工事のあいだ、家はどうなってしまうのでしょうか。お風呂に入れない日が何日も続くのか、ごはんはどうするのか。リフォームをためらう理由が、金額ではなくこちらにあるという方は少なくありません。小さなお子さんがいるご家庭なら、なおさら気がかりだと思います。
先に結論をお伝えします。水回りの入れ替えは、そのほとんどが住みながらできます。そして家が実際に止まる日数は、多くの方が思っているよりもずっと短いのです。ユニットバスの入れ替えなら、1日か2日で戻ってきます。
この記事では、住宅設備建材メーカーでハウスメーカーやリフォーム会社への商品提案と提案書づくりを担当している立場から、水回りが止まる日数の目安と、工期が延びる本当の原因をお伝えします。なお日数はあくまで目安で、現場の状況によって前後します。
直美さん 工事のあいだ、お風呂に入れない日が何日も続くのでしょうか。子どもがいるので、そこがいちばん不安です。
ナビ いまの浴室がユニットバスなら、止まるのは1日か2日です。思っていらっしゃるよりずっと短いと思いますよ。
- お風呂に入れない日が心配
- 台所が何日止まるか分からない
- 仮住まいが要るのか知りたい
- 工期が延びないか不安
- 何を準備すればいいか分からない
水回りが止まる日数の目安

結論から申し上げます。水回りのリフォームで家が止まる日数は、設備ごとにまったく違います。いちばん心配されるお風呂が、実はいちばん短いのです。反対に、短いと思われがちなキッチンのほうが長くかかります。
ただしお風呂は、いまの浴室がどちらなのかで大きく変わります。ユニットバスの入れ替えなら短く済みますが、タイル張りの在来浴室からだと日数が要ります。まずは設備ごとの目安を並べますので、ご自宅の状況に当てはめてみてください。
ユニットバスは1日か2日
いまの浴室がユニットバスで、その入れ替えだけであれば、1日から2日で完了します。前の浴室を解体し、新しいユニットバスを組み立てて、その日のうちに設備がつながる。ここまでが2日のあいだに収まります。
ただし、洗面所まで一緒に入れ替える場合は話が変わります。洗面台だけでなく、洗面所の床と壁まで手を入れることになりますので、5日ほどかかることが多くなります。お風呂と洗面をまとめて直す方は多いので、こちらのほうがむしろ一般的かもしれません。
もう一つ変わるのが、タイル張りのいわゆる在来浴室からユニットバスに替える場合です。この場合は5日ほどを見ておいてください。前の浴室の取り壊しに日数がかかるためです。ご自宅の浴室がどちらなのかは、壁を見ればすぐに分かります。
キッチンは5日から7日
キッチンの入れ替えは、5日から7日ほどが目安です。お風呂より長くなるのは、扱う範囲が広いためです。流し台と加熱機器だけでなく、給排水やガス、換気の経路まで触ることになるのです。
そして、ここでも範囲によって日数が変わります。ダイニング側の床や壁までやり直すのか、キッチンだけを入れ替えるのか。どこまで手を入れるかで、5日で済むこともあれば7日を超えることもあります。
台所が1週間近く使えないというのは、正直なところ楽ではありません。ただ、ここは先に分かってさえいれば備えられます。外食にする日を決めておく、電子レンジだけ別の部屋に出しておく。そういった準備で、ずいぶん違ってきます。
トイレは1日もかからない
トイレの交換は、1日もかからずに終わります。配管がそのまま使える場合は、1日リフォームとして午前から午後のうちに入れ替えが済んでしまいます。水回りの中ではいちばん軽い工事です。
とはいえ、トイレには代わりがありません。お風呂なら銭湯という手がありますし、台所は外食でしのげます。トイレだけは、止まっているあいだの代わりが見つけにくいのです。
ですから、トイレが1か所しかないお宅では、作業の時間帯を事前に確かめておいてください。何時から何時まで使えないのかが分かっていれば、その時間に出かける予定を入れておけます。

工期が延びるのはどこか

ここまでの日数は、工事が順調に進んだときの日数です。ところが実際には、始まってから予定より延びることがあります。何が起きているのかを、先にお伝えしておきます。
いちばん多いのは、解体してみて初めて分かる現場の状況です。壊す前には見えない部分があり、そこに手を入れる必要が出ると、追加の部材を手配することになります。その待ち時間が、そのまま工期の延びになっていくのです。
工期は解体から仕上げまで
まず言葉を整理させてください。工期とは、解体から仕上げまでの実際に工事をする期間のことです。商品が届くのを待っている期間は、ここには入りません。
商品の納期は、標準的なもので1週間から10日ほどです。特注になると1か月かかる商品もあります。これは契約して発注したあとの話で、工期が始まる前の期間にあたります。
ですから日取りを知りたいときは、二つに分けて聞いてみてください。着工はいつになるのか。そして工期のうち、実際に使えなくなるのは何日なのか。この二つが分かれば、予定はかなり立てられます。
解体して分かる現場の状況
工事が始まってから延びる原因で、現場からいちばん多く上がってくるのがこれです。図面や見た目では判断しきれない部分が、壊して初めて見えてきます。
お風呂でいえば、土台になる土間の状態と、給排水の状態です。また、暖房換気乾燥機を付けたい位置の天井に梁が走っていて、そのままでは取り付けられないこともあります。
こうした状況には、下見の段階で分かるものと、解体してみないと分からないものがあります。ですから下見は丁寧なほど安心です。床下や天井裏まで見てもらえますか、と聞いてみてください。
延びるのは部材の手配待ち
現場の状況が分かって、追加の部材が必要になったとします。そこから手配をかけることになりますので、その部材が届くまで現場は先へ進めません。この待ち時間が、そのまま工期の延びになります。
そして、職人さんの段取りも組み直しになります。解体から始まって、大工、水道、電気、内装と、水回りの工事には何種類もの職人さんが入れ替わりで入ります。この順番が1日ずれると、次の職人さんの予定も後ろへずれていくのです。
見分け方はむずかしくありません。契約の前に、工程表を出してもらえますかと聞いてみてください。工程表には業者の名前ではなく、解体、木工事、ユニットバス工事、クロスといった作業の内容が日ごとに並びます。この表がすぐに出てくる会社は、段取りが組めています。

工事の前に決めておくこと

日数の目安が見えたら、あとは備えるだけです。住みながらの工事でつまずくところは、実はだいたい決まっています。しかもそのほとんどは、着工の前に決めておけば済む話です。ご近所へのあいさつも着工の前のことですが、こちらはリフォームの近所へのあいさつは誰が回る?のとおり、会社が回ります。
ここでは、お施主様ご自身が動かなければならないことを中心にお伝えします。業者に任せられる部分と、そうでない部分を分けておくと、当日になって慌てずに済みます。
荷物を動かすのは住んでいる人
意外に見落とされるのがここです。荷物の移動は、住んでいるご家族がやることになります。工事業者が代わりに片づけてくれるわけではありません。
キッチンであれば、収納の中身をすべて出して別の部屋へ移します。鍋、食器、調味料、食品のストック。長く住んでいるお宅ほど、出てくる量は増えます。工事のためのスペースを作りますので、ダイニングまわりも片づけることになります。
これが想像以上に時間のかかる作業です。着工の前日から始めて間に合わなかった、という話も珍しくありません。1週間ほど前から少しずつ手をつけておくことをおすすめします。
お風呂の代わりの決め方
お風呂が使えないのは1日か2日ですから、選べる手はいくつもあります。近くの銭湯やスーパー銭湯を使う、ご実家で借りる、その日は体を拭いて済ませる。日数が短いと分かっていれば、決め方も変わってきます。
洗面所まで一緒に工事する場合は5日ほどになりますので、こちらは少し腰を据えた備えが要ります。歯みがきや洗顔をどこでするか、洗濯機が使えるのかを先に確かめておきましょう。
小さなお子さんがいるご家庭なら、工事の時期そのものを考える手もあります。夏休みや連休に合わせれば、ご実家に泊まるという選び方もできるはずです。
まとめてやるかずらすか
お風呂とキッチンを同時に入れ替えることはもちろんできますし、時期をずらすこともできます。どちらがよいかは、暮らし方によって変わります。
同時にやれば、職人さんの出入りが一度で済み、工事の期間そのものは短くなります。その代わり、お風呂も台所も同時に止まる日が出てきます。家の機能がまとめて落ちる日がある、ということです。
ずらせば、片方が使えている状態を保てます。台所が止まっているあいだもお風呂には入れますし、その逆もできます。暮らしへの負担を減らしたいのであれば、ずらすほうが楽だと思います。
よくある質問

ここまでにお伝えしきれなかった点を、ご相談の多い順に並べました。気になるところだけ拾い読みしていただいて構いません。
工事中は家にいるべきか
ずっといる必要はありません。ただし着工の日と、設備がつながる日は立ち会えると安心です。位置や高さの最終確認を現場で求められることがあるためです。留守にする日は、連絡のつく方法を伝えておきましょう。工事のあいだ家の鍵をどうするのかは、リフォーム工事中の鍵はどうする?にまとめてあります。
お風呂はどこで入るのか
1日か2日であれば、銭湯やスーパー銭湯、ご実家などで十分にしのげます。洗面所まで工事する場合は5日ほどになりますので、そのときは洗濯や洗顔の場所も一緒に決めておいてください。
工期が延びると費用も増えるか
延びたこと自体で費用が増えるわけではありません。増えるのは、工事の中身が変わったときです。日数と金額は別の話として見ていただければと思います。増える場面については、追加費用の記事にまとめてあります。
特注品にすると納期はどうなるか
1か月ほどかかる商品もあります。現場の寸法に合わせたサイズ、特別な扉やカウンター、海外の製品などが当てはまります。選ぶ段階で納期を聞いておけば、着工の時期から逆算して決められます。浴室の扉の種類は納期にも工期にも影響しませんので、くわしくは浴室の扉は折れ戸と開き戸どちら?をご覧ください。
まとめてやると早く終わるか
工事の期間そのものは短くなります。その代わり、お風呂も台所も同時に止まる日が出てきます。暮らしへの負担で選ぶならずらすほうが楽で、期間の短さで選ぶなら同時のほうが早い、という関係です。
まとめ

住みながらのリフォームで大切なのは、工期の長さではなく、家が止まる日数を知ることです。ユニットバスなら1日か2日、キッチンなら5日から7日、トイレは1日もかかりません。この数字が見えていれば、備えようはいくらでもあります。
- ユニットバスの入れ替えは1日か2日
- 洗面所まで一緒だと5日ほど
- 在来浴室からの入れ替えは5日ほど
- キッチンは5日から7日
- トイレは1日もかからない
- 工期に商品を待つ期間は入らない
- 標準品の納期は1週間から10日
- 特注品は1か月かかることもある
- 延びる原因は解体して分かる状況
- 荷物を動かすのは住んでいる人
そして工期が延びる原因の多くは、解体して初めて分かる現場の状況でした。すべてを先に読み切ることはできませんが、丁寧な下見と工程表があれば、慌てずに進められます。床下や天井裏まで見てもらえますか、と聞いてみてください。
設備そのものの選び方はお風呂リフォームの選び方とキッチンリフォームの選び方に、替え時の見分け方は築20年の水回りリフォーム時期にまとめました。費用が増える場面はリフォームの追加費用、見積書の読み方はリフォーム見積書の見方をご覧ください。頼む会社の見分け方はリフォーム会社の選び方もどうぞ。


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