リフォーム店には、サンプルが置いてあることが多いものです。
ですから家に持ち帰って見たいときは、リフォーム店の担当者へお申し出ください。ご自宅の光の下で見られるので、いちばん仕上がりに近い見方になります。黙っていては出てこないという点は、リフォーム要望の伝え方と同じです。
決めた色を変えられる区切り

一度そう言ってしまったから、もう変えられない。そう思い込んで我慢してしまう方がいらっしゃいます。色は、商品が発注されるまでなら変えられます。そのあとも変えられないわけではありませんが、扱いが変わります。境目がどこにあるのか、迷いが残ったらどうするのかをお伝えします。
発注の前なら変えられる
色打ち合わせで一度決めたあとでも、発注の前であれば変更できます。費用もかかりません。言い出しにくいことではないので、気になったら早めにお伝えください。
早いほうがよい理由は、担当の方の手が戻るからです。発注が近づくほど、各社への手配が進んでいきます。迷っている段階でその旨を伝えておけば、相手も発注を待ってくれます。頼む時期によっては、この仕様を決める期限が前に動くこともあります。くわしくはリフォームを頼む時期はいつがいい?にまとめました。
変更をお願いしたら、その内容は書面に残してもらいましょう。口約束のままにしないという点は、仕様の変更ぜんたいに共通する話です。
手配のあとは費用がかかる
では発注のあとはどうなるのか。変えられないわけではありません。ただしキャンセルの費用がかかることがあり、工期もずれます。すでに作られはじめているからです。
かかる費用は商品によって違うので、ここで金額をお伝えすることはできません。変えたくなったら、まず担当の方に費用と日数を確かめてもらってください。そのうえで判断すれば十分です。
この境目をどう見るかはリフォームは契約後に変更できる?に、工事中に増える費用の見方はリフォームの追加費用にまとめました。
迷いが残るならショールームへ
決めたあとで、どうしても気になる。そのときは発注の前にショールームへ行って、実物を見てきてください。紙やサンプルで迷っていたことの多くは、その場ではっきりします。
ショールームは商品を売る場所ではなく、見て触っていただく場所です。契約はできませんし、予約なしでも入れます。案内を断って見学だけにしても差し支えありません。
行くときは提案書を持っていくと話が早くなります。くわしくはショールームは営業される?と予約なしでも大丈夫?をご覧ください。

見るのはどちらでもできます。お借りしたいときはリフォーム店の担当者へ
リフォームの色決めのよくある質問

ここまででお伝えできなかった細かいところを、よくいただくご質問の形でまとめました。気になる項目だけ読んでいただいてかまいません。
サンプルは借りられるか
リフォーム店にはサンプルが置いてあることが多いので、担当の方にお申し出ください。メーカーのショールームでは、見られてもお借りできないことが多くなります。
借りたら、張られる場所と同じ向きで見てください。床材なら床に置き、壁のクロスなら壁に立てかけます。
小さい見本と印象が違う理由
色は面積が広がるほど、明るく鮮やかに見えるからです。小さな四角で見て落ち着いていた色が、壁いちめんでは思ったより強く感じられることがあります。
ですから見本の帳では候補をしぼるところまでにして、最後は大きめのサンプルで決めるのが確実でしょう。
決めた色はあとから変えられるか
商品が発注される前なら、費用をかけずに変えられます。発注のあとはキャンセルの費用がかかることがあり、工期もずれます。
変えたくなったら、まず担当の方に費用と日数を確かめてもらってください。黙って我慢するより、聞いてから決めるほうが納得できます。
床の色で掃除は楽になるか
残念ながら、色を変えても掃除の手間は減りません。浴室の床で申し上げると、黒っぽい床には白い汚れが目立ち、白っぽい床にはピンクの汚れが目立ちます。目立つ汚れの種類が入れ替わるだけなのです。
ですから色は好みで選んでかまいません。掃除の手軽さは、色ではなく床や排水口の作りで決まります。くわしくはお風呂リフォームの選び方をご覧ください。
ショールームには行くべきか
迷いが残っているなら、行ってみる値打ちがあります。実物を広い面で見られるので、紙の上で迷っていたことはたいてい解けます。
受付のアンケートは書かなくても見学できます。気になる方はショールームのアンケートは書かないとだめ?をご覧ください。
色は大きな面で見てから決める

リフォームの色を決めるのは、契約のあとの打ち合わせです。見積もりの段階で決めきる必要はありません。決めるのは壁のクロス、床の材料、収納や建具の扉の面材が中心になります。
小さな色見本で決めきれないのは、ふつうのことです。候補をしぼったら、大きめのサンプルを出してもらって広い面で見比べてください。持ち帰って見たいときは、リフォーム店の担当者へお申し出ください。
そして発注の前であれば、決めた色は費用をかけずに変えられます。迷いが残るなら、その前にショールームで実物を見てきてください。会社の見分け方はリフォーム会社の選び方、提案書の読み方はリフォームの提案書はどこを見る?にまとめました。
- 色決めは契約のあとの打ち合わせ
- 決めるのはクロスと床と扉の面材
- 期限は商品の発注まで
- 小さな見本は候補をしぼる道具
- 大きめのサンプルを広い面で見る
- 借りたいならリフォーム店へ
- 発注の前なら費用なしで変えられる
そろそろ具体的に、と思い始めた方は、好みの色の方向だけ添えて、複数の会社の提案を並べてみてください。相見積もりの取り方もあわせてご覧ください。
来てもらう前に金額の見当をつけたいときはリフォームの概算見積もりは出せる?、連絡をメールだけで進めたいときは連絡はメールだけで済む?が参考になります。


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