ショールームに行ってみたいけれど、営業されそうで足が向かない。アンケートに住所や電話番号を書かされて、そのあと連絡が来るのではないか。そんな心配で、見に行くこと自体をためらっている方は多いように感じます。
先に結論をお伝えします。メーカーのショールームでは、そもそも契約ができません。商品を販売するのは工務店やリフォーム店で、ショールームはその手前にある、実物を確かめていただくための場所だからです。売り場ではないので、その日に決めるよう迫られることもありません。
この記事では、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から、ショールームの仕組みと、書いた情報がどう扱われるのかをお伝えします。あわせて、せっかく出かけるのですから、行って得をする使い方もご紹介します。
直美さん アンケートを書いたら、そのあと営業の電話が来ませんか。
ナビ 売り場ではないので、そもそも契約ができない場所なんです。安心して見に行ってください。
- 営業されそうで行きづらい
- アンケートの記入が不安
- 何を見ればよいか分からない
- 予約が必要か分からない
- 一人で行ってよいか迷う
ショールームで契約はできない

まず知っていただきたいのが、ショールームの立ち位置です。メーカーのショールームは、商品を見ていただくための場所で、売り場ではありません。ここが分かるだけで、身構える必要がなくなります。
実物に触って、扉を開けて、しゃがんで覗いてみる。カタログの写真では分からないところを確かめていただく。それがショールームの役目です。契約の話が出てくるのは、もっと先の段階です。
その場で売っていない理由
なぜ売っていないのでしょうか。メーカーは商品をつくる側であって、お客様への販売は工務店やリフォーム店を通すという仕組みになっているからです。取り付ける工事とあわせて一式で引き受けるのが、その会社の役目になります。
ですから、ショールームでどれほど気に入っていただいても、その場で買うことはできません。ここで買いたいとおっしゃる方には、お取り扱いのある工務店やリフォーム店をご紹介するという流れになっています。
案内する側が売り上げの目標を背負って立っているわけでもありません。役目は、商品の違いを正しくお伝えすることです。契約を取る立場ではないので、その日に決めていただく必要もないのです。
アンケートを書いたあと
入り口で記入をお願いする用紙が、いちばん気になるところだと思います。はっきりお伝えしますと、まだ決まっていないお店に、こちらから情報が流れることはないという点です。
個人情報は正しく扱われます。勝手にどこかへ回すようなことはいたしません。ご紹介を望まれた場合にかぎって、お店からご連絡が行くという流れです。望まれなければ、そこで止まります。
書きたくない欄は、空欄のままで構いません。頼むリフォーム店が決まった時点で、ショールームへの来場の記録がそのお店とつながる形になります。順番が逆になることはありませんので、そこはご安心ください。書いた紙がどこへ行くのかは、「ショールームのアンケートは書かないとだめ?」でくわしくお伝えしています。
予約ありと予約なしの違い
予約をしてから行くべきか、迷われると思います。どちらでも構いませんが、予約を入れると担当者がついて、しっかり案内してもらえます。見たいものが決まっているなら、予約のほうが中身の濃い一日になります。
予約なしで、自由に見て回ることもできます。声をかけられずに、静かに一人で眺めたい日もあるでしょう。それも遠慮なくお申し出ください。無理に案内が付くことはありません。予約をすると何が変わるのかは「リフォームのショールームは予約なしでも大丈夫?」でくわしくお伝えしています。
営業の電話が来ることも、基本的にはありません。ただ、ご提案の内容についてお知らせが必要なとき、ショールームの担当者から直接ご連絡することはあります。売り込みの電話とは別のものだと考えてください。お断りしたあとの連絡については、断ったのに連絡が来る理由と止め方にまとめました。
二つのショールームの違い

ショールームと呼ばれる場所には、大きく二種類あります。メーカーのショールームと、リフォーム会社のショールームです。置いてあるものがまるで違うので、行く順番を考えると無駄足になりません。
どちらが良いというものではありません。深く見るのに向いた場所と、見比べるのに向いた場所、という違いです。ご自分の目的に合わせて選んでいただければ十分です。
メーカーのショールーム
メーカーが構えているショールームには、その会社の商品だけが並びます。同じお風呂でも上位の機種から手ごろな機種まで置いてあり、扉の色や取っ手の形も一式そろっています。
ですから、一つの商品を深く見るのに向いています。実際に湯船に入って、またいだときの高さを確かめる。引き出しを開けて、重さを手で覚える。そういう確かめ方ができます。
気になる商品がはっきりしているなら、迷わずこちらへ。同じメーカーの中で機種を見比べられるのは、この場所だけです。設備そのものの見方は、お風呂リフォームの選び方もあわせてご覧ください。
リフォーム会社のショールーム
リフォーム会社が構えている場所には、協賛している各メーカーの商品が並びます。一か所で何社ぶんも見られますので、違いを感じ取るのにはとても向いています。
ただし気をつけたい点があります。展示のスペースにかぎりがあるので、一社あたりの台数は多くありません。必ず一台とはかぎりませんが、各メーカーの商品をたくさん並べるのは難しいのが実際のところです。
ですから、置いてあるのは代表の一つか二つになります。色を変えたらどう見えるか、もう一つ上の機種なら何が違うか。そこまでは分かりません。希望のメーカーが決まっているなら、そのメーカーのショールームへ行くほうが確かです。
見に行く順番
まとめますと、並んでいる所で見比べてから、気になった会社の所で深く見るという順番になります。この順で回れば、遠回りがありません。
はじめから一社だけを見に行くと、そこが良いのかどうか比べる相手がいません。逆に、並んでいる所だけで決めてしまうと、色や機種の幅を知らないまま決めることになります。
どちらも一度で終わらせなくて構いません。何度行っても嫌がられることはありませんので、気が済むまで見てください。会社ごとの見分け方は、リフォーム会社の選び方にもまとめました。

ショールームを生かす使い方

ここからは、行って得をする使い方です。せっかく出かけるのですから、たくさん体験して楽しんでいただくのがいちばんです。触ってみないと分からないことが、思っていたより多いはずです。
そのために、しておくとよいことが三つあります。先に目星をつけておくこと、いまの不満と予算をその場で伝えること、そして出てきた紙をリフォーム店へ持っていくこと。順にお伝えします。
カタログで先に目星をつける
まずはカタログやホームページで、気になる商品に印をつけておくことです。何も決めずに行くと、並んでいる数に圧倒されて、見たはずのものを覚えていられません。
印をつけておけば、その実物を確かめることに時間を使えます。担当者にも、この商品の説明をお願いしますと言えます。それだけで、帰ってからの満足度がぐっと上がると思います。
カタログは取り寄せることもできますし、ホームページでも見られます。すべてを読み込む必要はありません。気になった写真に付せんを貼っていく、くらいで十分です。
不満と予算をその場で伝える
次に、いま困っているところを、担当者にしっかり伝えてください。これがいちばん効きます。案内する側は、困りごとを聞いて初めて、どの機能が必要なのかを判断できます。
掃除に手間がかかる。冬の寒さがつらい。収納が足りない。そうした言葉があれば、それに合う仕様を選んでご案内できます。困りごとが分からないと、順番に全部を説明するほかありません。
あわせて、予算のことも話していただけると助かります。ご希望に沿った内容でご提案することにつながります。ざっくりの幅で構いません。伝え方のこつは、リフォーム要望の伝え方にまとめました。
出た見積書をリフォーム店へ
ショールームでは、見た内容を紙にしてもらえます。ただしご案内したすぐあとにお渡しできるのは、簡易的な提案書だけです。正式なお見積書、図面、提案のボードは、できあがったあとにメールか郵送で届きます。
そろった紙を見れば、その日に見て回ったものがきちんと形で残ります。ただし、そのお見積書に入っているのは商品代の定価だけです。工事代は入りません。取り付けの費用はリフォーム店ごとに違うため、メーカーの側では出せないのです。
この紙をリフォーム店へ持っていくと、工事費を足した見積書を作ってもらえます。二回目以降にショールームへ行くときも、この紙があると案内がすんなり進みます。見積書のそろえ方はリフォーム相見積もりの取り方もどうぞ。

よくある質問

ここまででお伝えしきれなかった点を、ご相談の多い順に並べました。気になるところだけ拾い読みしていただいて構いません。
一人で行ってよいか
もちろん大丈夫です。お一人でお越しになる方も、ご夫婦でお越しになる方もいらっしゃいます。声をかけられたくないときは、自由に見たいとお伝えいただければ、そのように案内いたします。静かに一人で見て回る時間も、遠慮なく過ごしていただけます。
子ども連れでも平気か
お連れいただいて構いません。小さなお子様がいらっしゃる方も、ふだんからよくお越しになります。かえって、ふだんの使い方に近い動きが見えることもあります。お子様が飽きてしまったら、途中で切り上げて日を改めていただいても大丈夫です。
どのくらい時間がかかるか
担当者がついてご案内する場合、水回りを一式ご覧になるなら2時間ほどが目安です。お風呂だけ、台所だけでしたら、もっと短く済みます。自由に見て回るぶんには決まりがありませんので、時間の許すかぎりどうぞ。予約のときに見たいものをお伝えいただくと、こちらも組み立てやすくなります。
何回行ってもよいか
何度でも構いません。一度で決められる方は、そう多くありません。2回目からは、前にもらった定価のお見積書を持ってきていただくと、前回の続きから話ができます。同じ商品をもう一度触って確かめる、という行き方も歓迎されます。
会社が決まっていなくてよいか
決まっていなくても大丈夫です。お店が決まっていない方も、自由に見ていただける形で記録されます。決まっていないお店に、こちらから情報が渡ることはありません。まず見てから会社を探す、という順番でまったく問題ないのです。
まとめ

ショールームで身構える必要は、実はほとんどありません。メーカーのショールームでは、そもそも契約ができないのですから、その場で押し切られる心配は要らないのです。書いた情報が、決まっていないお店に先に流れることもありません。
- メーカーのショールームは売り場でない
- 販売は工務店やリフォーム店を通す
- 決まっていない店に情報は流れない
- 書きたくない欄は空欄でよい
- 予約すると担当者がつく
- 予約なしの自由見学もできる
- メーカーの所は機種を深く見る
- リフォーム会社の所は台数が少ない
- カタログで先に目星をつける
- 不満と予算はその場で伝える
- 当日渡されるのは簡易的な提案書
- 正式な見積書は商品代の定価だけ
そして、せっかく足を運ぶのですから、たくさん体験して、楽しんでいただきたいと思います。実物を触って、しゃがんで、湯船に入ってみる。その一日の積み重ねが、良いリフォームにつながっていきます。
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